高学年の女子児童の対応について(1)
相談事例が続いている。
全部高学年の女子児童についての悩みである。
そこで、kawamu先生、20代の男性教諭の先生に、以下のような形で答えていきたい。
答えにならないかもしれないので、最初にお詫びしておきます(笑)。
★
私は今まで高学年担任の教師の最大の課題は、女子児童の問題特にグループ化の問題と考えてきた。
これについての方法論を持たないと、これから高学年の担任は持てないと思ってきた。
それほどにむずかしくなっているのである。
なぜ、これほどまでにむずかしくなってきたのか。
・女子児童の思春期化である。
昔は、小学校の高学年で女子児童が、これほど思春期に入ることはなかったのである。それが、最近はほとんど の子供がそうなっていると言っていいだろう。
こうなると、対応が特別にむずかしくなる。
もはや、子供の扱いはできなくなる。
・極端なグループ化がある。それに入れない孤立化する女子児童も必ずいる。いじめの対象になったりする。
・男子児童の幼稚化がある。女子児童とバランスがとれなくなっている。
私は、もう現場から離れて10年目になっている。
だから、事態はもっと進んでいると思われる。
★
私は、勤務生活の最後の10年以上は、ずっと高学年を担任してきたのであるが、女子児童との深刻なトラブルは、ほとんどなかった。
それは、きわめて意識的な対応をしていたからである。
①常に、誰と誰がグループを組んでいるかを把握していた。
グループになるのは仕方ないことであった。
②孤立化していたり、グループ間の諍い、グループ内での諍いに対して、即座に動く準備を整えていた。そのことをとても重要視していた。
③孤立化していく子供に対しては、即座に対応し、「あなたの味方だよ」「あなたの気持ちはよく分かるよ」「これからのことを一緒に考えよう」と声かけをした。
★
最近、「縦糸・横糸」の提唱者の横藤雅人先生とやりとりをすることがあって、「そうだ、そうだ!」と気づかされたことがあった。
横藤先生は、子供たちに今最も必要なのは、「所属と承認」欲求をどれほど満たしていくかにある、という意見であった。
これが、家庭でも満たされてなくて、学校で荒れていくのである。
とすると、私が女子児童にとっていた対応は、「所属と承認」欲求を満たしていく方法論であったということである。
これでうまくいったのである。
★
「所属と承認」欲求とはなにか。
マズローの欲求階層説を思い出してほしい。
マズローは、人間の欲求には、まず、「生理的欲求」から始まり、「安全の欲求」になる。
これが、欠乏欲求。
そして、「仲間に入りたい!」という「所属と愛の欲求」になり、次に「認められたい」という「承認欲求」になる。
最後に、「自己実現の欲求」になる。
これらが成長欲求になる。
★
この「所属と承認」欲求をいかに満たしていくのかが、今最も求められているということ。
ここでさまざまなトラブルが起こっていると、思っていいのである。
この欲求を満たしていくという、学級経営スタイル、授業スタイルを身に付けていかなくてはならない、というのが私のスタンスになる。(つづく)
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