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2017年4月

セミナーのお誘い

 横藤雅人先生と中村健一先生と私の3人で会おうという話が、こんなセミナーに発展しました。

 徹底反復研究会 中国支部が、主催を引き受けていただきました。
 楽しみです。
 近くの方、どうぞ参加してください。
 ★


第45学 教師力向上セミナー

元祖「織物モデルの縦糸・横糸張り」とその実践

○日時:2017年6月10日(土)
○場所:福山市男女共同参画センター
Rimふくやま地下2階 

○参加費   一般3000円(学生2000円)
○定 員   50名
○主催:徹底反復研究会 中国支部

○講師紹介

・横藤雅人氏
平成28年度から北海道教育大学学校臨床教授。それまで長く北海道にて公立小学校で教諭、教頭、校長を務めた。不登校の子とその保護者、荒れた学級に多く関わった経験から、『子供たちからの小さなサインの気づき方と対応のコツ』、『必ずクラスがまとまる教師の成功術!学級を安定させる縦糸・横糸の関係づくり』(野中信行氏との共著)、『その指導学級崩壊の原因です! 「かくれたカリキュラム」発見・改善ガイド』、『5つの学習習慣』、『日常授業の改善で子供も学校も変わる!学力向上プロジェクト』等の著作を発表。

・野中信行氏
北海道教育委員会の学校力向上アドバイザーとして北海道の学校訪問をし、「日常授業」の改善を訴えている。「味噌汁・ご飯」授業を提案し、7月には算数の本を明治図書から出版する。著書は、新卒教師シリーズや「味噌汁・ご飯」授業シリーズ(明治図書)など。また、学級経営でも、多数。特に、『必ずクラスがまとまる教師の成功術』(横藤先生との共著)『必ずクラスを立て直す教師の回復術』(学陽書房)は、注目され、売れ続けている。初任者指導アドバイザー。

・中村健一氏
授業づくりネットワーク、お笑い教師同盟などに所属。「子どもも先生も思いっきり笑える73のネタ大放出!」「教室に笑顔があふれる中村健一の安心感のある学級づくり」(黎明書房)等著作物も多数。子ども同士や子どもと教師の距離を縮めるためには?子どもたちが不安なく教室で過ごすためには?そんな疑問に答えるために、クラスみんなで笑えるミニネタを多数考案、実践されている。メールマガジン「授業成立プロジェクト」元編集長。

〇スケジュール

10:30~11:15   講座1・中村 健一氏「縦糸も横糸も張れる!中村のネタ大放出!!」

11:20~11:45   講座2・友田 真氏「子どもたちの心を掴み・子ども同士をつなぐ」

   (休憩)

12:45~13:10   講座3・出原 眞一氏「教科指導と学級経営」

13:15~14:45   講座4・横藤 雅人氏「学級経営は『織物モデル』」

14:50~16:20   講座5・野中 信行氏「『味噌汁・ご飯』授業を訴える~今、「授業」に求められていること~」

(休憩・質問用紙記入)

16:30~16:50   Q&A 「横藤氏・野中氏が学級の悩みにすべて答えます」

16:50~        閉会行事

17:30~20:00   懇親会  居酒屋 おの  会費4000円

〇申し込み

第45学 教師力向上セミナー  参加申し込みは,こくち~ずで受け付けます。

学校名、氏名、懇親会参加希望を明記の上、送信下さい。定員になり次第、締め切らせて頂きます。

 


 
 

