« つれづれなるままに~日野原さんが亡くなった~ | トップページ | 相談を受けて~包み込み法を取ることです~ »

問題解決学習について質問されて!

   明治図書から出版した算数本に対して、さまざまに感想が寄せられている。

 その中で、「問題解決学習」についての質問が寄せられた。

 問題解決学習とは、ご存じの通り日本全国でやられている算数の教え方である。どこででもやられている。

 ある先生から以下のような悩みが寄せられた。

 ★ ★ ★
自分はこれまで算数の授業を問題解決型で行ってきて、大きく2つの問題に悩んでいました。
1つ目は、先生の本でも述べられている通り、問題演習までいかず、授業内で新しく学習したことの定着が十分に図られないこと。
2つ目は、45分間の1単位時間内に学習内容が終わらないことが多く、進度が遅れてしまうこと。
この2点の悩みに先生の「味噌汁・ご飯」授業算数科編の本は答えてくれました。
  ★ ★ ★
 
 おそらく、多くの先生方がこのような悩みを持っておられるであろう。
 ここでの悩み2つは、問題解決学習が構造的に持っている問題点である。
 真面目に学習を進めていけばいくほど、この2つの問題点にぶつかる。
 
 だから、ほとんどの先生は、日頃はテキトウにやっているか、練習問題やまとめの問題を宿題にして消化しているはずである。
 そうしないと学習内容が終わらないからである。
 ちゃんとした問題解決学習は、研究授業などに行うということではないだろうか。

 調べたことによると、指導書に書かれた時間できちんと進めているだけでも10~15時間の不足が出てくる。テストの時間やテストを配布する時間などが、まったく時間数の中に組み入れられてないのである。

 ましてや1時間ごとに完結しない(練習問題までいかない)授業をしていては、それは大変なことになる。
 
 問題解決学習というのは、算数学習を進めるための1つの方法論にしかすぎないはずである。
 その方法論が、なぜ強制的な学習方法として採用されているのか、不思議である。

 強制的というのは、若い先生たちが教科書を使ってやろうとすると、「教科書はしまわせてやること」「問題解決学習のやり方を使うこと」という指導が入るということからである。

 方法というのは、目の前の子供たちにとって効果的であるからこそ採用するものである。
 どんなに効果的だと言われていても、目の前の子供たちにうまくいかなければ方法を変えなければならない。
 こんなことは当たり前のこと。

 算数本で、問題解決学習についてQ&Aで書いたことは、低学力児を引き上げていくためには、ほとんど効果がないことを書いた。
 指導の中身が、低学力児に対応できないためである。
 
 

|
|

« つれづれなるままに~日野原さんが亡くなった~ | トップページ | 相談を受けて~包み込み法を取ることです~ »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

いつもブログを見させてもらっています。小学校で教員をしている者です。「味噌汁ご飯授業算数科編」を読み、先生にお聞きしたいことがあります。突然ですので、答えていただければありがたいです。
今、大都市圏では算数の学習を児童を習熟度別に分けて授業を進めています。私の勤めている市では、1年生から習熟度別指導を進めています。つまずきに対してきめ細かい指導を、との主旨で進められていますが、この指導では問題が多いです。習熟度が低い児童は、どこまでも教師が指導していくという前提で、教え合いが難しいのです。自分も隣の席の子も、前後もわからないという状態です。もちろん、指導の改善が必要と思いますが、結果として「低山徘徊」だったり「麓まで逆行」だったりをしてしまいます。アウトプットの数を増やしていくことで、改善を図ろうとしていますが、学力の定着まで至りにくいというのが現状です。
また、上位、中位とされる集団でも、「2:6:2の法則」でしょうか、理解が進まない児童が出てきます。編成に無理があったかどうかということになりますが、そうでもなさそうです。
お聞きしたいことが①強制的に習熟度別で指導をせざるを得ないなかで、低位の集団でペアや班での学習を進めてよいのか、②そもそも習熟度別指導が、学力向上のために有効なのか、ということです。ちなみに②について、個人的には否定的です。頭から否定してもいけないと思いますが、経験からして有効とは思えません。
もし、よろしければご意見を聞かせてください。よろしくお願いします。

