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2016年8月

つれづれなるままに~69歳の誕生日~

   ●25日、朝4時に起きる。

 急いで出かける準備をする。
 
 痛んでいた小指も、靴を履いてみると何とか歩ける。
 良かった!
 
 5:00にタクシーが迎えるにくる。
 6:00の新横浜新幹線。
  名古屋まで行く。

 6:00の新幹線は、お客さんがいない。
 11号車に1人だけ。

 車内で車内販売の準備をしている人に、コーヒーをもらって、今日の講演のパワーポイントをもう一度確認する。

 名古屋に着いて、名鉄で佐屋まで行く。
 ★
 今日は、愛知県愛西市の教職員研修会に呼ばれている。
 文化会館の大ホールでの講演。約350名の先生方。
 
 テーマは、『今、「学校」が問われていること』~学校づくり、学級づくりで大切にすること~。

 クラスでは、発達障害の子供たちに加えて愛着障害の子供たちが増えている状況を話す。

 この状況で、教師が何にできるのか、それを訴える。
 ベテランの女性の先生たちの頷きが多く、うれしくなる。
  ★
 13年前、1冊目の本『困難な現場を生き抜く教師に仕事術』(学事出版)を出す。
 
 これから大変なことになる。
 私たちは、まず「学級づくり」で身構えなければいけないと訴えた本。

 その時、そのことを訴えていたのは、上越の赤坂真二先生と私ぐらいではなかったか。
 あとは、「授業づくり、授業づくり」の時代。

 13年経って、間違いなく、大変なことになっている。
 予測していたことよりもっと深刻な形で。

 教師は孤立無援だ。
 自分たちで装備を固めていく以外にない。
  そのことを訴える。

●26日。私の誕生日。69歳になる。
 
 朝、玄関から外へ出ると、真っ青の空。
 秋の空だ!
 私の誕生日を祝ってくれているような青さ(笑)。
 
 「この空は、あの空だ!」と思い出す。
 カリフォルニアへ行った時、サンフランシスコから北部のナパというところへ連れて行ってもらったことがある。

 カリフォルニアワインの原産地。
 ずっとブドウ畑が続く。
 
 そこを列車で行く。
 天国みたいな場所。

 世界地図でもう一度このナパを確認する。
 あの日の、あの青空を思い描く。
  ★
 来年は古稀を迎える。
 終わり支度を始めなくてはならない。

 
 
 
 
 
 

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つれづれなるままに~とんでもない暑さであった~

  ●とんでもない暑さであった。
 12日から郷里(九州の佐賀)へ帰った。
 毎日37℃、38℃が続くのである。
 
 確実に体温より高い。
 外へ出ただけで汗が噴き出る。
 どこにも身の置きどころがない感じになる。
 
 退職後九州へ帰るという選択肢もあったが、一番の難題はこの夏の暑さである。
 寒さはそんなに嫌いではないが、この暑さはとても耐えられない。
 
 16日に横浜へ帰ってきた。
 そのさわやかさにほっとする。
 
 といっても17日の暑さは大変であったが…。九州から暑さを連れてきた心境になった。
 早く秋の訪れを待ち望んでいる。

●母の入院はさまざまに心配をかけてしまった。
 おかげで回復し、22日には退院できるようになった。
 暮らしている施設に戻ることになる。
  「ガンバレ!ガンバレ!」と願っていたわけである。

 だが、95歳の高齢。
 12日、佐賀の入院先で見舞ったが、もう昔の元気さはなかった。
 十分に生き長らえたはずである。
 覚悟はしておかなくてはならない。

●部屋の中を歩いていて、右足の小指が扉にぶつかった。
 その日はさほど痛みもなく、そのまま忘れようとしていた。
 ところが、次の日に強い痛みに襲われ、思うように歩けなくなる。

 もう完全に骨折を疑わなければいけない。
 あわてて整形外科へ駆け込む。

 早速レントゲンを撮る。
 先生曰く。
 「骨折はしていません。ただ、かなり腫れているので治るまでだいぶ時間がかかります。特に、小指は治りにくいのです」
 「先生、25日は愛知県にどうしても行かなくてはならないのですが…」
 「いいですよ。痛いですけどね」
 「…………」
  25日は、朝4時起きで愛知県愛西市での講演に向かう。
 それまでに何とか靴が履けるようになればいいのだが…。