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つれづれなるままに~『蜜蜂と遠雷』はやはり素晴らしい~

●日本教育新聞の4月10日号の「新しい職場に慣れるために」で、私の言ったことが紹介される。

 このブログでも書いた「異動していくこと」についてである。
 他にも長瀬拓也さんや玉置崇さんなどの知り合いの先生の言葉が紹介されている。

●大岡信さんが亡くなった。
 もう多くの人が忘れ去っているだろうけど、優れた詩人として有名だった人である。

 私は、神奈川県の三島駅のそばのZ会のビルで、大岡信展をやっている時にたまたま遭遇して、展示されているのを見たことがある(Z会の講演で呼ばれたときである)。

 谷川俊太郎さんが、朝日新聞に追悼の詩を送っている。
 
  ★ ★ ★
 大岡信を送る 2017年卯月

 本当はヒトの言葉で君を送りたくない
 砂浜に寄せては返す波音で
 風にそよぐ木々の葉音で
 君を送りたい

 声と文字に別れを告げて
 君はあっさりと意味を後にした
 朝露と腐葉土と星々と月の
 ヒトの言葉よりも豊かな無言

 今朝のこの青空の下で君を送ろう
 散り初める桜の花びらとともに
 褪せない少女の記憶とともに

 君を春の寝床に誘うものに
 その名を知らずに
 安んじて君を託そう
 ★ ★ ★
 
●4月17日、千葉の柏市教育委員会から呼ばれて行った。
 講師の先生たちの講座を持ちたいのでぜひとも来てほしいという依頼である。
 
 この柏市は、講師の先生方が150人おられるという。
 今日は、90名近くの人が集まるということ。

 確かに、講師の先生方へ対する対応は、どこでもほとんどなされていない。
 手が回らないのである。

 この柏市は、まずこういう形で講座を設定したいという要望である。
 「日常の改善」~学級づくり・授業づくり~
 
 3時間近くの講座になる。
 ★
 会場へ行くとほとんどが若い先生方。
 それも担任を持っている人たち(小学校)。
 採用試験に落ちて、非常勤で勤めている先生たちもいる。
 
  講座は、まず「学級づくり」について50分。
 「授業づくり」について50分。
 そして、模擬授業で40分。
 これからこんな授業が必要になると訴える。

●学陽書房から『必ずクラスを立て直す教師の回復術』の7版を出す手続きが進行していた。

 ところが、学陽が委託されている流通センターが火災に遭い、在庫の8割が消失するという事態になる。

 私のこの本も、337冊が消失する。
 
 この出版社は実に丁寧に対応される。
 一々連絡をされ、廃棄証明書まで送られてくる。

●私は読書に関してはミーハーである。
 評判になった作品は、気に入ればすぐに買い求めてしまう。

 最近の村上春樹の本もそう。
 私のような人がいっぱいいて、出版一日目で150万部売れたらしい。
 ものすごいとしかいいようがない。

 今度は、『蜜蜂と遠雷』(恩田陸著 幻冬舎)。
 直木賞をもらい、そして今回は本屋大賞ももらう。

 やはり。素晴らしい。
 さすがの作品である。

 まだ途中で、最後のところを残している。
 読み終えるのがもったいない気がする。 


 

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20代教師の先生に答える~自由にするなんて絶対にやってはいけない~

  またまた20代教師の先生から質問を受けました。

 これは重要なことなので、はっきりしておきます。
 
 ★ ★ ★ 
 ありがとうございます。早速購入してみました。子どもたちが興味をもちそうな内容だったので、ぜひ参考にしてみます。

6年生の理科の最初の授業では、理科室での実験の際、
子どもたちが「去年の理科の実験のとき、席は自由だった」と言い、
私自身それはおかしいと思ったので、それを伝えると、
「意味わからん」と言われ、後味の悪いスタートになりました。
子どもたちに何と言って納得させればよいか言葉が見つからず、
かと言って強く言い切ると反発されると思い、
ついつい子どもの言ったことに流されてしまった面があり、反省しています。

高学年の子どもたちを相手にする際は、何より教師自身がぶれないようにしないといけないと感じています。
何のためのグループなのかという自分なりの考えがはっきりしていなかったのがそもそもいけないと思っています。

