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2016年5月

つれづれなるままに~windows10 騒動~

  ●突然、パソコンで「windows10」の更新が始まった。
 
 今までは、無料で更新ができるのでどうですかという通知が来ていたが、更新しないようにしていた。
 ところが、勝手に突然である。
 windowの方が方針転換をしたらしい。

 「まあ、無料だからいいか!」という思いもちょっとあって、そのままにしておいた。

 ところが、ところが、今までとは大きく違っている。
 マウスがふらふらして、落ち着かない。
 画面がいきなり変わったりする。

 そこで、NECに電話して、今までの「8.1」に戻してもらう。システムの復元という作業。

 そこまではいい。
 しかし、元に戻ったのだが、さまざまな不具合が起きる。
 
 いきなり全部のメールがぱっと消えてしまった。
  ★
 あわててNECに連絡し、訪問サポートをお願いした。

「今、windows10関係のトラブルが続出していて、大変なんです。10のソフトはハイレベルで今までのパソコンでは対応できないものです。だから、さまざまな不具合が起きるのです!私たちはこの10をウイルスと同じだと思っています」という話。

 全部のメールを復元してもらった。
 これで一安心である。

 それにしても、この10のおかげで大変な出費である。
  私のパソコンは、まだ後遺症が残り、さまざまに不具合が続いている。
 「一旦、違うパソコンになってしまったのです」という説明。
 windows10にはくれぐれも注意してほしい。

●神奈川県の横須賀の初任者研修会へ行く。
 今年は初任者が100名近いと聞く。
 大変な人数である。

 この横須賀は、米軍の基地を抱え持っている影響なのか子供たちが落ち着かなくて、先生たちも苦労している。

 ところが、昨年度辞職する初任者が1人も出なかったという報告。
 私はここに初任者研修に来てから4年目になるが、初めてのことではないだろうか。
 担当の指導主事の先生に「快挙だよ!」と伝える。

 担当の指導主事の先生が小まめに訪問されている。
 支えていく学校もがんばっているのであろう。

 私が関わっている教育委員会が軒並みに初任者が辞めていない事例があり、うれしい限りである。

 私は強く訴える。
 クラスがうまく行かないのは、授業が下手だとか、授業がおもしろくないとかの問題ではない。
 
 それは、「やり方」がまずいからだけ。
  特に、子供との「関係づくり」がうまくいかないから。
 その「やり方」を修正すればいい。
 
 これから修正をしていくことである。
  そんな話を2時間近くする。

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「自慢づくり」ということ

  新幹線から富士山を眺められたことがあるだろうか。
 その偉容は、「おお~~っ」と叫びたくなるほどのものである。
 
 あるとき、名古屋に行く途中で、富士山がくっきりと姿を現したことがあった。
 同じ車両に乗り合わせていた外国人たちが、「おおっ~~~富士山!富士山!」と一斉に騒ぎ出し、カメラを持って走り回り始めたのである。
 
 外国人にとっても、富士山は、こんなに驚くことなのである。再発見したものである。

 今回、静岡県の富士市に行って、強く印象づけられたことがあった。
 タクシーで会場へ向かっていると、目の前に大きく富士山が聳えているのである。

「えっ~~、こんなに富士山が目の前にあるんですか!毎日この富士山を見て生活するというのは、どんな気持ちになるんでしょうか?」とタクシーの運転手さんに聞いたら、「慣れてしまっています」という答え。

「まあそうだろうなあ」と思いつつ、子供たちはどうなんだろうと想像を巡らせた。
 ★
 関東から西の県は、子供たちが落ち着かなくて、大変さを抱え込んでいる学校が多いのである。
 
 でも、その中でも静岡県の平静さは、目立っている。
 これは、ずばり「富士山効果」ではないかと仮説を立ててみたのである。
 
 以前同僚だった先生が結婚のために富士市の先生として採用試験に合格して異動していった。
 
 語ってくれたことがある。
「もう絶対に横浜の先生なんかに戻りたくない。こちらの学校の子供たちは素直で、先生のしがいがあります!」と。

 そんなに富士市は子供たちが落ち着いているのだとつくづく思ったものである。

 私が立てた仮説とは、富士山という世界遺産を持っていることで、それが子供たちの「自慢」のタネになり、自分たちも富士山に負けないようにしっかりしようという気持ちを育てているのではないか、というものである。
  ★
 何を言いたいのか。
 自分たちの県や土地や学校に、「自慢」になるタネがあったり、できたりした場合は、子供たちは大きく変わっていくということである。

