どうすれば授業はうまくなるのか(8)
どうすれば授業はうまくなるのか(8)
~学力向上の本質とは?~
もう一声、あえてここで付け加えておきたいことがある。
学力を、私たちは、学力=テストの点数 というようにとらえている。
これには、なかなか賛成できないという先生がいる。
「だって、学習では、テストに表れない学力があるじゃないですか!作文だって、表現力だって、…その学力の方が、大切じゃないですか!」
「今、アクティブ・ラーニングって盛んに言われていて、思考力、判断力、表現力を高めようとされているじゃないですか。これって、日頃のテストには表れてこないん じゃないですか?」
もっともな疑問である。
このことについて、以下のように答える。
①テストに表れない学力で大切な学力があることは
もちろんである。それは、授業で追究していく以外に
今のところはない。
②アクティブ・ラーニングで問題にされている「思考力、判断力、表現力」の大切さも分かる。でも、これはいずれテストが表れてくる。点数で測られるようになるはずである。大学入試では、記述テストとして登場する。
でも、今のところでは、普通のテストでは測れないので、授業で追究する以外にない。
③だが、今まで重要視されてきた「知識・技能」も、必要がなくなるわけではない。これからもしっかりと「不易な学力」として追究されなければならない。
★
もう1つ、はっきりしておきたいのは、「点数、点数」と言ってくると、点数を上げることばかりが中心になって、目の前の子供たちを育てるという課題が置き去りにされるのではないかという危惧である。
確かに、そういう危惧が出てくる恐れがある。
目標と手段を一緒にしてしまう勘違いである。
私たちは、「点数主義」と言っている。
点数はあくまでも「手段」である。
テストの点数を上げていく目標は、勉強が楽しくなって、もっと勉強をしていこうという「意欲」と、勉強がおもしろくなってきて、できるようになってきたという「自信」を育てていくことである。
学力を上げていくことの本質には、この意欲や自信を育てていく目標がなければならない。
これを忘れてはいけない。
目標と手段をごちゃまぜにしてはならない。
あえて、このことを付け加えておきたい。
(つづく)
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