●この夏、リオオリンピックで明け暮れた。
 同じ映像を繰り返し見せられて、うんざりすることもあったが、まあまあこんなものであろう。

 競技は、勝者と敗者が分かれる。
 勝者は、勝利の喜びだけでなく、敗者への気遣いも必要だ。
 また、敗者は、敗因の意味を語らなければいけない。
 ここにはアスリートの度量が現れる。

 一番印象に残ったのは、敗者の対応というもの。
 
 金メダルに輝く選手は、一様に輝いて見える。
 しかし、敗者の選手の対応は、さまざまであった。

 内村は「あなたが審判に好かれているからこんな得点が?」というような記者の質問を浴びていた。
 内村に敗れて銀メダルをとった選手。「いったん得点が出ればそれは公平な結果。質問は無駄だと思う」と弁護していた。
 そのさわやかさ。

 50キロ競歩。銅メダルの日本選手に負けた4位のカナダ選手。接触でカナダからのクレームが出て、一時は失格になった。しかし、抗議で覆った。
 4位の選手は、「抗議は上の方がやったことで、あんな接触はよくあることで、競技の1つ。私はこれ以上抗議することはしない」と。
  実にさわやかな対応。
 
 敗者の対応は、そのアスリートの度量と人間性がにじみ出る。
  
 ★
 誰でもが、成功ばかりはない。
 むしろ、失敗や挫折などが数多い。

 大切なのは、その時の対応である。
  その場面での敗者がいつまでも敗者を続けることはない。

 「この次だよ」と前へ前へと歩いていくことである。
 最終的な人生の勝者になればいいのである。

 

 
  
 

 
 

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みみこ先生に答える~ハカセ方式のこと~

  みみこ先生から質問があった。
 ハカセ方式についての質問である。
 
 このハカセ方式は、目標達成法の低学年版として作ったものである(4年生ぐらいまでは可能なのだが)。
 さまざまに工夫の余地はあるはずである。

 何度でも確認したいが、これはあくまでも1つの方法に過ぎないので、目の前の子供たちに合わなければ、変更するか、他の方法に変えていかなければいけない。
 それが方法というものである。
 これでなければいけないというものではない。
 ★
 そこでみみこ先生の質問に答えたい。
 ★ ★ ★
 こんにちは。私も9月から是非博士方式を取り入れたいと考えています。
そこで質問なんですが、名簿に○をつけに行かせて○が10個貯まったら博士認定ということですが、博士になったら名前を名簿の上に書くんですよね。その後は博士になった子はもう○をつけに行かないのですか?それとも名簿をどんどん重ねていき、○を増やしていくのでしょうか?うちのクラスは、たぶん博士方式に熱中する子がたくさんいると思われます。ただ、あいさつ博士とかにした場合、授業の最初の号令で気が乗らないと立てないこもいるので、一度博士になっても○をつけないとまたやらなくなっていくのかなあ、と。クラスの実態によって、色々柔軟に変えていったらいいのかなあ、とは思うんですが。
 ★ ★ ★
 柔軟に変えてください。
 ○が10個たまったら、「あいさつハカセ」になります(大変なクラスは○が5個でもいいのです)。
  それで終わりではないですね。
 「あいさつハカセ」の掲示があるかぎり、挑戦が続きます。20個貯まったら、「あいさつ名人ハカセ」にしたらどうでしょうか(今考えたのですが<笑>)。
 クラスでハカセが半分ぐらいが達成できたら、もうこのハカセの役目は終わりではないでしょうか。
 問題はいかにクラスに定着していくかですね。
「あいさつハカセはずっとできることが大切だ」という価値観を子供たちが共有できていかなければいけないですね。

  ★ ★ ★
あと、ある程度博士の人数が増えてきたら、違うのも増やしていくと思うのですが、今までの博士はどこかに掲示しておいたほうがいいですか?
 ★ ★ ★
 それは、掲示しておいた方がいいですよ。
 「見える化」にするというのは、大切なことですから。

  ★
 このハカセ方式は、クラスにルールを定着させていく1つの方法です。
 この目的を忘れないことです。
  原則は以下のこと。

 ①クラスで困っていることをハカセにすること。
 ②必ずフォロー(ほめること、認めることなど)を入れて、
  教師自身が大喜びすること。
 ③やんちゃな子供が参加できるハカセも加えること。
 

