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中学校の男子教員が、世界で一番の長時間労働

   教師の長時間労働は、大変なものである。

 統計学者の舞田敏彦さんが、ブログに世界各国の「男性フルタイム勤務者の勤務時間」を上げておられる。

  http://tmaita77.blogspot.jp/2017/02/blog-post.html
 
 それによると、週間の平均勤務時間は、中学校男性教員が世界でトップである。
「えっ、他にも日本の企業でも働いているところはあるのではないか?」と言われるだろうが、統計ではトップ。
 
 日本の男性労働者全体は、52.1であるが、中学校の男性教員は、55.4 である。
 
 そして、週60時間以上勤務している者の比率も、ダントツのトップ。
 日本の労働者が、28.5%なのに、中学校の男性教員は50.6%。世界で次に働いている中学校の教員は、イギリスで21.9%である。愕然とする数字。
 
 もう明らかな「ブラック企業」と言っていい。
 とんでもないことであるが、行政も、教師の側も、これについての危機感がない。
 ★
 この実態が何を起こしてくるか。
 教員たちが病気になる。精神をやられる。
 
 学級がうまくいかなくなる。
 学級崩壊が起こる。
 学校崩壊状態になる。
 今、日本全国で深刻な事態を起こしている。
  ★
 何とかしなくてはならないのである。
 フェイスブックに上越の西川純先生が大分大学附属小の学校改革を紹介していた。
 やっているところはやっているのである。
 ★ ★ ★
今、教育に関係する組織の改革が求められています。しかし、長い歴史があり、大きな組織ではなかなか進みません。その中で、今、最も注目されているのが大分大学附属小学校だと思います。
 大分大学附属小学校は自らのミッションを以下の3点に再定義したのです。
 
<学校経営方針>
(1)地域教育への貢献
地域の先進的・先導的なモデル校として大分県教育委員会と連携して実践し、情報を発信する。このモデルとは大分県の教育課題を県との連携で解決する。
(2)教育実習生等への指導
地域の教育課題を踏まえた教育実習を計画し、直接その指導に当たる。
(3)大学への協力
教職大学院及び学部教員と協力し、教育理論と実践の往還を通した実証的な研究を行う。
 
 さて、どうでしょう。特段、ビックリするようなものではないと思います。しかし、このミッションの再定義がお題目でないのは、この新たなミッションを実現するために、既存のものをスクラップにしたものを知れば分かります。
 例えば、職員会議を廃止し、経営会議(校長、教頭、主幹教諭、指導教諭)を毎日開催し、重要案件は迅速に対応1~2週に1回の運営委員会と職員連絡会を実施する。
 教頭一人に業務が過度に集中しないように、管理部は主幹教諭が統括し、指導部は指導教諭が統括。教頭の業務を整理・分担。教頭が全体を俯瞰的に見て適切に指導。組織的な動きへシフトする。
 職員個人の連絡先の保護者への公開を非公開にする。緊急の場合に限り、主幹教諭か教務主任が対応する。時間外や休日の保護者と学級担任の直接のやりとりをなくした。
 長時間勤務を廃止するために、午前7時以前には登庁不可、午後7時完全退庁完了、土日は完全閉庁とした。これを成り立たせるために、「民間教育研究団体事務局の辞退」、「各学年の文集を6年の卒業アルバムのみとする」、「自作テストを単元テストの購入」、「手書き通知表、出席簿を電子化」、「通知表を年3回から2回(前後期制へ校則変更)」、「提案文章を原則ワンペーパー」、「長い会議の精選」、「常時写真をネット販売」、「学級通信を学年通信で統一」を断行したのです。
 そして、公開研究を当面実施しないことを決めました。(県課題に応えるセミナー等は随時開催)
 
 ビックリしませんか?
 
 これをやります。あれをやります。と加えることは、誰からも文句を言われません。しかし、今でさえアップアップの状態で加えれば、有名無実になってしまいます。実は、スクラップアンドビルドで重要なのはスクラップなのです。抵抗もあるでしょう、非難もあるかもしれません。でも、それに対してしっかりと説明し、前に進めなければ、本当のビルドは出来ません。
追伸 今、教育改革を考えているところは、大分大学附属小学校を視察するべきだと思います。
 ★ ★ ★
 思い切って動かなければならないのである。
 それが、この附属小というのが驚きである。
 やろうとすればできるのである。
 
 

 

