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事態はもうここまで来ている!

  学習指導要領改訂案が文科省から示された。

 もう多くの方が読まれていることであろう。

 ここ数年、学校や塾、本などで盛んに使われた「アクティブ・ラーニング」という言葉が、改訂案には盛り込まれなかった。
 
 これには、「あれっ!」と思われた方も多かったのではないか。
 これほど広がっている言葉を使わないというのは、どういうことであろうか。
 
 文科省の担当者は、公式には以下のように説明しているらしい。
 「学習指導要領は広い意味での法令にあたり、定義がないカタカナ語は使えない。ALは多義的な言葉で概念が確立していない」と。

 ALが示した子供たちが能動的に学ぶ授業の重要性は変わらないとする。改訂案は、ALに代わって「主体的・対話的で深い学び」という表現が使われている。
 ★
 しかし、この「アクティブ・ラーニング」はもともと下村文科省大臣が使って広がっていったものである。その大臣が、こんな曖昧な、定義がない言葉を使ってよかったのかと横やりを入れたいものである。

 だから、真意は分からない。
 
「アクティブ・ラーニング」はあまりにも方々で使われて、もはや一人歩きしている。
 そのことを文科省は、憂慮していたとも噂で聞いたことがある。
 
 どちらにしても、新学習指導要領では、「主体的・対話的で深い学び」が掲げられ、教師は討論やグループ学習などの指導法を身に付ける必要がある。

 小学校の英語やプログラミング教育、教科化された道徳も研究しなければならない。

 はっきりしているのは、公立の学校は実施しなければならないということである。
 ★
 私は、以前このブログで「アクティブ・ラーニングは危険である」と書いた。
 
 趣旨は分かる。
 だが、それを実際に動かしていくのは誰なのか、それを問題にしているのである。
 
 実際に学習指導要領を実践していくのは、教師たちなのである。
 この事実。この当たり前の事実を、どれほど文科省は考えているのだろうか。
 
 この教師たちが動けなければ、「絵に描いた餅」に終わる。
 今最大の問題は、ここにあるはずである。

 私が危惧することは以下のこと。
 
 ①今現在でさえ、多くの教師たちがアップアップして目の前の蠅を払うことしかできていないのに、これ以上に英語、道徳の教科化、プログラミング教育と実施されて、そのための会議と研究会が増える。こなしきれるのか。
 
 ②学級崩壊は日常化し、ちゃんとクラスを成立させるだけでもアップアップしているところに、アクティブ・ラーニングを導入してどうなるのか。さらに、混乱は増し、どうにもならなくなるのは目に見えている。
 
  ③多くの教師たちを、病気にし、鬱病に追いやる。病気離職する教師たちを大量に生み出す。
  教師を志望する学生が少なくなる。その結果、教師の質の確保が難しくなる。もう、O市は、その現象が出ていると聞いている。
 
 ★
 「野中は深刻なことばかり言う。もっとプラスの要素を考えられないものか?」と言われそうだ。

 否定的なことばかりを言っているのではない。
 必ず、方策を提起する。
 
 私の知り合いの校長先生の学校へ呼ばれていった。
 そこの学校は、3年生以上は、教科担当制の方策をとっていた。
 「若い先生ばかりが多くて、1人にそのクラスを任せることはとてもできない!」と。

 そこで打ち出したのが、教科担当制。中学校並なのだ。
  とりあえず、3年生以上の学年で、得意な教科を分担して教える。だから、そのクラスには、担任以外でも必ず出入りするわけである。
 低学年も横断的に考えているらしい。
 
 教材研究の時間が、今までより取れるようになる。
 複数の目で、子供たちを見られるようになる。
  そのようなメリットが出てくる。

「これをやり出して5年ばかり学級崩壊はありません!」と校長先生は言われた。
 
 この方法は、小学校が今実施できる大きな1つだと考えていい。
  ★
 こういうことが学校全体で取り組めない場合はどうするか。
 
 教師は、自分を守る防衛策を考えなければならない。

 その防衛策は、以前も書いたがまとめると3つ。

  ①学級を成立させること。
  ②日常授業を成立させること。
  ③保護者の評価、支援を得られること。

 ①②については、すでにその具体的な方策は書いている。
 ①の「学級づくり」が成立しなければ、もうどうにもならない事態になっている。まず、この土台を造る。
 
 ②の「日常授業」から、耐えていた子供たちが逃げ出している。「つまらない」からである。
 
 もともと、「日常授業」はつまらないものだが、つまらないままで終わらせてはならない。
 私たちは、「つまらない授業」を「集中する授業」に変えなければいけない、と主張する。
  だから、「味噌汁・ご飯」授業なのだ。
 ★
 親しい友人から「野中先生が初めて出された本が『困難な現場を生き抜く教師の仕事術』だったですね。あの本の最初に『さらに』を付け加えて『さらに困難な現場を生き抜く仕事術』を書くべきではないですか」と言われた。
 
 なるほどと思う。

 親しい友人の中村健一先生が、ブラック本3冊を明治図書から出されている。売れに売れている。

 まさしくこの本は、教師が自分を守るための防衛本なのだ。
 事態は、もうここまで来ている。

 

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