Y先生の質問に答えます~やりがいは自分で見つける~
中学校のY先生から相談のコメントが入っていました。
忙しさに紛れて返信が遅くなりました。
申し訳ありません。
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野中先生
初めまして、20代、中学校の教師をしています、Y(註 名前は伏せました)と申します。
お忙しいところ申し訳ないのですが、悩んでいるときにこのブログを拝見させていただき、とても心が救われることが多々ありました。この度は相談にのっていただきたく、コメント欄に書かせていただきました。
悩みは、今の職場で悩みを共感・共有し合う先生が居ないということ、今の環境で、やりがいを見出すことができないことです。
私が勤めている学校の教師は、校長+5名の計6名で、教頭と事務、保健室の先生が居ません。なので、校長が教頭と事務の仕事を、教務主任が教頭の仕事を分け合ってし、保健室の先生の仕事を私が、全職員で事務の仕事を少しづつ分け合い、さらに主任もかけもちでしているため、出張が多く、、、、という感じです。
教師の年齢層ですが、私が20代で一番下です。次が40歳後半、あとは50歳台後半の先生です。
生徒との関係のトラブルや悩みを相談にのってもらうこともあるのですが、、、なんと言いますか、、、先輩先生誰に相談しても皆、「ここがあかん」など否定ばかり、「こうすればよい」など結論ばかりで、私の気持ちを理解してもらえない感じで、とてもしんどいです。
共感してもらえない、話を聞いて「私もこうだったよ~よくあるからまた頑張ろう」みたいな励ましの言葉がなく、否定ばかりです。
もちろん私の力不足は十分わかっています。
ただ、私が言うのもなんですが、「若手を育てる環境」が整っていないような、若手のやる気や可能性を摘み取る、摘み取られているように感じます。
また、現中学校では3年目で、副担任と全学年の理科、部活副顧問、保健体育、保健主事(保健室の先生の仕事)、美化主任、体育主任、理科主任、を担当し、この3年間校務分掌はほとんど変わっていません。
他の学校の同年代の先生は、担任を経験したり、部活の顧問をしたり、毎年仕事も変化し、たくさんの先生から、たくさんの生徒から、さまざまなことを学び、成長されているように感じますが、私は3年間、学校も変わらず、公務分掌も変わらず、やりがいが見出せません。
私の力不足、問題も多々あると思いますが、私自身が生徒の時感じることのなかった「学校に行きたくない」という気持ちを持ちながら、学校へ仕事に行っております。
どのように乗り越えていけばよいか、アドバイス、叱咤激励等々なんでも構いませんので、返信いただけたら嬉しいです。
よろしくお願いいたします。
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先生は書いておられます。
「悩みは、今の職場で悩みを共感・共有し合う先生が居ないということ、今の環境で、やりがいを見出すことができないことです。」
先生の中には、「やりがい」は、周りの環境が与えてくれるものだという「思い込み」があるようです。
「やりがい」は、他が与えてくれるものだと思われている。こういう思い込みがある限り、いつまでたっても、周りに影響されていく自分があるだけです。
「やりがい」は、自分で作るものです。
先生の今の教師としてのテーマは何ですか?
先生の今の授業のテーマは何ですか?
そのテーマのために、どんな努力をされていますか?
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私の場合を書きます。
私は、ずっと教師としてのテーマは、「学級組織論」(学級経営、学級づくり)でした。
このテーマをずっと追究してきました。
40代以降は、仕事を早く済ませる「仕事術」をテーマにしました。
何の組織にも所属せず、一人で黙々とやり続けてきました。 おかげで、学級組織論も仕事術も、何冊かの書物にすることができました。
このテーマは、誰かに与えられたものではなく、自分で選び、自分で追究してきたものでした。
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この世のあらゆるものは、ほとんどが「繰り返し」によって成り立っています。
自分の人生の本質も、同じように「繰り返し」で成り立っています。
だから、この「繰り返し」という考え方を持ち、繰り返しの方法と手立てを持てば、あとは持続力の勝負です。
才能とか能力の問題ではないのです。
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環境の不備を嘆いておられます。
同情すべきことは多々あります。
その環境を、先生が選ぶことができなかったのですから、仕方ありません。
だが、デメリットばかりではありません。
副担任はじめ各種の主任を数多く担当されています。
他の学校の若い先生たちが、絶対に経験できない領域です。
形だけでなく、一つ一つモノにしていったらどうですか。
そうしたら、他の学校では十分に通用する人材になるはずです。
今の環境を嘆くよりも、この環境でしかできないことを積み上げていく。
そのように発想を転換することです。
もちろん、もっと多くの先生たちがいる環境にいれば、それだけ刺激は増えますので、もう3年いるのですから、他の学校へ異動することも視野にいれていけばいいのです。
もっと前を向いて歩いて行く。
ぜひ、そういう生き方を身に付けてください。
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