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やなぎ先生に答える

    やなぎ先生からの質問が来ていた。
 「ハカセ方式」への質問である。

 ★ ★ ★
初めまして、現在初任者のやなぎと申します。
18名の2年生を担任しています。
2学期から引き続き行うハカセ方式について
悩みがあり、相談させていただきたいです。

1学期は学習規律や言葉遣いなど
子どもの生活面指導に明け暮れ、
それでも良い結果がなかなか出ませんでした。
そこで野中先生がおっしゃる博士方式を
取り入れたところ子どもたちの
活動スピードが上がったり、
学習準備が少しずつできたりするようになりました。
野中先生の記事や考え方に出会えて
本当に助かりました。
ありがとうございます。

2学期からも博士方式に取り組もうと
考えています。
学習ルールや学校生活のルールを
守るのが苦手な子どもたちですから
「ルールはかせ」など考えています。

このはかせ方式はなるべく
細かく設定した方がよいのでしょうか?
それとも大きな枠で設定してもよいのでしょうか?

お忙しいとは存じますが、
答えてくださると幸いです。
よろしくお願いいたします。

投稿: やなぎ | 2016年8月10日 (水)
  ★ ★ ★
 2年生18名というのですから、大変恵まれているクラスですね。
 それでも、やんちゃな子供たちが多いのでしょう。1学期は大変だったということ。

 このような子供たちに効果的なことは、「叱る」ことより「ほめる」ことです。私はフォローと言っているのですが、このフォローを身に付けていくことが大切です。
 これだけでも多用できれば、絶対にクラスはうまくいき出します。
 2年生の子供たちは、そんなに複雑じゃないのです。
 ただ、叱られ慣れているでしょうから、「叱る」こと(それも必要ですが)は、その場だけの効果に終わっていきます。

 だから、ハカセ方式で行うとき、「Aさん、すばらしい!べんきょうハカセ1回!」というように、必ず「すばらしい」というようにフォローの言葉を入れることです。
 この言葉だけでも効果抜群です。

 私は、SWIM話法といって、これだけは「ほめる」言葉として持っていて、多用するようにしようと呼びかけています。
参考にしてくださいね。

 S…すごい、すばらしい、さすが、その調子
 W…うまい、わかる
 I …いいね
 M…みごとだね
  ★
 この方式は、最初真面目な子供たちから取り組み始めます。
でも、やんちゃな子もどこかのハカセになれるように「あそびハカセ」(休み時間外で遊ぶ)、「給食ぺろりハカセ」(給食を残さずよく食べる)などを加えていくことも大切です。

 このハカセ方式は、項目を細かく、子供たちがイメージしやすいものがいいですよ。
 「ルールはかせ」というのは、大まかすぎて不適当ですね。
 あまりにも先生の意図が見え見えのような感じです(笑)。
 
 ぜひ『新卒教師時代を生き抜く学級づくり3原則』(明治図書)を参考にしてください。
 
 
 

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つれづれなるままに~お盆は九州である~

  ●8月5日、午前中 大磯町福祉センターへ行く。
 神奈川県内公立幼稚園・こども園の副園長、教頭、主任などの研修会。約60名の先生方。
 いわゆる幼稚園の中心を担っている先生方の会になる。
 90分の講演。
 
 テーマは、「すこやかな子どもを育てるための保育実践を考える」。
 私はもっぱら小中の先生方の会への講師を務めているので、幼稚園などの講師はほとんどない。2回目である。
 1回目にやった幼稚園の園長先生たちからの推薦で、ということ。
 
 公立小学校、中学校の深刻な実態と、低学年教師として過ごしてきた経験を語る。
 
  熱心に聞いてもらう。
 多分、私のような話はなかなか幼稚園や保育園の研修では出ないのであろう。

●午後、移動して今度は大磯町の保健センターで小中の先生たちへの「学級づくり」「授業づくり」についての講座である。
 間に大磯小のS先生の模擬授業(算数)があった。