 この教育効果は計り知れないものである。
 ★
 横浜市で、ある高校が甲子園に出ることになった。
 男子校で、あまり目立った高校ではなかった。

 その高校の生徒たちと毎日バスに乗り合わせている先生から聞いたことであるが、その高校が甲子園に出るとなったとたんに一気に生徒たちの態度が豹変したという。

 今まではズボンをずり下げて、だらだらとした態度でバスに乗り込んできて大変迷惑であったのだが、甲子園に出るとなったとたんに、ずり下げていたズボンがあがり、朝の挨拶もきちんとするようになったということ。

 その先生はびっくりしたという。

 「我が高校が甲子園に出る!」→「うちの学校もやるじゃん!これからは甲子園に出た学校として注目されるな!」→「我々も甲子園に出る学校としてちゃんとした態度をとらなきゃ!」
というような気持ちの変化があったことは容易に想像できる。 
 「甲子園出場」という「自慢」のタネが出て、生徒は変わったのであろう。
 ★
 私が最後の勤務校に赴任したとき、今までの学校の同僚の先生に同情された。
 「荒れまくっている学校だから、3年経ったらすぐに異動すればいいよ!」と慰められた。
 
 赴任したら、確かにその通り。
 始業式からわあわあと落ち着かなかった。

 5年生の担任になった。
 5年生は近くの学校と親善の球技大会がある。
 女子はミニバス、男子はサッカーと決まっている。

 隣のH小学校との試合。
 男女ともぼろ負けであった。
  1つのチームも勝てないのである。

 どうしてこんなに負けるのか。
 隣の学校は1クラスしかなくて、男女ともたかだか30名程度。本校は2クラスで70名程度。2倍の数の子供がいるのである。
 
 子供たちに聞いた。
「どうしたんだよ?」
「先生、うちの学校、何やったって いつもこれなんだよ!負けてばっかり。どうせ何やっても同じだよ」と。

 この言葉には愕然とした。
 子供たちには、この「負け犬」の精神が染み渡っていた。
  ★
 2年目から、校長に許可をもらい、特別の陸上クラブを作った。
 5,6年生。
 夏休みなどに練習をさせ、横浜市の陸上大会へ連れて行った。
 徐々に実績をあげることができた。

 5年生の1人の男の子が神奈川県の大会で100mで優勝したり、6年生の女の子が、神奈川県代表で全国大会へ出場したり、あるいは横浜市全体の大会で、女子400mリレーで2位になったりするようになった。

 また、区のクロスカントリー大会(1年から6年まで)には100名以上の参加があり、3位内のメダルを20名以上ももらってくるという快挙も出てきた。

 必ず朝会で、みんなの前で校長から賞状やメダルを授与してもらった。

 このことで、子供たちは変わった。
「おいおい、オレたちの学校はすごいなあ。こんなにすごい子供がいるんだ!」ということになった。
 もう「どうせ~~~」という言葉は聞かれなくなった。

 自分の学校を誇りに思えることが出てきたのである。
 「自慢づくり」と、私は言っている。
 
 O小学校は、2年ぐらいですっかり落ち着いていった。
 先生たち一丸になっての取り組みで、どのクラスも落ち着いた学習活動ができるようになったのである。
  ★
 その中で、やはり「自慢づくり」が果たした役割は大きかったのではないかと、私は思っている。

 自分の学校に、自分のクラスに、自分に、自慢できることがあるということ。
 この「教育効果」は私たちが考えているよりもずっと大きい。

 子供たちが誇れるものが、学校に、クラスに、あるだろうか?
 あまり意識していないのではないか。

 なかったら意識して作ることである。
 そして、これが「すごい!すごいよ!」と何度も何度も子供たちに訴える。
 「自慢づくり」なのである。
 子供たちに、その気になしていく。
  ★
 こんなことを富士山を見ながら考えてみた。
 
  
 


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つれづれなるままに~こんな大人数での講演~

  ●5月18日に静岡県の富士市に行く。
 静岡県の教育会館主催の講演会である。
 富士市の文化会館。

 富士市は、目の前に富士山がどんと聳えている。
 それだけでもびっくりする。
 毎日この富士山を見て生活している子供たちのことを思う。
 
 静岡は、組合や校長会などが合同で、このような研修会を開いているところであり、今回は富士市の先生たち全部が参加されているという。2000人ぐらいの数だと言われる。
 これにはびっくり。
 こんな大人数で講演をしたことがないのである。
 