野中先生は、このやりとりについてはどう感じますか?
★ ★ ★
「昨年の理科の実験の時、席は自由だった」ということ。
驚きました。   

 こんなことをやったら、好きな子供同士集まり、孤立している子供、嫌われている子供、いじめられやすい子供などは避けられて、ひどいグループに追いやられていきます。
 そんな理科の時間が、どれほどそんな子供たちを傷つけ、最も嫌いな勉強になるのは明らかではないでしょうか。

 ひどいことをするものです。

  しかし、意外とこんなことはやりがちなのです。
 それは、「子供の思いや意見を大切にする」という考えです。
 
 子供が「自由にしたい」「早いもの順にしたい」と主張すれば、それを受け入れるのです。
 子供の思いを大切にするという大義名分があるからです。
 
 しかし、そのことで傷つき、苦しんでいく子供がいるということを想像できない。

 絶対に受け入れてはいけないものです。
 ★
 だから、今回の場合、「今まではグループは自由だったから、今回も自由にしてほしい」と言ったのですね。それにまともに答えられなかったわけですね。

 ほんとうなら「今まではそうだっただろうけど、先生は理科の勉強をする場合には、先生が考えるやり方があるから、せっかくだから先生の方法でやってほしいと思います。問題が途中で出てきたら、その時にどうしたらいいかみんなで話し合いましょう」と切り返せばいいのです。
 
 そして、絶対に譲らないことです。
 授業をどのように構成していくかは、教師の専権事項なのですから当たり前のことです。
 
 文句を言うのは、一部のやんちゃたちでしょう。
 自分たちの勝手にしたいためです。

 でも、先生に決めてほしいと望んでいる子供たちは、いるのですよ。
 
 そのためには、きちんと先生が作ったグループ表を出すべきです。
 ★
 でも、グループが自由で始まりましたね。
 今さらすぐに変えるというわけにはいかないでしょう。

 問題点をじっくりと見ておく必要があります。
 
 そして、連休明けとか(少し早すぎますかね)、6月始めとか、遅くても2学期の最初に、「先生が考えるグループにしてほしい」と提起して進めることです。
 なぜ、そうするかも同時に提起すればいいのです。

 グループも作っておくことです。ここは絶対に譲らないことです。

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20代男性教師の先生に答える~理科専科の仕事~

  20代男性教師の先生から相談を受けた。

 今回は理科専科だそうだ。

 ★ ★ ★
先日は、私の高学年女子への対応についてアドバイスをいただき、ありがとうございました。

今年度、5年生と6年生の理科専科担当になりました。
私は、これまで年度か高学年の理科専科を担当しましたが、振り返ってみると、男子は比較的うまく関係を築けるものの、女子はなかなかうまく関係を築くことのできない子も多くいました。

また、専科の時間は、息抜きのような時間になり、
担任の先生が授業するときと比べていい加減な授業の受け方になるなどして、授業規律が崩れてきていることを感じることも多かったです。

専科の場合、担任と比べて子どもたちと接する時間も少ないため、
関係を築きにくいと感じることも多いです。
どんなことに気をつけていけばよいか、教えていただきたいのです。

投稿: 20代男性教師
 ★ ★ ★
 私が理科専科をしたことがないので、なかなかうまく伝えられない。
 お薦めの本の紹介にかえたい。
 
 「味噌汁・ご飯」授業として教科書を教えると言っているが、理科の場合、教科書の教え方はちょっと工夫しなければいけない。
  専科だから準備の時間が取れるであろうから、ちょうどいい。
 
 そこでぜひとも参考にしてほしい本を紹介したい。
 今、京都の文教大学に勤めている大前暁政先生が出されている本である。
 
 『理科の授業が楽しくなる本』『たいくつな理科授業から脱出する本』『なぜクラスじゅうが理科に夢中なのか』(1年~6年)<教育出版>

 早速、『なぜクラスじゅうが理科に夢中になるのか』(5,6年)の本はすぐさま買ってほしい。
 
 ★
 もともと理科の授業は、子供たちにとって楽しみにするものである。
 ぜひとも、そのような授業を作り出してほしいものである。 
 多分、つまらなくなっているのは、先生の説明が長々しくて、なかなか実験に入らないのではないんだろうか?
 