 学級経営講座は「学級を軌道に乗せる」というテーマで50分。
 授業づくり講座は、「日々の授業を豊かにする」というテーマで50分。

 ちょっと刺激的なテーマを思い切って入れる。

●講座の途中で、九州の妹から電話。
 母の容態が厳しいという内容。入院である。
 風邪をひき、熱が上がったり下がったりを繰り返している。 95歳なのである。
 いつでも覚悟をしておかなくてはならない。
 もしもの段取りをメモする。
  ★
 その後経過は良くなる。
 起き上がれるようになったと連絡あり。
 良かった。
 お盆は九州(佐賀)なのである。

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また、現場は新しい課題を抱え込む(2)

   諸富先生の本を読みながら、先日のコメントがあった「みみこ先生」のクラスの子供2人のことを思った。
 
 この子たちも、「愛着障害」の子供ではないかと。
  みみこ先生、ぜひこの本も読んでください。
 ★
 諸富先生の、次のような指摘が目にとまる。

  ★ ★ ★
 大切なのは、教師同士の連携、チームワークです。学校や、幼稚園、保育園、学童クラブ(放課後児童クラブ)を、子どもにとっての「心の安全基地」にするためには、スタッフ同士の連携がすごく大切なのです。
 かんしゃくを起こした子どもは、「この先生の言うことは聞かない」と意固地になるからです。
 「むこうへ行こうよ」と促されても、「いやだ、ここじゃないとダメだ」と、ばたばたして抵抗するばかりです。
 この場合、もしどなって説教したら、余計に子どもは緊張して、パニックになってしまいます。こういう子はむしろ、ゆるめてあげることが大切です。
  ★ ★ ★
 また、次のような指摘も目に止まる。

  ★ ★ ★
 子どもが荒れる原因が、発達障害であれ、愛着障害であれ、いちばん大事なことは、「学級が子どもたちにとっての安全基地」になることです。
 心が荒んでいる子どもが落ち着いていくために重要なのは、「安心安全な環境」を提供することです。
 覚えておいて損のない重要な法則は、「場所を変えると、気持ちが落ち着くことが多い」ということです。
  ★ ★ ★
  ここでぴったりと、諸富先生と私の「学級づくり」が一致する。
 今、「学級づくり」の第一のねらいを「安心・安全な居場所づくり」と設定している。
 
 これが、まず第一に取り組まなければならない課題である。
4月の1ヶ月は、「授業づくり」よりも優先されなければならない最優先課題。
 
 そのために必要になるのは、学級内ルールの確立である。
 このルールが学級で息づいていないと、「安心・安全」な基地にならない。
 治安がきちんとできていないところでは、住民が安心して暮らせないということと同じである。
 
 朝の会で「これはしてはいけない」「あれはしてはいけない」と伝えるだけではルールは学級に息づかない。
 子供たちが、自分たちで実践して、自分たちで「守れた!」という体験を経て、クラスのルールとして定着していく。

 そこで「目標達成法」や「個人目標達成法」(ハカセ方式)を提案している。
 軌道に乗ると、すぐにクラスは落ち着く。
 ぜひ試してみてほしい。
 


 
 
 
 
 

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また、現場は新しい課題を抱え込む(1)

  教育現場は、また大変な課題を背負ったものである。
 暗然とした気持ちで座り込んでいる。
 ★
 緊急出版として諸富祥彦先生(明治大学教授・教育カウンセラー)が『スマホ依存の親が子どもを壊す』(宝島社)を出された。
 
 帯の表には、次のような言葉が並ぶ。

 ママ、スマホよりボクを見て!
 ”手に負えない子”の背景に親のスマホ依存があった!
 ●かんしゃくが止まらない
 ●感情がコントロールできない
 ●先生や友だちを攻撃する
 ●学力が低下する

 帯の裏にも、次のような言葉が並ぶ。
 
 保育、教育、小児医療の現場ではすでに多くの人が気づいているー
 「心の壊れた子」が大量に現れた!
 ●ちょっとしたことでパニックになり、泣き叫ぶ
 ●モノを投げる、壊す
 ●小児科の待合室で異様な泣き方をする
 ●学校で、友だちとしょっちゅうトラブルになる
 ●小1なのに3歳児のように暴れる
 ★
 今まで学校現場は、「発達障害」の子供たちに手を焼いてきた。この子供たちを制御できなくて、教師を辞めていった先生は数限りなくいる。