 以前O小学校で同僚だった先生が結婚して富士市の教員になっていて、講演前に楽屋に挨拶に見える。うれしいこと。

 会場へ行くと、大ホールに先生たちがぎっしり。
 会場の遠くの先生たちの顔が見えない。
 これは、これは大変なことである。
 
 いつものようにやる以外にないのであるが……。
 90分、舞台をうろうろしながら話をする。
 
●翌日の19日も静岡の三島へ行く。
 今度は、静岡東部の初任者研修会になる。
 三島の市民文化会館。

 約200名の初任者への講演になる。
 いつもの調子でとんとんと話を進める。

 もう5月の中旬、クラスの状況はほぼ決まっている。
 にぎやかになり、荒れ出している初任者のクラスもあるはずである。
 
 でも、これから。
 9月まではクラスの回復の可能性は十分にある。

 どうすべきか。
 その処方箋を訴える。

●ある先生に、本を送ってもらった。
 その本には、次のような言葉が挟まれていた。
┌───────────────┐                  
│ しあわせになるれんしゅう    │                  
│                             │                  
│ こそだてはまつれんしゅう    │                  
│                             │                  
│ ふうふはゆるすれんしゅう    │                  
│                             │                  
│ じんせいはわらうれんしゅう  │                  
└───────────────┘                  
 
 これは良い。ぱくっちゃお~~(笑)。

 

 

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特別学習会のお知らせ

 主催者から教職員組合の学習会であるが、その他の方もぜひとも参加いただきたいという旨の連絡である。                                 
横浜市教職員組合 青年会主催         若年層組合員 特別学習会
                    
 全国を駆け回って若手教師を指導している学級経営、教科指導のプロ、野中信行先生をお迎えして、特別学習会を開催いたします。
「学級崩壊」を起こさない学級経営、授業方法をその道のプロが特別に伝授します。あなたのこれからの教師人生を支える大切なセミナーとなること間違いなしです。
1 日 時 平成28年6月4日(土)     13:15~16:45
                     受付開始 13:00       
2 会 場   水道会館 大会議室 横浜市保土ヶ谷区宮田町1-5-7
                (相鉄線 天王町駅下車 徒歩7分)
  
3 参加費  1,000円
         
          ※横浜市の新採用者は無料です。 
       ※2年目以降の職員も横浜市教職員組合員は無料です。
             
4 日 程
  
 13:00 受付開始
 
13:15~14:15  
    第1講座 学級を軌道に乗せる「学級づくり」の原理・原則を考える(野中)
                  
14:25~14:55 
      第2講座  新卒時代を生き抜く授業術 (井上)
 
  15:05~16:05
      第3講座    学級を回復させる処方箋を考える(野中)
      5分休憩           
16:10~16:40  質問コーナー                  
         
5 参加方法  
     「学級形成のプロに学ぶ 学級経営セミナー 」のページのURLからお申し込みください。
         
         http://kokucheese.com/event/index/390936/
 
 
  ※初任者指導担当などのベテランの先生方の参加もお待ちしております。 
う 

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業務連絡です!

    
 このたび、ビックローブのメールを閉じました。
 今まで連絡ありがとうございました。
 
 メールは今まで2つありましたので、もう一つの
 kazenifukarete………jp のメールを使います。
よろしくお願いします。  

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教師人生を生きるということ(1)

   親しい友人の1人である鈴木玄輝先生が、フェイスブックに以下のように書かれていた。
 ★ ★ ★
野中信行先生のブログ「風にふかれて」で、私のことを紹介していただきました。
横藤雅人先生の新著を読み、頭をガツンと揺さぶられた感覚を受けました。
それまでも、自分自身の教授行為の意味を客観的に見つめよう、とか、「在り方を意識しよう」とか、メタ認知しよう、とか、意識はしていたつもりでした。
しかし、意識止まりで、子どもや保護者、同僚たちに向けた「相手意識」、「相手目線」がとても希薄だったのだ、と痛感しました。
結局は、自分自身がそうはなりたくなかった「独善」に陥っていたのだと…。
横藤先生の本に出会って、本当によかったと思います。
「常識」、「当たり前」、「正しい手法」だと無意識に感じている自分自身の教授行為を、視点を、考え方を、一度疑ってかかり、壊し、再構築し続ける。それによって、自身の在り方は規定されていくのだと、最近つくづく思います。
 ★ ★ ★
                                 
 とても大事なことが書かれている。
 玄輝先生は、もう30歳を過ぎているであろう。
 
  ★
 初任である学校に配属になる。
 誰でもが経験することである。
 そこで教師としての、自分なりの力量を身につけていく。
 周りの先生に教えてもらうことが多い。
 指導教官の先生からも指導をされる。
  意欲的な教師は、本を読み、研究会へ参加し、更に力量をあげたいと願う。
 
 20代の頃は、「ものマネ」の時代。
 興味深い実践を教室で試し、寄せ集めて、蓄えていく。
 つまみ食い実践もする。
  そんなことを盛んにする時代である。
 ★
 20代の頃は、理不尽なことに耐えていかねばならない。辛いことがあり、苦しいことがある。
 まったく役に立たない仕事を強いられたり、そりが合わない人ともある場面付き合っていかねばならない。 
 こういうことを乗り切っていくことが、いずれ大きな力になる。 ダメ教師もしっかりと見ておかなくてはならない。
 だから、理不尽なことを経験するために給料をもらっていると割り切っておく方がいい。
 