 ①説明を端的に短く。
 ②実験をきちんと。
 ③問題の予想を立てさせる。
 ④実験のグループは、4人(あるいは3人)。
  5人以上にしたら、傍観者が出る。
 ⑤実験の作業も、いつも決まった子供がやらないで、
  順番に作業をするようにさせる。
  ⑥準備、後片付けを大切に。
  きちんと確認。
  こんなことを気をつけてほしい。

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わかめ先生へ

   わかめ先生からコメントをもらった。

 これは、これは、大変なことである。

  ★ ★ ★
 野中先生、こんばんは。3月まで初任者研修拠点校指導教員をしていたわかめです。今回の異動で転勤になり、先生のご指摘通り、いきなり5年生の担任、それも学年主任になりました。ひさびさの学担、10年ぶりの高学年、ましてや学年主任など不安が一杯です。前担任の情報だと、手のかかる男子が3人、不登校傾向の女子が1人いるようです。野中先生が紹介している本を読みながら、まずは学級の土台を作りたいと思います。初任者の気分で、勉強しながら頑張ります。

投稿: わかめ
★ ★ ★

 大変だと感じたのは、2つ。
 1つは、異動しての高学年。
 最も危険なことになる。
 
 2つ目は、10年ぶりのひさびさの高学年。
  高学年の彼らに慣れるのに時間がかかることである。
 ★
 とにかく出発したのである。

 まず、失敗するのは、前回にも書いたが、だらしない子供たちを何とかしてまともにしてやろうと意気込むこと。

 必ず反発が返ってくる。
 最初は、やんちゃたちと対峙しないことである。これが鉄則。

 じゃあどうすればいいのか、ということになる。
 だいたい、縦糸:横糸=2:8の気持ちで、子供たちとの通じ合いを数多く行う。

 「今までの先生とは違うじゃん!」という気持ちを持ってくれたら成功。

 その間に粛々とクラスの仕組みづくりをしていく。
 実は、この仕組みづくりは、ほとんどが「縦糸張り」になるのだが、とにかく気持ちとしては「横糸」を数多く張ることである。

 ここで勘違いをしてはならない。
 横糸を数多く張ることは、いいように優しく振る舞うことではない。

 譲ってはならないことがある。
 これは絶対に譲らないと決める。2つ、3つ。
 それが縦糸「2」。

 私は初任者などには「指示ー確認」をきちんとするようにと指導する。
 指示を出すことが数多くある。
 ほとんどが出しっ放しである。

 「机にノートをしまいなさい!」と「指示」を出したら、全員がしまっているかどうか「確認」をして、しまっていない子がいたら注意をして、次の指示を出していくのである。

 これができない。確認をしないのである。
 
 早くしまった子供には、必ず「素早いね!すばらしい!」とフォローを入れることも忘れない。
 ★
 わかめ先生、無理をしないで、できることを粛々とやり続けてくださいよ。
 1ヶ月が勝負。
 健闘を祈ります。

 
 

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つれづれなるままに~新学期が始まった~

●4月4日、福島の郡山に行く。

 初任者研修である。
 もうここへ来るようになって、8年目になる。
 
 いつも行くカフェに行き、いつものようにカレーとコーヒーを頼む。コーヒーはお替わり。ここのコーヒーは特別においしい。

 震災の時のことを思い出す。
 震災の時は、福島県は初任者の採用を止めている。
 だから、急遽初任者研修は中止された。

 8月に学級経営研修で行った時、先生たちがずっとうつむき加減で元気がなく、何を言っても笑いがなかったこと。
 そんなことを思い出す。

 今回で研修を終わろうと出かけたのであるが、もう少し続けてもらえないかと強く言われて、「考えさせてください」と伝えてくる。
 結局、もう少し行うことにする。
 
●横藤雅人先生から連絡。
 「6月に鳥取で研修会をやるので、次の日に岡山あたりで会いませんか。中村健一さんにも声をかけて、一緒に会いませんか!」という誘いのメールがある。
 
