つれづれなるままに(2)~あれが心星ですよ~
●13日、神奈川県横須賀の初任者研修に行く。
76名の初任者。
課題を4つ設けて、ペアで相談をしてもらいながら、講座を進める。
課題1 担任をする新任の先生がよく失敗する1つのこと。もしかしたら今、それで失敗しているかもしれない1つのこと。それは何だろうか?
課題2 多くの初任の先生がつまずく第1のことって何だろうか?もしかしたら、それで今つまずいているかもしれない1つのことって何だろうか?
課題3 子供との「関係づくり」をどうしたらいいか?
課題4 初任者指導をお願いされて知り合いの先生が、1
ヶ月だけクラスに入りました(週3日)。4年生。
その指導の先生が驚いた1つのことって何だろうか?
課題とそれに対する答えをいくつか与えて、ペアで1分間相談をしてもらうという形式である。
よく集中して聞いてもらう。
クラスが大変になっている初任者がいるはずである。
講座が終わって、どうしたらいいかと質問にきた初任者の先生がいて、もっと具体的に話を聞きたいところだったが、残念であった。
●14日、東京の練馬に行く。
学級経営部会の研究会に呼ばれている。
池袋まで行って、そこから西武池袋線に乗って、練馬高野台まで行く。
研究会があるF小学校を探しながら歩いて行くと、ちょうど学校帰りの子供に会う。
「F小学校はどう行ったらいいの?」
と聞いたら、おびえる目で私を睨み、ばっ~~~と走り去っていく。
こういう時代である。
「防犯教育が徹底されていますね」と校長先生に伝える(笑)。 親から不審者から声をかけられたと、学校へ電話が行く恐れがあるからである。
★
研究会は、「スタート時の学級づくり」というテーマで話をする。よく聞いてもらえる。
終わって校長室へいると、訪ねて見えた先生たち。
その1人にびっくり。
明治図書の「新卒教師時代を生き抜くシリーズ」で一番最初に出した青い本の編集をしてくれたMさんなのである。
「えっ~~~~~~~~」という驚き。
先生になられていたことは分かっていたのであるが、まさかこの練馬区におられるとは……。
一度だけ私の最後のクラスを訪問してもらったことがある。あれから10年なのである。
●整形外科に血液検査の結果を聞きに行く。
足のかかとの腫れは引いている。普通に歩けるようになっている。
血液検査の結果は、庭仕事をしたことで虫に刺された可能性が一番高いということ。
もう1つは、やはり痛風である。
尿酸値が高い。
家系で父親も痛風だったのである。
尿酸値が排出されにくいという体質である。
先生から様子を見ましょうということになる。
●体調が悪い中で、ずっと『みをつくし料理帖』(角川春樹事務所 高田郁著)を読み進んだ。
先頃土曜時代ドラマに登場し、黒木華が主演をしている。
心癒やされる時代小説。
料理に人生を賭ける澪の生き方が見事に活写されている。
★
人生の岐路に立たされた澪が、天に瞬く星を眺めながら医者の源斉に問う。
★ ★ ★
「道が枝分かれして、迷いに迷った時、源斉先生なら、どうされますか」
源斉は澪の横顔に視線を移し、少し考えて、答えた。
「私なら心星を探します」
「心星?」
問いを重ねる澪に、そう、心星です、と源斉は深く頷いてみせる。
「あそこに輝く、あれが心星ですよ」
源斉の指が、天の川から北にずれ、淡い黄色の光を放つ星を示した。
「より明るく輝く星は、ほかに幾つもあるけれども、あの星こそが天の中心なのです。全ての星はあの心星を軸に廻っているのですよ」
天に中心があるなど、考えたこともなかった。
澪は声もなく心星を見上げる。
「悩み、迷い、思考が堂々巡りをしている時でも、きっと自身の中には揺るぎないものが潜んでいるはずです。これだけは譲れない、というものが。それこそが、そのひとの生きる標となる心星でしょう」
源斉の静かな声は、乾いた砂が水を吸うように澪の心に沁みていった。澪は瞳を閉じる。閉じてなお、心星は瞼の裏で輝き続けた。
…………
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