 これが20代の頃の一般的な状況になる。
 ★
 そして、30代になっていく。
 
 世阿弥が「風姿花伝」で次のような意味のことを言っている。
「35歳になって、芸というものに目覚めなければ、いくら修業してもモノにならない。しかし、そこで目が開かれれば、自分の父(観阿弥)がそうであったように、老年になっても花が咲き、しかも、散ることがない」
                                                        
 室町時代の「35歳」というのが、今の時代で言えばどのくらいになるのか分からない。
 だが、35歳から40歳の前半にかけては、人生にとって大きな意味があることだけは確かである。
  ★
 その意味とは、何か。
 「今までの実践を捨て、さらに伸び上がっていく」時代である、と。
 
 この時に、20代の「ものマネ」の時代に身につけた実践を一度捨てなければならない。
 見よう見まねで作ってきた実践を、ふるいにかけ、壊していく。
 今までの自分の実践に固執しない。
 それが教師としての自分を更に成長させていく契機になる。
 世阿弥は、「芸に目覚める」という言葉で、このことを語っている。
 ★
 20代の「見よう見まね」で身につけた実践は、「偶然」の出会いによって得たモノにしか過ぎない。
 
 これを自分の実践の「必然」としていくには、一度捨てなければいけない(もちろん、引き続き続けていく実践もある)。
  ここがむずかしい。
 ほとんどの人は、若い頃に身につけた実践を、そのまま引き継いでいく。
 それが自分の力量だと思っている。
 私はそれは違うと考えている。
  ここで終わるならば、自分を更に成長させていくことはない。
  若い頃に身につけた実践は、ものマネの時代に仮に身につけたものにしか過ぎない。さまざまな人の助言や指導や、あるいは本などによって身につけた実践にしか過ぎない。
 ★
 20代の後半には、自分が得意なこと、苦手なことが分かってくる。そこから自分の軸となる専門性を見いだす。
 
 そこが自分の強みである。
 それをとことん深めていく。
 それが仮の実践から脱皮していく「必然」の実践の軸になっていく。
 ★
 芸事の修業に使われる「守破離」という考え方に似ている。  
 ウィキペディアには、次のように紹介されている。
 「まずは師匠に言われたこと、型を「守る」ところから修行が始まる。その後、その型を自分と照らし合わせて研究することにより、自分に合った、より良いと思われる型をつくることにより既存の型を「破る」。最終的には師匠の型、そして自分自身が造り出した型の上に立脚した個人は、自分自身と技についてよく理解しているため、型から自由になり、型から「離れ」て自在になることができる。」
      
  https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%88%E7%A0%B4%E9%9B%A2
 「守」が「ものマネ」実践である。
 しかし、いつまでもそれにこだわっていてはならない。
 「破」で「守」で身につけていたモノを一旦壊していかねばならない。そして、「離」へ行く。
 ★
 自分事について書いておきたい。
 
 私の30代には、法則化運動が起こった。
 私は、この運動の組織に直接関わることはなかったが、多大な影響を受けた。
 
 この運動で、私が20代で身につけていた民教連の実践(雑誌「ひと」の実践、数教協の「わかる算数」、仮説実験授業、歴教協の実践など)が問われた。 
  自分の実践がふるいにかけられ、ほとんどを壊していった。
 私の場合、20代の頃の「ものマネ」実践は、法則化運動という外部からの問いかけで揺さぶられ、ほとんどを捨てていく経験をした。
 しかし、この経験がなかったら、私の40代、50代はほんとにひどいものになったであろう。
  教師として続けられたのであろうか。それさえも危うかったと思われる。
 ★
 それから、その法則化運動で身につけた実践からも離れている。
 (もちろん、引き継いでいるものもあるが)
 40歳の半ばから50歳にかけて、「教師人生」を全うしていくには、もう一度問われることがある。
 管理職の道(行政の道を選んでいくのを含めて)を進んでいくか、あるいは現場教師を選んでいくかが問われる。
 管理職になっていくというのが、教師人生の自然の道である。
 
 私は現場教師を選んで、担任として退職を迎えた。
 今では数多くそんな先生たちに出会うことがある。
 
 しかし、見聞きするのは、50代の先生たちがばたばたと学級崩壊の憂き目にあっている事例である。しかも、その先生たちは今まで学校を背負ってきている力量のある先生たちなのである。
  