投稿: sash | 2017年8月 8日 (火) 16時03分

 横レスながら失礼します。
 約10年前に習熟度指導を数年行っていました。わが市でその後、習熟度をやっているという話は聞きません。習熟度を決めるのが難しく時間がかかることもあったと思います。上中下を決めるのも本人(保護者と本人も話し合ったうえで)の希望をもとにしていました。余るにもかけ離れていると指導したと思いますが、そういうことはほとんどなかったです。4年生だったので、自分のことは分かっていたと思います。
 個人的には1年生からの習熟度はものすごく無理があると思いますが、学校体制では文句を言いようがないので、何とか工夫するしかないですね。

では、質問の件について。1つ目。
なお、野中先生と同様、問題解決学習は一切考えていません。ひたすらできるようにするのみです。「やり方を話し合う」なんて、低位の子に無理と思っています。1年生の低位で話し合わせるのは無茶苦茶です。「犯罪的行為」とすら言う著名な先生もいますよ。

①強制的に習熟度別で指導をせざるを得ないなかで、低位の集団でペアや班での学習を進めてよいのか。

低位の集団はできる範囲でやる、無理と思ったらやらずに進める。
私の実感では、5パーセントもできれば大成功でしょう。
黒板にやり方を写させて(場合によっては写すのも少なくかなしにして)問題のところで同じようなやり方でやらせる。できればほめる。
となるでしょう。子どもどうしの教え合いは時間的に余裕があったときしかありえませんね。

 質問2つ目は次に。

投稿: 某教師 | 2017年8月10日 (木) 19時50分

続きです。

②そもそも習熟度別指導が、学力向上のために有効なのか。

様々な条件付きなら有効でしょう。
下の子は1~2割程度にすること。
上・中の子は5割・4~3割で。
(できれば下はTTでおこなうこと。)

上位の子ほど問題解決的な方法も考えさせること。
【前言と矛盾しますが、わざと回り道をさせて時間調整する意味で】
上位の子ほど問題を多めに用意すること。【これも時間調整】

なお、非常に言いにくいですが、下の先生ほど指導力がいります。(そうなるとTTはなくても大丈夫でしょうか。)

単に少ない人数ならいい、子供の質がそろった方がやりやすい、という考えなら大失敗するでしょう。
sash 先生の学校がどういう先生方がそろっているか分かりませんが、否定的な考えになるのは、上記の考え方を各先生方が共有されているか、その話し合いを持ったか、それらが不十分だったのでは、と推察します。

以上です。的外れの意見がありましたらご容赦ください。

投稿: 某教師 | 2017年8月10日 (木) 20時05分

 すみません。気になったことがあったので改めて。

 上位、中位とされる集団でも、「2:6:2の法則」でしょうか、理解が進まない児童が出てきます。編成に無理があったかどうかということになりますが、そうでもなさそうです。・・・について。

 子供を見ていないので推測ですみません。
 私は上・中も担当しました。
 若干262の感覚はありましたが、理解が進まない子はほとんどありませんでした。
 うまくいかない原因として考えられることは・・・
①問題解決的な時間を取りすぎ、問題を解くのに時間が足らない。
②単元による得意・不得意。(計算・文章問題・図形等で変わってくる)
【②なら、単元ごとで上中下を変えるべき。過去の勤務校はそうしていました。
だから大変になり、すたれていったのですが】

 とにかく、問題を解くことがほとんど全員できることを目標に授業を組み立てました。そうなると、問題解決的な時間は制限されますから。

 以上です。たびたび失礼しました。

投稿: 某教師 | 2017年8月10日 (木) 20時24分

某教師さん

ご意見ありがとうございます。上位、中位についてですが、レディネステストの見取りに無理があったこともありました。教科書に付されているワークシートからレディネステストをしていますが、どうも実態を表しにくく、結果として厳しい児童が上位や下位にきます。

投稿: sash | 2017年8月12日 (土) 21時23分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/520860/65635115

この記事へのトラックバック一覧です: 問題解決学習について質問されて!:

« つれづれなるままに~日野原さんが亡くなった~ | トップページ | 相談を受けて~包み込み法を取ることです~ »