 また、現場は、新しく「愛着障害」の子供を抱え込むことになっている。

 「発達障害」と「愛着障害」はどこが違うのか。
 ほとんど絡み合っているので区別は付けがたいということ。
 ただ、「発達障害」が先天的であるのに対して、「愛着障害」は後天的である。

 どちらにしても、現場はダブルパンチを浴びることになる。 ★
 この本に耳を傾けてみる。

 ★ ★ ★
 最近、先生方からの相談を受けていて、気づかされたことがあります。それは、「子どもの心が壊れつつある」ということです。
 具体的に言うと、幼稚園・保育園(こども園)、小学校低学年の子どもたちに「かんしゃくが止まらない子」が増えているのです。
 ちょっと不愉快なこと、たとえば、友だちにからかわれた、先生に注意された、水が少しかかった、といったようなことをきっかけに、
「イヤダ!!イヤダ!!イヤダ!!」
と、その場に倒れ込んで、手足をバタバタさせて地団駄を踏んで泣き叫び続けるのです。先生が、「大丈夫?」「そろそろ起きようか」と声をかけると、ますますかんしゃくが激しくなるばかり。もう「どうにも止まらない」状態になってしまいます。
 モノにあたってモノを投げたり壊したりする子もいれば、友だちを傷つけてしまう子もいます。それは、虐待を受けた子どもの反応に似ています。小学校1年生なのに、まるで2~3歳の子のようです。
 ある小学校では、今年の1年生のあるクラス30人中、10人近くに、多少の差はあれ、こうした傾向が見られたのです。
 ★ ★ ★  
 8月1日福井県の講演を終えて、小松空港から羽田空港へ向かっていた。
 もう夜の8時を過ぎている。
 座席でうとうとと居眠りをしていると、後ろの座席から男の子の泣き叫ぶ声と金属音の叫び声がしてくる。
  2歳、3歳頃の2人の子供。
 夫婦での旅行。
 
 しばしの時かなと我慢をしていると、ずっと続く。
 私の方がくたくたになる。
 
 両親のあやす声も、叱る声も聞こえない。
 ただひたすらに叫び続ける。

 私は異常な空間に追い込まれてしまったと思ったものである。

 最近、こんな経験をされたことがないだろうか。
 コンビニで、デパートで、駅の構内で、金属音の金切り声を発し続ける子供の声を。
 
  子供たちの中に、何かが起こっているとしか思えない。
 この本を読みながら、「これだ!これだ!」と。
 ★
 いつ頃から急にこうした子供が増えているのか。
 スマホが普及し始めた頃からだと諸富さんは書いている。
 
 スマホのように個人用携帯機器が一般的になって、10年弱の歳月が過ぎている。
 このスマホの副作用が、どのように人間に影響を及ぼしていくのか、まだまだこれからである。
 
 最近は、ラインが普及して、さらに副作用は倍加するであろう。
 いや、もう「愛着障害」というカタチで出始めている。
 そのように考えた方がいい。

 アップルのスティーブ・ジョブズは、「私たちは、子供たちのテクノロジー機器の利用を制限しています」と語っていた。ビル・ゲイツは、娘のパソコン利用時間を平日40分以内、週末でも1時間以内に制限していたと伝えられている。

 創始者たちは、この機器がいかに子供たちに危害を与えるものであるかを知っていたのである。

 それにしても、世の親たちはあまりにも無頓着ではないか。
 
 
  