 今の子供たちと渡り合うことが、それほど過酷な仕事になっているのである。
  ★
 野村克也は、『野村ノート』(小学館)の中で、次のようなことを書いたことがある。
 ★ ★ ★
 よくピッチャーにこういうことを訊く。「どうして変化球を投げる必要があるのか?」「配球にヤマを張らせないように」と答える。球種を多くもつことで打者の狙いをぐらつかせる―確かにそれもある。だがいちばん大事なことを忘れている。変化球の必要性とは、スピード不足とコントロール不足を補うためである。
 ★ ★ ★
 野村は、その後に続けて、往年の名選手金田や稲尾や米田、皆川たちが、変化球を覚えることによって長生きをし、大記録を作った話題を書いている。
 ★
 「変化球を覚える」ということ。
 40歳の半ばから50歳代にかけて、教師人生にはもう一度変えなければいけないことがある。
 それが「変化球を覚える」ということだと思う。
 相変わらず今までの直球勝負でやっているから、うまくいかない。 今までの引き続きでやっていくなんて、もうできないのである。
  
 これから学校現場は、辛い冬の時代を過ごさなければいけない。 
だが、いつだって自分の「考え方」を問い直していくことによって生き抜いていくことはできるのである。 
                                                       
                                                       

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クラスが軌道に乗っているかどうか(4)~ハカセ方式~

  2年生の初任者のクラス。
 1年生の時、1クラスが学級崩壊になっていた。だから、その半分の子供たちがクラスにいた。
 
 落ち着かないやんちゃな男の子たちが5,6人。
 初任の先生(男性の先生)も、なかなか思うように子供が動かないので、ついつい叱ってしまうという毎日を過ごしていた。
 
 4月、5月のことである。
 叱ることでその場はなんとかなるのだが、また同じことの繰り返し。
  どうしたものだろうかということになった。
 ★
 低学年の子供たちは、そんなに複雑ではない。
 彼らは「その場、おもしろ、理想主義者」なのだと、私は名付けてきた。
 
 その場その場で生きている「その場主義者」であり、おもしろいことが何より好きな「おもしろ主義者」であり、「理想」の旗を振るとほとんどがそちらへなびいていく「理想主義者」なのである。

 だから、要するにこの3つで勝負をすれば、低学年の子供たちは担任についていく。
 ★
 初任の先生に提案したのは、「理想主義者」としての彼らの心情をターゲットにしようというものであった。

 「個人目標達成法」としての「○○ハカセ」方式である。
  むずかしくはない。

 今クラスで困っていることをいくつかあげて、それができた子供を「ハカセ」にしようという試み。

 早速その先生は、翌日「そうじハカセ」「聞きハカセ」「べんきょうハカセ」「きゅうしょくハカセ」「かたづけハカセ」の5つを作ってきた。
 子供が思うように動いてくれないところのハカセである。
 
 画用紙の上に「○○ハカセ」と書いてある。
 そして、下には学級名簿が貼ってある。                              
  「べんきょうハカセ」は、授業の始まりの時にちゃんと席について、机に教科書とノートと筆箱をそろえてあれば、「○○さん、とても良いですね。はい、勉強ハカセ1回!」と声をかける。

 声をかけられた子供は、鉛筆を持って学級名簿の貼ってあるところへ行き、1つだけ○をつけるのである。
  10コ○がつけば、「べんきょうハカセ」になる。

 「野中先生、授業中に立たせていかせるのはよいのでしょうか?」と初任者の先生は問いかけた。
 「先生、だから良いんです。良いことをした子供がみんなの前で歩いて行くのです。デモンストレーションをしているのですよ」と。

 ただし、「そうじハカセ」だけは、掃除が終わってから○をつけさせなくてはならない。
 ★
 初任の先生は、最初こんなことでうまく行くとはとても信じられなかったと思われる。半信半疑での実践。

 結果はどうなったか。
 ほぼ1ヶ月で、みごとにクラスは落ち着いた。
 校舎を回っている校長が驚いたほどである。

 要する「○○ハカセ」という理想を示して、担任が「すばらしい、いいね、よくがんばってるね」とフォローを繰り返したに過ぎない。 そのために、少しの時間はかかるが、クラスはみごとに変身した。
 
 あれほどちょろちょろしていたやんちゃたちも、きちんと席に着くようになったのである。
 今まで繰り返していた「叱る」ことをほとんど何もやらなくて、
「Aさん、良いですね。はい、『○○ハカセ』1回!」とやっただけ。
 これだけでぐんぐんクラスは落ち着いていったのである。
 ★
 これに気を良くした初任の先生は、後期には「音楽ハカセ」「しせいハカセ」「読書ハカセ」「ロッカーハカセ」「あいさつハカセ」「ぺろりハカセ」「しんせつハカセ」の7つを設定している。

 どうしてもこの「ハカセ方式」は、真面目な子供たちが中心になっていく。
 やんちゃな子供でも、がんばっていける「休みじかんハカセ」(外で元気に遊ぶ)「ぺろりハカセ」(給食を残さず食べる)なども入れるといい。