 横藤さんとは北海道でよく会っているが、健一先生とは最近まったく会っていない。
 こういう機会に会わないと、もう二度と会えなくなるので、でかけることにする。
 
 そうしているうちに、広島のY先生から講座の誘いをもらう。ぴったりのタイミング。
 
 そこで、三人会(横藤、中村、野中)の講座を持ちかける。
  承諾してもらう。
 
 決定である。
 6月10日(土)広島の福山市で行う。
 近くの方はおいでください(笑)。 

●明治図書の『授業力&学級経営力』7月号の原稿依頼が来た。何だと思ったら、7月号の特集が「通知表所見の最強文例集」ということ。その冒頭の原稿を書いてくれという依頼である。4ページであるから半端ではない。

 もう現場を離れて10年にもなる。
 お断りしようと思ったが、「待てよ」というところである。
 
 私は、現役の頃、通知表についてはずっと研究してきた経緯がある。
 
 教師にとっては一大イベント。
 これがうまくできるかどうかは、仕事術を考えるためには必須のことである。
 そのことを書いてもいいかなと思い、引き受けることにした。
 
 だから、まあ引き受けたわけである(笑)。
  通知表のことについて書くのは、最後であろう。

 要は、次の3条件。

 ①通知表に取りかかる「時間」を意識すること。
 ②資料作りが勝負になること。
 ③文例集を十分に準備すること。  
 
 うまく書けたように思う(笑)。送付する。

●私の親しい知り合いのK先生が、今年度初任者指導をされることになった。4月いっぱいの1ヶ月ばかり。
 
 Y市は、数多くの初任者が辞める。
 きっと教育委員会の担当者は、どうしたらいいものか悩んでいるのであろう。

 もう退職して10年にもなる先生(校長をされていたが、退職して3年間初任者指導をされていた)に、
「1ヶ月でいいので初任者に付き添ってもらえないか」という依頼だということ。

 よほど追いつめられているのだと、思ってしまう。

 K先生に、電話でその様子を聞く。
「指摘したいことはやまほどあるが、1日に1つだけにしている」と。
 さすがに初任者指導を経験されている言葉である。

 だいたいの初任者指導者は、最初から数多く指導をする。
 特に、授業の指導をする(こんな指導を最初からしても身に付かない)。
 かつて、指導案まで書かせていた指導者もいた(指導した初任者の3クラスが学級崩壊を起こした)。

 初任者は、自分のクラスの学級づくりがあり、授業があり、そしてやったこともない事務作業、文書作りなどがある。
 それに振り回される。

 だから、数多く指導をされても、頭に入らない。
 
 一緒に「学級づくり」をやっていく以外に方法はない。
  学級さえ成立させれば、何とかなる。
 しかも、1ヶ月が勝負。

 今年も多くの初任者が入ってきた。
 1年目を乗り切れれば何とかなる。
 ぜひとも、そう願っている。
 

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さあ、出発である。

  もうすぐ新学期。

 また、新しい気持ちでの出発である。

 この時期にいつも私は書いていることがある。
 「国誉め」という神事のこと。
 なんだ、なんだ、ということになる。

 この神事は、古代、ある国に任命された役人が最初にやった仕事である。
 どこかの国に任命されて、その国に最初に行って何をやるかというと、そこの国がどんなに素晴らしいかを褒め称えること。
 その行為が、神事であったらしい。
 