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みみこ先生へ~まずルール作りが急務です~

  みみこ先生から以下のようなコメントが入った。
 
  ★ ★ ★
いつもなるほどと思いながら読ませてもらっています。わたしは、若手とは言えない年で今年、講師から教諭になりました。前勤めていた学校は、のどかなところに建っている小規模校で、子どもたちはやんちゃな子はいても、基本的に先生のいうことは聞くという感じで楽しく勤務していました。今年から勤務している学校は、この辺りでは、「あそこは大変だね。」といわれる学校です。すごく細かいところまで全校の決まりがきめられています。
 今年は2年生を受け持っています。なかなか大変な学年で、立ち歩く子や、授業中に取っ組み合いのけんかもしょっちゅうあった学年だったようです。がんばろうと臨んだ4月5月は、話を聞くことが苦手な子を前に騒がしいなあ、と感じながらも、自分自身まだ元気があり、毎日いろいろな手立てを考えつつがんばっていました。
 6月に入り、二人の子がたち歩くようになりました。一人の子が人の気にしていることを言い、もう一方が怒ってけんかになり、立ち歩く感じでした。昨年も立ち歩きはあったので、様子を見て声をかけたり、5数える間に座れたらセーフ、など、いろいろ作戦を立てながら過ごしていたのですが、そのうちの一人が、立ち歩いているときに足を怪我してしまいました。思った以上にけがの具合がひどく、プールも入れぬ日々が続きました。その子は基本的にイライラしている子なのですが、さらにひどくなり、常に怒っている状態が続きました。何とか話をしようと休み時間に廊下に連れ出して、二人で話をしようとしたのですが、話し方がまずかったのか、私に対して反抗するようになっていきました。「来ないで。」「話したくない。」思えばたち歩きの状態を何とかしようと焦っていた自分の言動がその子を追い詰めていたのかもしれません。そのうちに、「保健室に行ってきます。」と、理由もないのに保健室に行くことがふえました。そのころから、クラスの中で、今までまじめに取り組んでいた子までが、気がのらないとやらなかったり、いうことを聞かないことがふえてきました。給食の用意もどんどん時間がかかるようになっていきました。
 クラスの状態を見て、自分だけでは無理だと思い、管理職や養護教諭にも相談しました。養護教諭は、何かと気ににかけてくれ、様子を見に来てくれたり、放課後話を聞いてくれたりしました。教頭も、廊下で見守ってくれたり、大変な時には子どもたちに話をしてくれています。そうやってみんなに助けてもらいながら、7月まで乗り切りました。6月にその子がけがをしてからは、自分自身の気持ちにもゆとりがなくなり、食欲がなかったり、夜寝られないことがふえていきました。
 夏休みに入りましたが、なかなか気が晴れない日々が続いています。先生のブログやいろいろな教育書を読んだり、研修会に行ったりして9月からの作戦を立てようと考えています。まずは、自分自身の元気をしっかり回復させて、元気に9月をスタートできればと考えています。この記事を読ませていただいて、今の自分にできることを考えました。先生が言われる10項目、ほとんどが△な状態で夏休みを迎えました。その一つ一つを見つめなおし、9月からどうすべきかノートに書きだしてみようと考えています。ただ正直不安です。不安でいっぱいです。でもできることから一つずつやってみようと思います。
投稿: みみこさん | 2016年8月 5日 (金)
 ★ ★ ★
 みみこ先生は、教諭になって最初の洗礼を受けています。
 決して珍しいことではありません。
 
 このような事例は、何度でも見聞きしました。よくある典型的な事態です。
 メールなどで相談もされたこともありました。
 2年生の担任の先生が多いのです。

 「不安でいっぱいである」と書かれています。
 よく分かります。
 1学期のような事態がまたずっと続いていくと想像するだけで気が滅入るはずですから。

 しかし、7月までよく乗り切られました。
 今度は、12月まで凌げばいいのです。
  周りに協力してもらい、乗り切るのです。

 どんな教師も、必ず一度か二度こんな事態に巡り会います。
力量が問われると言えばそれまでですが、今は力量がある先生だってばたばたと倒れていっています。

 みみこ先生、がんばらなくていいんです。
 テキトウにやるんです。
 一日一日を凌いでいくだけでいいのですよ。
 だから、夏休みの今は、とりあえずその問題から離れるのですよ。

 旅行に行ったりして気分転換をするのです。
 研修で忙しいかも知れませんが。
 
 こうなった原因と、これからどうやるか、そして読むべき本を書いておきます。
 ★
 みみこ先生のクラスを見ているわけではないので、推測で書きますが、このような事態になる典型的な事例は、担任が「仲良し友達」先生になるか、それとも「叱りっぱなし」先生になるか、そのどちらかの結果です。
 
 もう1つは、2人の子供が大変だったので、その子にかかりっきりになり、真面目にやっていた子供たちの時間が「空白」になる時間が続いたのかもしれません。

 担任は「ある怖さ」が必要です。
 私は「縦糸を張る」と言っているのですが、周りの友達にひどいことをしたりしたときに、担任は「怖い先生」になるということを知らせておくことは必要です。
 
 体罰とかではもちろんないです。
 人間的な迫力です。
 多分、みみこ先生のクラスの子供たちは、その迫力を感じていないようです。
 やさしい先生か口やかましい先生かのどちらでしょう。