 素晴らしいクラスができあがった。
 3月の最後には、お楽しみ会でグループごとに自分たちでさまざまなダンスや演芸などを作り上げるまでに成長していた。
 ★
 この「ハカセ方式」は、個人目標達成法と名付けている。
 個人でがんばれば達成できる目標である。
 
 4年生ぐらいまでは通じる。
「ハカセ」を「名人」と変えればいい。
 
 「そんなものになってもたいしたことないや!」という声が出てきたら、この方式は続けられない。高学年では、こういう子供が何人か出てくる。

 低学年でこの方式が成功するのは、冒頭で書いたように理想主義者としての心情にターゲットを絞り、「ほめて、ほめて、ほめまくる」からである。

 こうしていつのまにか「学習規律」や「学級ルール」などを身につけていくことになる。
                                                     

                                                       
                                                       

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つれづれなるままに~今までの価値観がゆさぶられている~

  ●5月7日に、「味噌汁・ご飯」授業研究会を行った。
 私が最初に「『味噌汁・ご飯』授業の現在」、「算数の『味噌汁・ご飯」授業を提案する」の提案をした。
 
 それから2つの模擬授業(算数授業の例題指導)。
 教科書を使ったみごとな授業。
 「味噌汁・ご飯」授業では、このような授業を積み重ねれば確かな成果を上げていくはずである。

 文書提案は、以下の通り。
「特別支援の学級で算数の『味噌汁・ご飯』授業をした実践」
「どうして単元テストでクラス平均90点以上をあげるようになったか」
「学力テスト(横浜)を向上させた実践」
「最初の学習規律をどう身につけさせたか」
「N小学校における野中先生の授業を観て」という内容。
 
 刺激的で、充実した研究会であった。
 
●11年目と13年目の先生の話を聞いた。
 2人とも、Y市やK市の都市部での先生。
 同期全部が集まる研修会があったら、集まった人数は初任の頃の半分になっていたという話であった。
 
 いやいや、びっくり。
 2人とも30代の半ば。
 
 学校の中では、中堅で、中心を占めている存在であるはずだ。
  その年代がもう半分は辞職している。
 「おいおい、ほんとうかね!」とため息をつく。

 厚生労働省が昨年発表した資料によれば、3年未満の教師たちの辞職率が48.5%。
 2人に1人辞めている割合である。
 
 まさに、この数字を裏付ける話である。
 大変なことになっている。

 私は、「学校の終わり」現象が始まっていると言って顰蹙を買っているが、ほんとうにそうなっている。
 
 
●12日に、静岡県の掛川まで行く。
 静岡の初任者研修(静西地区)である。
 
 総合教育センターで180名の初任者に話をする。90分。
  大型連休で少しの休みが取れたのか、へとへとに疲れている表情はない。
 
 静岡は、全体的に子供たちは落ち着いている。
 だから、現在の時点でクラスが荒れているという事態はそんなに想定できない。
 それでもにぎやかになっているはずだ。
 これからなのだ。魔の6月がやってくる。

 これからどういう姿勢で「学級づくり」をしていくのかを話す。 来週は、静岡のもう一つの地区(静東地区)に行く。

●神田昌典さんの『2022ーこれから10年、活躍できる人の条件』(PHPビジネス新書)を読んでいたら、地震の話のことが出てきた。
  防災・危機管理の専門家 渡辺実先生の話が出ていた。
 2011年6月12日での話である。東北での大震災が起こった直後のことである。

 ・  今回の地震で、日本列島が東南東の方向に動きました。つま  り日本列島が傾いているのであり、それを補正するために、さ  らなる地震が起こるわけです。
 ・ なかでも首都圏については、立川断層帯の地震発生危険度が  増しました。立川断層は、東京都庁の下を通っています。 
 ・  列島全体が地震活性期に入っているので、いつ、どこで大規  模な震災が起こっても不思議ではありません。

 「地震活性期に入っているとすれば、いつごろまで注意すればい いんですか?」という問いに、
 渡辺先生は答える。
 「……少なくとも半世紀です。この活動期は、いまから振り返ると、阪神・淡路大震災からはじまったと考えられます。それが16年前ですから、あと最低34年は、見ていただかないと…」と。

 熊本地震は、こうして起こっている。

●玉置崇先生よりメールをもらう。
 岐阜聖徳大学教育学部の玉置崇ゼミ生(3年)の1人の発表である。
 玉置先生が出された課題は、『なぜ野中先生は「3・7・30の法則」を作ろうとされたのか』である。

http://www10.schoolweb.ne.jp/weblog/index.php?id=2190001&type=1&column_id=231782&category_id=1159