 ★
 先生たちも、異動して新しい学校へ行く。
 その学校に1週間ぐらい過ごしていると、嫌なところ、おかしいところ、うんざりするところ、などなどに気付く。
 
 そこで、新しくきた先生たちと更衣室などで「おかしいよね!」と囁きあう。

 普通の光景。
 誰でもが、だいたいこうなる。
 
 人は、今までの経験や習慣を前提に、新しい経験を見てしまう。どうしてもそうなる。そこで違和感を覚える。

 これは実はとても危険なことである。
 ★
 今までのことが「善」であり、目の前のことが「駄目」だとするのは、狭い認識にしか過ぎない。
  自分が今まで「慣れてきた」ということにしかすぎないのだから。
 
 古代の「国誉め」という神事は、ここが分かっていたのである。

 だから、異動した先生方は、まず自分の今までの経験は括弧にくくって、自分の中に収め、新しい学校で新しい経験に触れなくてはならない(本当にダメな部分は、いずれ改革をしていくこととして考えればいい)。

 子供たちにも、先生方にも、意識して「国誉め」をするのである。
 一気に、受け入れてもらえることになる。
 ★
 異動していくことで、もう1つ危険なことがある。

 高学年担任をさせられること。
 
  今までの学校で高学年担任の経験があれば、決まって次の異動先では(小学校の場合だが)高学年担任になせられる。
最近は、普通になっている。

 30年、40年前の学校は、こんなことはありえなかった。異動してくる先生を、高学年担任にすることはありえなかった。それは学校の常識。

 ところが、最近は、特に荒れている学年の担任を、その学校の先生たちは持ちたがらない。だから、困った校長は、異動してきた先生を当てざるをえない。
  ★
 今までの学校で、高学年担任をして学校を背負ってきた先生である。自信がある。自他共に力量があると認められてきている。

 だから、異動先の荒れた学校で、自信があるから、「よし、徹底的に鍛えてやろう!」と縦糸をびんびんに張ろうとするわけである。

 今、最も危険なのは、これらの自他共に認められている自信家の先生たちである。

 こんなことをやれば、やんちゃたちの反発は目に見えている。そのうちに、学級が動かなくなり、いずれ学級崩壊になっていく。
 
 私は、そんな先生を数多く見てきた。
 鬱病になり、辞めていく。
 自信があったために、なおそうなるのである。
 ★
 何がダメなのか。
 
 自分の力量に対する過信。
 今まで身に付けてきた力量では通じないことが出てきていることを分かっていない。

 失敗するのは、特に「関係づくり」。

 最初は、縦糸をびんびんに張ろうとしてはならない。
 普通は、縦糸:横糸は、3:7の割合で張っていくことが必要。
 これは、こういう「気持ち」で張ろうということ。
 
 ところが、縦糸張りを強烈にするために、7:3や8:2ぐらいにしてしまう。
 最初は、子供たちも教師に従っているフリをするが、だんだん崩れていく(いや、意図的に崩されていく)。

 荒れているクラスを受け持った時に必要なのは、まず様子を見なくてはならないこと。どんな形で子供たちは出てくるのか、特にやんちゃたちがどんな行動を取ってくるのかを見なくてはならない。
 もちろん、その間にしっかりと「クラスの仕組み」(縦糸を整えているのだが)を作ってはいるのだが……。

 縦糸:横糸=2:8ぐらいの「気持ち」で、子供たちに接した方がいい。
 ★
 どんな横糸を張ればいいか。
 子供たちと数多く遊び、子供たちと簡単なゲームをしたりして「笑い」を起こし、子供たちのちょっとした「行為」を誉め、認め、励ましていくことを数多く行う。私はフォローと言う。

 横糸の初級編「AWFの原則」と言っている。

 A…遊ぶ
 W…笑う
 F…フォロー

 この3つを徹底的に行う。
 「笑い」を起こすことが苦手な先生には、中村健一先生の本を紹介している。ゲームの本。
 『73のネタ大放出』(黎明書房)