 だから、どこかで一度びっくりするような「叱り」(演技でいいです)を披露していくことは大事なことです。
「うわあ、先生はこんなに怖いところがあるのか!」と思わせておくのです。

 2年生の子供たちは、そんなに複雑ではありません。
 でも、残酷なところがあります。
 人間の脳は、三層構造になっていて、一番奥にはは虫類の脳があり、その上には犬猫の脳があり、最後のところに人間の脳が重なっています。しかし、クラスが荒れてくると、一部の子供は、とても人間とは思えない行動を取り始めます。
犬猫のような野生の行動です。第二層の行動です。2人の子供はそうなっているでしょう。
 クラスが荒れてくると、弱肉強食の状態になり、そのように変身してしまうのです。だから、しょっちゅうささいなことでもめごとになるのです。
  ★
 昨年ですか、あるところに行って初任者のクラスで授業しました。
 校長先生は「1学期の5,6月頃には学級崩壊を覚悟しました。しかし、9月になったら持ち直してきました」と言われました。「何が変わったのですか?」と問うと、「彼女は9月になったら真剣にやんちゃたちを叱りだしたんです。それでやんちゃたちも変わり始めました」と言われました。
 きっと担任が人間的な迫力で真剣に叱り始めたのでしょう。
  ★
 何を9月からやればいいか。
 夏休み明け1週間で勝負することですね。

 ハカセ方式(個人目標達成法)か目標達成法を実践することを進めます。
 クラスにルールが息づいていないのですから。

 まず、クラスがルールで息づくような措置を取らなければいけません。
 それを真っ先にしなければ、多くの子供たちが安心して過ごせません。
 安心できる状態にすることが急務です。
 そうすると、真面目な子供たちは、また担任についてきます。

 これについては、『新卒教師時代を生き抜く学級づくり3原則』(明治図書)を読んでください。初任者のうまくいった実践を載せています。

 また、『必ずクラスを立て直す教師の回復術』(学陽書房)をぜひ読んでください。これからの方向が分かります。
 ★
 みみこ先生、大きな試練です。
 でも、誰だってあるのですから。

 この試練を乗り越えたら(凌いだら)、もう一段階のステージに上がることができます。
 教師としての力量が身に付いていきます。

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つれづれなるままに~夏休み明け1週間の法則~

●ブログでの「ある保護者」の方のコメントから始まった、さまざまなやりとりは、実におもしろかった。
 
 保護者の方の真摯なコメントが、とても印象に残った。
 
 これにからんでもらった、TOSS末端教師の先生、ある教師の先生、スイちゃん先生、普通の教師のうちの1人の先生、ありがとうございます。
 
 保護者の方は、塾の関係者の方なのか、実に具体的に学校のことを知られていて、公立の教師たちは「このように見られているのか」と分かったと思う。
 ★
 同じ考えの人なんかいない。
 当たり前である。

 だからこそ、相手との違いを認める。
 違いがあることを認め合って、率直に伝え合う。

 こういう当たり前と思うことでも、なかなかうまくできないのである(これが一番難しいのかも知れないが)。

 しかし、ここでのコメントの交わし合いは、良かった。
  感謝している。
 
●8月1日、朝5時起きで羽田へ急ぐ。
 小松空港へ。

 この日、福井県の坂井市での教育研究会全体研修会に呼ばれていたのである。
 ハートピア春江の大ホール。坂井市の先生たち500人近くが集まる。

 テーマは、「今、学校で起こっていることを考える」~学校づくり、学級づくりで大切にすること~。
  2時間。
  ★
 福井県からの講演の依頼は、これで2回目。
 今回はお断りしようと思った。
 何せ「天下の福井県」である。
 何を話していいか迷ってしまう。

 私は、今まで「困難な現場」での学級経営、授業づくりなどを考えてきたのである。
 福井県には合わない。
 
 しかしである。
 福井の先生たちにも、関東圏、関西圏の都市圏で起こっている事態を知らせることも必要だ。
 そしてまた、この機会に福井の教育について考えてみることもあっていい、そう思い直して引き受けた次第である。
 ★
 福井の教育について、3点考えたことを話した。
 1つは、県民全体が「福井らしさ」を徹底追求していること。
 2つ目は、不易の大切さがあること。
 3つ目は、「生活」指導へのこだわり。
 