 玉置先生は、この大学で何かを始めようとされている。
 いずれその全貌が分かってくるのであろう。

●横藤雅人先生が「かくれたカリキュラム」で2冊目の本を出された。
 『管理職・主任のための「かくれたカリキュラム」発見・改善ガイド 』(明治図書 横藤雅人・武藤久慶著)である。

 この本を読んだ、山形の鈴木玄輝先生が感想をフェイスブックに載せていた(玄輝先生は、『新卒教師時代を生き抜く365日の戦略』5年生 の著者でもある)。

 「もう1冊。横藤先生の新著。
  頭を揺さぶられる思いで読み進みました。
  自分自身の「在り方」を、一旦疑い、壊し、再構築するとこ  ろからしか、進歩はないと悟りました」

 恐らく、この本を読まれたら、このような感覚になるのではないか。
 今まで私たちが持っていた価値観に揺さぶりをかけられている。

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クラスが軌道に乗っているかどうか(3)~目標達成法~

   初任者指導で見事に「学級づくり」を成功させた先生のルール作りは、「目標達成法」である。
 この方法を使ってクラスをまとめていった。
 
 その実践は、すでに『新卒教師時代を生き抜く学級づくり3原則』(明治図書)に明らかにしている。
 
 この「目標達成法」は、私が提唱したもの。
 この方法も、いくらか手直して進化させている。
  それを提案しておこう。
 ★
   「目標達成法」の進め方                   
  <ねらい>                                           
   ○ルールを作り、秩序ある、安心・安全なクラスを作り 
    上げる。                                          
  1 導入                                           
   黒板に画用紙に書いた1つの目標を貼り付ける。       
   ┌──────────────────────┐      
   │授業が始まったら(チャイムがなる場合は「チャ│      
   │イムがなったら」とする)、すぐに席につく。 │      
   └──────────────────────┘      
   そして、伝える。                                    
   「この目標がうまく守れていません。先生はすぐに勉強 
    を始めて、勉強の終わりもきちんと守りたいのです(趣
    旨説明)。そのために、この目標をぜひとも守れるよう
    になってほしいです。挑戦してみましょう!」(例)   
    このような話をして導入する。                        
                                                       
   (1)確認(チェック)                                 
   <低学年>                                          
    低学年は、2時間目から1時間ごとに確認する。      
      この確認がとても大切である。                     
                                                       
    2時間目が始まったら、                            
      ①この目標が守れた人は起立します。               
    ②人数を数える。                                 
    ③目標の紙の下に記入する。                        
          5/24 2時間目…○人             
    ④そして言う。                                    
   ┌───────────────────────┐    
   │2時間目で、もうこれだけの人数の人が目標を守れ│    
   │ました。いいですね。でも、おしいなあ。残念!ま│    
   │だ、何人か守れない人がいます。3時間目はがんば│    
   │ってほしいです。                             │    
   └───────────────────────┘    
    3時間目が始まったら                               
      ①②③を繰り返して、そして言う。                  
   ┌───────────────────────┐    
   │ 3時間目になったら、もっと増えました。       │    
   │ さすが、2年1組、すばらしい!                │    
   └───────────────────────┘    
     ┌─────────────────┐              
     │「おしい、残念」→「素晴らしい、さすが」│             
     │を繰り返す                        │             
     └─────────────────┘              
   このフォローは、福山憲市先生から学んだものである。 
   <中学年以上><中学校>                           
   ○朝の会で目標を確認し、終わりの会で目標チェックを 
    行う。挙手で確認をする。                         
   ○あとは、同じように行う。                         
                                                       
  (2)確認の終了                                       
   ○次のように話をしたらどうだろうか。               
  ┌──────────────────────┐       
  │ この目標は、このクラスの人が35人いますので │      
  │ 32人以上(人数は子供たちと確認すればいい) │      
  │できるようになったら合格というようにしましょ│      
  │う。何人かはうっかりする人がどうしてもいます│      
  │ので、全部できるまでというのは止めましょうね。│      
  └──────────────────────┘       
    ○合格になったら何かの印をつけるようにする。       
     (折り紙で花を作って貼るなど)                     
                                                       