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

野中先生、夜分に失礼いたします。

以前、学級経営のことで相談に乗っていただいたkawamuです。
その後別の学校に異動し、昨年度は5年生を担任し、現在は同じ学校で6年生を担任しています。

今日は研究授業だったのですが、つくづく「授業って難しい」と思いました。
本当であれば、校内研究の流れで国語か算数からの授業だったのですが準備が間に合わず、研修主任に無理を言って得意教科の社会でやらせてもらいました。

結果としては、野中先生のおっしゃる「味噌汁・ご飯授業」や「ごちそう授業」どころか、言ってしまえば「飯の不味くなる授業」になってしまいました…。
今の学校での研究課題を簡単に言うと、「言語活動を通しての基礎学力の向上」なのですが、無理に言語活動(のようなもの)を授業に取り入れようとして失敗してしまいました。

事後研らしい事後研の時間はなかったのですが、参観していただいた同じ学年の先生方から頂いたメモには、授業の中身そのものよりも、「めあての立て方とまとめの仕方」や「授業中の立ち振る舞い」など、本当に基本中の基本についての指摘やアドバイスばかりでした…。

常勤講師としてかれこれ7年ぐらい務めていますが、未だにこんなところでつまづいているのかと恥ずかしくなると同時に、そこまで細かく見ていただいてありがたいと思う気持ちでいます。
そういう意味では、今回の授業は研究授業というよりかは研修授業だったのかなと思います。
今回頂いたメモは、これからの授業改善のための宝物として大事に残しておきたいと思います。

このブログにコメントを寄せられている方には、「このままこの仕事を続けていていいのか?」と悩む方々がいらっしゃいます。

私もその一人です。

運よく今年度実施された採用試験に合格しました。でも、この仕事を続けていいものかと日々悩んでいます。

でも、野中先生のブログを拝見していて、野中先生の温かいアドバイスと同じように悩んでいる仲間たちの存在になんとか励まされて仕事を続けることができています。

今日の研究授業を通して正直凹みました。でも、それと同時に今を新たなスタートラインとして次に向かっていきたいと思います。

とりとめのない長文かつ、なんだか愚痴みたいになって申し訳ありません。もう少しこの仕事を頑張ってみたいと思います。

投稿: kawamu | 2017年2月 7日 (火) 22時09分

野中先生こんばんは。はじめましてkawamu先生。
私は今年度から常勤で小学校講師として低学年の担任をもっています。

私は今月末に校内授業研究を控えていて、先程まで指導案の指導を受けていました。
私たちの研究課題は「算数科における言語活動の充実」です。
去年も同じ課題で、去年の成果として個人→グループ→全体と話し合いを拡げていくことで言語活動を充実させていこう。
という形でまとまって、今年はそれを周到してゆく。とのことでした。

二学期には私も外部の指導者が入る研究授業をしなければならない、ということで自分なりの算数科における言語活動の解釈を聞いてもらったり、言語活動ってどんなことか?と先輩の先生方に質問しました。
しかし、上記のこと以外の答えは返ってこず、自分なりに考えて作った指導案も上記の流れがないからダメだ、と突っ返されました。
私は「研究」という言葉から、課題に迫り、理解を深めていくための授業だと捉えていましたが、現実はそうではなく、単にやらなければならないノルマ、授業者としてプレッシャーを感じて嫌な思いをする体験、体育会系の嫌な伝統のようなもの、といった印象しかうけませんでした。

放課後の全体会で指導の先生は的確な指導をたくさんしてくださっていたのに、終わった後の職員室では「終わった−!解放されたー!」というような会話ばかり。
中には「先生方の言ってること難しくてわからなかったね。」と言い出す先生、それに同調する先輩方。
こういうことだと思いますよ、と言い出したくても一年目でおこがましいと考えて黙っていた私も同類だと思います。
本当に、心底、研究授業って何なんだろうと思います。

私も「この仕事を続けていていいのか?」と感じることはあります。
でも、そう感じられる人こそ、この仕事を続けていくべきなんだと思います。
人間と向き合う仕事に正解はありません。
だからこそ、これでいいのか?どうしたらいいのか?と悩み、考え続けていくことが必要だと思うからです。
考え抜いて、自分の決断を信じ、成功しても失敗しても原因を探って次に繋げていく。
そうやって前に進み続ける人間こそ、教師として児童と向き合い、ともに成長することができるんだと信じています。
壊れない程度に、息抜きしながら頑張りましょう!

投稿: はらぐろ | 2017年2月 8日 (水) 19時05分

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