 とくに、「生活」指導へのこだわりはとても印象に残った。
 
 学校は、「学習」と「生活」から成り立っている。
 知識重視派の人たちは、学校はほとんど「学習」で成り立っていて、「生活」は付随的なものだという認識がある。

 学校の一日は大半授業で成り立っているからである。

 ところが、福井の教育は、「生活」をとても重視している。
 あいさつ、整理整頓、生活時間の設定、服装の整え、無言清掃など、規律を徹底している。

 子供たちも、それに慣れきっていて、そういうものだと思い込んでいる。

 福井の教育者は、伝統的に「生活」指導が「学び」の知的体力を育てるものだと知り抜いていたのだと思える。

 ここが徹底した「福井らしさ」である。

  「当たり前を積み重ねると特別になる」

 この言葉が福井の教育にはよく似合う。
  ★
 その日、羽田には夜の9:00頃に帰ってきた。
 明日、また講座があるためである。

●8月2日、東京練馬区の学校教育支援センターへ急ぐ。
 新宿まで行き、それから都営大江戸線で光が丘まで行く。
 
 大江戸線には、初めて乗る。
  自宅から2時間ほどかかる。

 練馬区の夏期集中講座「学級経営の基礎基本」。
 若い先生たち中心に40名ほどが集まられている。

 この講座も3時間ほど。
 講座を受ける方も大変である。

 だから、テーマを設けてグループで話し合い、発表し、そして私の考えを述べていくという演習方式で進める。

 ぴったり10分前に終わる。
  先生たちの反応は上々で、2学期からの方向がはっきりしたと言われている先生たち。
 うれしいことである。

●教育新聞連載記事8月号が出る。
 ★ ★ ★
  夏休み明け1週間の法則
 「夏休み明け1週間の法則」がある。
 私が名付けた法則である。せっかく夏休みの最中だと言うのに、もう夏休み明けを考えようというわけである。だが、どうしても夏休みの間にやっておかなくてはならない課題。特に、クラスが荒れていた学級は必須の課題になる。
 1年間の「学級づくり」には、「金の時間」と「銀の時間」がある。もうこれ以降の「銅の時間」はない。「金の時間」は4月の1ヶ月。「勝負の1ヶ月」と名付けて取り組んできたはずである。もうとっくに終わっている。だから、学級がうまくいっているかどうかは、この「金の時間」の結果である。だが、もう一度チャンスが巡ってくる。「銀の時間」。1学期の間にうまく行かなかった「学級づくり」を、この時間にやり直すことができる。ただ、まとまった時間はない。1週間。この時間で、問題点を修正し、一気に2学期の授業へと突き進んでいかなくてはならない。
 だから、夏休みの間に1学期の問題点を検討し、具体的な方向を考える。これが1週間の課題。
 何を検討するのか。以下の10項目を振り返ってほしい。
<縦糸張り>
①指示―確認がきちんとできているか。
②朝の会、終わりの会は短時間にすばやく行っているか。
③給食は、時間通りにすばやくできているか。
④掃除は、時間内にすばやく終わっているか。
⑤特別教室への移動や朝会時の整列は静かにできているか。
<横糸張り>
⑥子供たちとよく遊んでいるか。
⑦子供は親しげにいろんなことを話しかけてくるか。
⑧子供たちの良い点を毎日伝えたり、ほめたりしているか。
⑨教室で笑いが起こることがよくあるか。
⑩教師の話に、ほとんどの子供が明るい表情で耳を傾けているか。
 1学期の間に、<縦糸張り>と<横糸張り>がバランス良く行えたかどうかが問われる。
 1つずつ検討し、吟味し、うまくできていないとなると何が問題になるのかを絞り出し、どうするかを考える。
 そして、「夏休み明け1週間」の間にやり直しをする。夏休みが明けて、子供たちはまた新たな気持ちになっている。「今までのやり方を2学期はこう変えます!」と宣言して、すばやくテンポ良く進める。だらだらとやったのでは効き目はない。
 これが「夏休み明け1週間の法則」になる。
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 親しい知り合いの先生から、その学校の教頭先生が、この記事を全校の先生に配布されていたと連絡があった。
 読んでもらっている。
 ありがたいことである。
 


 
  
 
 
 

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