 「フォロー」をするためには、このくらいは常時日々の活動や授業で使えなければならないという形で「SWIM話法」というのを提起している。

 S…すばらしい、すごい、さすが、その調子
 W…わかる、うまい
 I…いいね
 M…みごとだね
 
 きちんとした「事実」に対してフォローは加えるのである。得てして、出てきていない「事実」に対しても、さかんに口先だけのフォローを加えたりする先生がいる。子供たちからすぐに見抜かれる。

 ★
 さあ、出発である。
 この1年間の健闘を祈りたい。   

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つれづれなるままに~初任者研修が続く~

●3月26日(日)

 横浜野口塾。
 朝10時に、研究会が行われる帷子小学校へ急ぐ。
 冷たい雨が降りそそぐ。
 
 野口芳宏先生に、1年ぶりでお会いする。
 相変わらずの野口節で、元気、元気。
 一日、野口先生の講座に浸る。
 
 この日、私の結婚記念日。44回目。
 私の講座では、
 「いつも横浜野口塾は、私の結婚記念日にぶつかるように日程を組むので、家では女房が泣いています。今日は早く帰りたいので、二次会は誘わないように!」と何度も言った。
 
 まあ、結局は二次会に行ったのだが(笑)、…。

●3月28日(火)
 新横浜から名古屋へ新幹線で行く。
 今日は、愛知県海部郡大治町での講演会。
 若手の先生たちが多数参加されている。
 テーマは、「学級を軌道に乗せる学級経営のあり方」。

 この大治町は、名古屋市の隣の町であるということから数多く引っ越してくる家族が多く、ベットタウンのようになっている。
 30代、40代の夫婦が多いのである。

 最近、大都市の周辺の学校が大変になっていることはよく聞くことである。
 ここでもさまざまな問題があることを聞いた。
 90分、精一杯話す。
  ★
 夜、大治町の教育長や次長、そして岐阜聖徳学園大学の玉置崇先生と懇親会。
 もう一人玉置ゼミの学生の方が参加される。
 卒論で「野中信行の研究」をされるという(笑)。

  玉置先生のブログに以下のように書いておられる。
 ★ ★ ★
 18時から海部東部地区で講演をされた野中信行先生を囲んでの懇親会。大治町教育長、次長、野中信行研究を始めているゼミ生・岩田さん同席で、5人で賑やかに、そして濃密に。3時間。

 その後、野中先生、岩田さんと喫茶店で研究のためのインタビュー。先生を小牧ホテルまでご案内して1日終了。

 野中先生には、教員を世に出す大学教員としての大きな期待をいただいた。2年が終わり、正直、そのような気持ちが強くなってきたこの時期。背中を押していただいた!
  ★ ★ ★
 
●3月29日(水)
 午前中、愛知県小牧市で初任者研修会。
 もうここで初任者研修をやって、10年目。
 
 日本で赴任前研修を始めたのは、この小牧が初めてであろう。
 今では、各地で行われているが、この研修をやって、初任者に始業式までにさまざまな準備をさせようという試みである。

 8つの課題を設けて、初任者に話し合いをさせながら、粛々と進める。

 夕方、横浜へ帰ってくる。

●3月30日(木)
 朝7:30に神奈川県海老名市へ出かける。
 ここの教育委員会で、今回は初めて初任者の赴任前研修会を行うことになり、私を呼んでもらえる。

 初任者は、学期が始まってしまっては、忙しさの渦に巻き込まれて、目の前の蠅を追うようなことしかできなくなる。

 とにかく、初任者が置かれている現状を認識させ、どんな準備をするのかを教えてあげなくてはならない。  

  長年、私は、このような仕事をしてきたのである。
 ポイントを突いて、初任者に訴える。

 今、都市部の初任者は、1年目を何とかうまくやれるかどうかではなく、辞めるか続けられるかの選択肢を選ぶような事態になってきている。
 大変な時代である。

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