20代教師の先生に答える~自由にするなんて絶対にやってはいけない~
またまた20代教師の先生から質問を受けました。
これは重要なことなので、はっきりしておきます。
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ありがとうございます。早速購入してみました。子どもたちが興味をもちそうな内容だったので、ぜひ参考にしてみます。
6年生の理科の最初の授業では、理科室での実験の際、
子どもたちが「去年の理科の実験のとき、席は自由だった」と言い、
私自身それはおかしいと思ったので、それを伝えると、
「意味わからん」と言われ、後味の悪いスタートになりました。
子どもたちに何と言って納得させればよいか言葉が見つからず、
かと言って強く言い切ると反発されると思い、
ついつい子どもの言ったことに流されてしまった面があり、反省しています。
高学年の子どもたちを相手にする際は、何より教師自身がぶれないようにしないといけないと感じています。
何のためのグループなのかという自分なりの考えがはっきりしていなかったのがそもそもいけないと思っています。
野中先生は、このやりとりについてはどう感じますか?
★ ★ ★
「昨年の理科の実験の時、席は自由だった」ということ。
驚きました。
こんなことをやったら、好きな子供同士集まり、孤立している子供、嫌われている子供、いじめられやすい子供などは避けられて、ひどいグループに追いやられていきます。
そんな理科の時間が、どれほどそんな子供たちを傷つけ、最も嫌いな勉強になるのは明らかではないでしょうか。
ひどいことをするものです。
しかし、意外とこんなことはやりがちなのです。
それは、「子供の思いや意見を大切にする」という考えです。
子供が「自由にしたい」「早いもの順にしたい」と主張すれば、それを受け入れるのです。
子供の思いを大切にするという大義名分があるからです。
しかし、そのことで傷つき、苦しんでいく子供がいるということを想像できない。
絶対に受け入れてはいけないものです。
★
だから、今回の場合、「今まではグループは自由だったから、今回も自由にしてほしい」と言ったのですね。それにまともに答えられなかったわけですね。
ほんとうなら「今まではそうだっただろうけど、先生は理科の勉強をする場合には、先生が考えるやり方があるから、せっかくだから先生の方法でやってほしいと思います。問題が途中で出てきたら、その時にどうしたらいいかみんなで話し合いましょう」と切り返せばいいのです。
そして、絶対に譲らないことです。
授業をどのように構成していくかは、教師の専権事項なのですから当たり前のことです。
文句を言うのは、一部のやんちゃたちでしょう。
自分たちの勝手にしたいためです。
でも、先生に決めてほしいと望んでいる子供たちは、いるのですよ。
そのためには、きちんと先生が作ったグループ表を出すべきです。
★
でも、グループが自由で始まりましたね。
今さらすぐに変えるというわけにはいかないでしょう。
問題点をじっくりと見ておく必要があります。
そして、連休明けとか(少し早すぎますかね)、6月始めとか、遅くても2学期の最初に、「先生が考えるグループにしてほしい」と提起して進めることです。
なぜ、そうするかも同時に提起すればいいのです。
グループも作っておくことです。ここは絶対に譲らないことです。
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