相談事例を受けて(2)~もう一度「縦糸張り」を振り返って~
「事件は現場で起こっている」というフレーズがある。
最近改めてつくづく思うのだが、「問題は、クラスで起こっている」と。
なんだ、当たり前ではないかと思われるだろうが、必ずと言っていいほど、ほとんど全ての問題が、「学級づくり」や「学級経営」に集中して起こっている。
もう少し絞れば、子供たちとの「関係づくり」でうまくいかなくなっている。
★
今、中堅やベテランの教師たちの教室が、学級崩壊に陥っている事例をよく聞く。
今まで学校を背負ってきた先生たちである。
力量もあると自他共に認めてきた先生たちでもある。
なぜ、そんなことになるのか。
残念ながら、今まで身に付けてきた方法が通用しなくなっている。そのことに自覚的でなければならない。
★
何が通用しなくなっているのか。
1つは、「縦糸張り」であり、2つ目は、やはり「横糸張り」である。
「縦糸張り」が、うまくいかなくなっている。
私のところへ舞い込む相談コメントの先生たちが、どうだろうということは分からない。
でも、「縦糸張り」のどこかで失敗していると、予測している。
今まででは想定できない子供が、登場してきていると思わなくてはならない。
★
もう1つあるのは、「縦糸張りの勘違い」である。
ただでさえ、教師は教室で行政、立法、司法の三権を併せ持つ存在である。
このことを自覚しておかなくては、自然と強権的な「ファシズム」教師になっていく。
「縦糸張り」で、自分の思うように子供が動く教室を作るのではない。
子供たちが、学びやすい、平和な環境を準備することがメインになるはずである。
また、「横糸張り」(子供との心の通じ合い)のために、「縦糸張り」があるのだということも忘れてはならない。
織物でも、縦糸を張っていなくて、横糸だけを張り続ければ、そのうちにガサッと崩れ去ってしまう。
どうしても縦糸張りが必要なのである。
このことと同じである。
そのうちに、彩り豊かな横糸で、縦糸が目立たなくなることが目標である。
★
最近、その先生の時には、うまくいっていたのに、次の学年で荒れていく事例をいっぱい聞く。
これは、「うまくいっていた」ということの内容が問題である。
その教室を、ぐんぐん厳しく締め付ければ、その反動が次の学年で出るのは明らかである。
★
とりとめもないことを書いた。
今もう一度「縦糸張り」を振り返ってもらいたいという気持ちである。
私のところへ入ってくる情報から判断をすると、最近こういうことを考えている。
| 固定リンク
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 「自己流」で身に付けた力量で対応できなくなっている!(2019.03.16)
- 『教師1年目の教科書』が重版になる!(2019.03.13)
- 再び横浜野口塾のお知らせです(2019.03.10)
- つれづれなるままに~飛行機ができてきた~(2019.03.09)
- 『教師1年目の教科書』(学陽書房)が発売される(2019.03.05)
コメント