« 相談を受けて~包み込み法を取ることです~ | トップページ | 鈴木先生からの算数本感想~べき論はもういい~ »

算数本の質問に答える

  算数本を読んでもらっている方から相談を受けた。

 以下の内容である。

  ★ ★ ★
 いつもブログを見させてもらっています。小学校で教員をしている者です。「味噌汁ご飯授業算数科編」を読み、先生にお聞きしたいことがあります。突然ですので、答えていただければありがたいです。
今、大都市圏では算数の学習を児童を習熟度別に分けて授業を進めています。私の勤めている市では、1年生から習熟度別指導を進めています。つまずきに対してきめ細かい指導を、との主旨で進められていますが、この指導では問題が多いです。習熟度が低い児童は、どこまでも教師が指導していくという前提で、教え合いが難しいのです。自分も隣の席の子も、前後もわからないという状態です。もちろん、指導の改善が必要と思いますが、結果として「低山徘徊」だったり「麓まで逆行」だったりをしてしまいます。アウトプットの数を増やしていくことで、改善を図ろうとしていますが、学力の定着まで至りにくいというのが現状です。
また、上位、中位とされる集団でも、「2:6:2の法則」でしょうか、理解が進まない児童が出てきます。編成に無理があったかどうかということになりますが、そうでもなさそうです。
お聞きしたいことが①強制的に習熟度別で指導をせざるを得ないなかで、低位の集団でペアや班での学習を進めてよいのか、②そもそも習熟度別指導が、学力向上のために有効なのか、ということです。ちなみに②について、個人的には否定的です。頭から否定してもいけないと思いますが、経験からして有効とは思えません。
もし、よろしければご意見を聞かせてください。よろしくお願いします。
投稿: sash
 ★ ★ ★
 習熟度別指導は、多くの学校でも採用している方法です。
教育委員会が採用している方法でしょう。だから、学校もそれに従っているのだと思われます。

 結論から言えば、学力向上のために有効だと私も思えません。
 採用している学校の先生たちに聞いても、うまくいっていると聞いたことがありません。

 無駄な時間が多すぎます。
 習熟度別ですから、教室を移動するわけですね。
 そのために、最低5分はかかります。
 45分しかないのです。だらだら移動したら、無駄な時間だらけです。
 特に、算数の時間は1,2分でも無駄に使えないと思ってきましたので、これが一番気になります。

 習熟度は、人数を少なくして、同じレベルの子供たちを集めて指導すれば、効果があるはずだという思い込みで進めているはずです。
 ★
 しかし、もっと人数を少なくして、家庭教師みたいに徹底的に個別学習をさせるという方向ならば、効果は出てくると思われます。 
 
 だけど、習熟度は中途半端なのです。
 そんなことよりTTで進める方が効果は大きいです。

 低学力児を徹底的にマークして、T2の先生に個別指導をしてもらえばいいのです。

 私の知り合いの校長の学校で、こんなことがありました。
 市販テストの成績を、全クラスに提出してもらったとき、びっくりしたことがあったというのです。

 それは、支援級の3人の子供たちは、3人とも90点、100点をずっと取っているというのです。
 どんな指導をしているかと聞いたら、特別な指導はしていない。教科書通りに個別学習をさせ、分からないところを教えるという指導だというのです。
 それできちんと結果を出しているので、驚いたということです。
  ちなみに教科書は東京書籍だということでした。
 
 ②の質問には、私ならこのように答えます。
 ★
 ①の質問ですね。
  ★ ★ ★
 ①強制的に習熟度別で指導をせざるを得ないなかで、低位の集団でペアや班での学習を進めてよいのか。
  ★ ★ ★
  習熟度で、人数が少なくなっているのですね。
  低位の集団を担当されているということ。

 この子供たちに「学力を上げる」という課題を求めさせるには、まず市販テストの成績を上げることですね。

 そのためには、徹底した「味噌汁・ご飯」授業の算数を行うことです。お薦めです。

 最初の5分で、前時間の復習をする(復習タイムと言います)。
 例題指導のインプットは、1問の解き方を教えます。
 sash先生は、ペアや班での学習を進めてよいかと言われていますが、ペアでの相談(10秒とか15秒ぐらい)は取り入れれば効果的ですが、それ以上の班学習はオススメできません。時間がもったいないです。
 
 ただし、アウトプットの類題、練習問題は教えあいが可能です。
 早くできた子供に、できていない子供を教えることをやらせれば効果的です。

 1問の解き方を教えるときは、教科書通りに行けばいいですよ。インプットは15分ぐらい。

 ただし、必ずその解き方のマニュアル(私たちは「ときかたハカセ」と言っています)をまとめなければいけない。これが必須です。
 このマニュアルで、類題、練習問題を解かせるのですから。

  絶対に問題解決学習でやらないことです。
 これをやると低位の子供たちはちんぷんかんぷんになります。
 
 とにかくやらなければならないことは、「解けた!」「できるようになった!」という経験を積み重ねること。

 その時には、理解(わかる)できてなくていいのです。
 できた状態を積み重ねること。
 これを徹底的にやること。

 そして、テストで良い点数を取らせることです。
 そのためには、事前にテスト分析をして、ひっかかりそうな問題は、類題を数多く練習させておくこと。

 時々、算数が好きになったかどうかのアンケートを取り、嫌いの子供をマークすることも忘れないでください。

 健闘を祈ります。 
 
 

|
|

« 相談を受けて~包み込み法を取ることです~ | トップページ | 鈴木先生からの算数本感想~べき論はもういい~ »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

 野中先生、ありがとうございました。
 sash先生。私の前回の発言が舌足らずで分かりにくかったら、すみませんでした。野中先生のイメージで発言していました。ご了承ください。

 蛇足ながら、わが市で習熟度がすたれていった原因として、もう1つありました。
 少人数加配が正規の先生ではなく、再任用の先生で充てるようになったからです。【時間割を組むのが困難になり、あまり影響のない?TTで組むようになったのです】

 いずれにせよ、習熟度はいろいろと難しすぎると思いました。わが市では「過去の遺物」と化している模様です。

投稿: 某教師 | 2017年8月12日 (土) 18時08分

ご回答ありがとうございます。テストの分析から始めていくようにします。

投稿: sash | 2017年8月12日 (土) 21時26分

某教師さんへ
重ねてありがとうございます。
確かに担当に産代の先生を当てることもあります。それはいいとして初任者の先生を当てるというのも問題が大きいです。もっと言うなら年度始めに担任が採用の遅れから決まっていない学級もあるのに、算数少人数担当がなぜか決まっている学校めあります。それは担任を優先すべきとも思いますが。
いろいろと問題あります。

投稿: sash | 2017年8月19日 (土) 08時51分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/520860/65650020

この記事へのトラックバック一覧です: 算数本の質問に答える:

« 相談を受けて~包み込み法を取ることです~ | トップページ | 鈴木先生からの算数本感想~べき論はもういい~ »