どうすれば授業はうまくなるのか(10)
どうすれば授業はうまくなるのか(10)
~「授業づくり3原則」で授業をする~
「学力を高めるための70点の授業」をどうするか。
以下の3つを実践することだと書いた。
1,簡単な授業準備。
2,基礎学力保障のための「授業づくり」。
3,全員参加の「授業づくり」。
2、基礎学力保障のための「授業づくり」
2つのことを考えている。
①授業のカタチを作る
②授業の基本型を作る
①については、2つのことを行う。
A 学習規律を整える
私は、すでに初任者向けに以下の10箇条を提起している(『新卒教師時代を生き抜く学級づくり3原則』明治図書)。この中で、必須なのは、「ノート指導の徹底」になる)
1 挙手はきちんと
2 名前を呼ばれたら「ハイ」と返事
3 机上の整理をさせよう
4 机の中の整理・整頓をきちんと
5 筆入れの中味を整える
6 ノート指導の徹底
7 発言を整えよう
8 授業時間を守る
9 ノートを先生に提出するとき
10「どうぞ」「ありがとう」の言葉かけ
B 分割授業(ユニット制)を推進する
それぞれの教科には、どうしても必要な基礎・基本がある。例えば、国語では、漢字、音読などである。算数で言えば、計算や前時の 復習をすることなど。
それは、まとめて取るということではなく、ちょこちょこと毎時間取っていかなくてはならない。そうしなければ、定着は難しい。
例えば、国語は次のようになる。
○音読(5分)
○漢字(5分~10分)
○本時
②の授業の基本型である。
これについては、「授業づくり3原則」という提起をしている。
授業についての基本型をもっていなくては、「日常授業」を乗り切っていくことは難しい。
この基本型に従って、授業を作っていく。
ほとんどの教師が、この基本型を持っていない。
ずっと指導書を頼って授業をしてきた後遺症である。
「授業づくり3原則」とは何か。
指導言(縦糸)―活動―フォロー(横糸)
指導言とは、発問、指示、説明。これを使って、私たちは授業をしている。
インプットである。「教える」ことが中心になる。
そのあとに、「活動」を入れる。
私たちは、「アウトプット」の活動と言っている。
これを入れないと、子供たちは「考えたり、相手に自分を意見を伝えたり、自分を表現したり」できない。また、インプットしたことを定着させることもできない。
そして、最後に子供たちの活動に対して、「フォロー」を入れる。
「フォロー」とは、ほめたり、認めたり、励ましたりが中心である。
「学級づくり3原則」を提起した時、その中心になるのは、「関係づくり」であった。これは、縦糸と横糸をバランス良く張っていく手立てになる。
実は、この「授業づくり3原則」も、縦糸と横糸をバランス良く張っていく手立てになる。
指導言が縦糸張り、フォローが横糸張り。
ところが、多くの先生方は、縦糸を張りすぎるほど張る。その典型が「おしゃべり授業」。
横糸のフォローがあまりにも少ない。
ほとんど入れていない。
授業のバランスが悪くなる。
「おしゃべり授業」をやっていては、フォローが入れないのである。
フォローを入れるためには、「活動」を入れなくてはならない。子供たちに活動をさせて、その様子でフォローを入れるからである。
★
私たちの研究で、はっきりしてきた「実践」が1つある。
私たちの授業は、ほとんどが「つまらない」ものである。
でも、この「つまらない」を、そのまま「つまらない」ままにしておくことはできない。子供たちはどんどん逃げていっている。
「手応えのある」ものに変えていかなくてはならない。子供たちが「集中する」授業。
いつのまにか子供が「集中する」。
そのような授業。
手はある。
「小刻み活動法」。
昔「スモールステップの繰り返し」と言われていたものである。
どうするか。
指導言を投げかけたら、できるだけ早く「活動」に変える。そのように授業を組み立てる。
間違いなく、子供たちは集中してくる。
子供たちの体は、意識的ではなく、体を動かすことにすごく反応する。無意識的である。
だから、小刻みに活動を入れれば、否応なく反応する。
そうなっている。
小刻みに活動を入れると、定着も早い。
副作用はない(笑)。
使わない手はないではないか。
だから、教師の指導言で「教え」、「活動させ」、そして「フォロー」を加える。これを小刻みにする。
ただ、これだけである。
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