  2 本格的に「目標達成法」を始める               
   最初、導入で1つか2つの目標が合格になったら、本格的
  な目標達成法を始めていく。                           
  (1)手順                                             
   ①朝の会で、日直が全員復唱させてその日の目標を      
    確認する。1つか2つの目標にする。               
   ②終わりの会で、再び日直が「目標確認をします。全員顔
    を伏せます」と指示をする。そこで、担任が「この目標
    ができなかった人は手を上げます」と指示。         
    できなかった人が、目標達成(32人以上)以内だったら
   「今日は達成しました。すばらしい、さすがです」と。 
   ※顔を伏せさせるのは、できない子供たちに挙手させるた
    めである。その場合、全員の前で「できない」という挙
    手はなかなかできない。できた子供を数えるのは時間が
    かかるので、そうしている。終わりの会を早く終わらせ
    る試みの1つである。                              
  (2)合格基準                                        
   クラスの状態に合わせて考えればいい。               
     例                                                
    1,2年生…1日か2日                              
    3,4年生…2日か3日                              
    5,6年生…4日か5日                              
      (中学校)                                        
  (3)どんな目標がいいのか                              
   どうしても必要になる目標から始めていけばいい。      
   たとえば、次のような目標があげられる。             
    ○当番の仕事を忘れずにしっかりやろう。             
   ○友達へのあいさつをしっかりやろう。               
   ○朝自習をおしゃべりしないでやろう。               
   ○机の中の整理整頓をきちんとしよう。               
   ○ロッカーの整理整頓をきちんとしよう。             
   ○名前を呼ばれたら、「はいっ」と返事をしよう。      
   ○手は天井につきささるようにあげよう。             
   ○給食を食べ終えたら55分までに片付けよう。         
                                             など      
   クラスがうまく軌道に乗っているどうかを測る目安は、次
  の目標が合格したときと判断すればいい。               
   ┌────────────────────┐          
   │○席をはなれるとき、きちんといすをいれる│         
   │ ようにしよう。                        │         
   └────────────────────┘          
  (4)目標選びで考えること                              
   教師の指導方針やクラスでどうしても徹底していないこ
  と、困っていることなどから目標を選んでくればいい。   
                                                       
   ①目標は、~しよう、~気をつけよう、~かたづけよう 
    などの表現をすればいい。教師が基本的には目標を作る。
   ②完璧主義(全員できるまで)にしないこと。         
   ③目標は、チェックできる数字やタイムなどが入ったもの
    がいい。                                          
  (5)ごほうび                                          
   この目標達成法は、掲げた目標(ほとんどルール)を数多
  く合格させることで子供たちの達成感や成功感を高めていく
  試みである。                                          
    小学校の場合は、「ごほうび」を用意すると子供たちは意
  欲的になる。                                          
   例                                                 
   ○5個合格したら、席替えにする。                   
    ○10個合格したら、「10個合格パーティをする」など   
  (6)目標選びで気をつけること                         
    目標を考えていくとき、次のような手順を踏む必要がある。
   ○目標づくりは、「個人達成目標」から「助け合い目標」
    の順番にする必要がある。「個人達成目標」は、個人で
    がんばれば達成できる目標、「助け合い目標」は、班の
    人たちやクラス全員で助け合わなければ達成できない目
    標である。                                       
    ○「助け合い目標」には、「班で協力して……」「みんな
    で協力して……」というような目標にすればいい。   
                                                       
      ・班で協力して、13時14分までにそうじを終わらせる   
    ようにしよう。                                    
    ・みんなで協力して、おおなわ大会で新記録を出そう。
                                                  など
                                                       
                                                       

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クラスが軌道に乗っているかどうか(2)~軌道に乗っていない原因~

  点検の結果はどうであっただろうか。
 これはあくまでも1つの目安である。
 
 順調に軌道に乗っていると判断できるならば、それはなによりのこと。継続して続けていけばいい。

 しかし、そうはいかない。
 うまくいっていないことが、数多く発生しているはずである。
 
 ・クラスがざわざわしていて、落ち着かない。
 ・もめごとばかりでその収拾に毎日追われる。
 ・2,3人のやんちゃにクラスがかき乱されている。
 ………
 
 その原因は、とりあえず次の2つのこと。
 ①クラスにきちんとした秩序が形成されていない。
 ②担任のリーダーシップがなく、やんちゃな子供たちにクラスの
  「空気」を握られてしまっている。
 ★
 ①については、ルールがクラスに息づいていないからである。ルールづくりに失敗しているのである。
 教室が「安心・安全な居場所」になっていない。

 ②については、担任としてクラスを経営していく手立てに失敗しているのである。
 若い先生たちは、「仲良し友達先生」になろうとする失敗が多い。
 また、ベテランの先生には、強引に縦糸を張りすぎることの失敗が多いのである。
 縦糸と横糸をバランス良く張っていくことができていないわけである。
 ★
 すぐに手立てを打っていかなくてはならない。
 まず、①への手立てをいかに打っていくかにかかっている。
 次回から初任者指導で成功した事例を報告したい。(続く)  

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クラスが軌道に乗っているかどうか(1)~点検をしよう~

  大型連休が終わり、学級も動き始めているはずである。
 軌道に乗っているであろうか。

 「1ヶ月が勝負だ!」と常々言ってきている。
 「学級づくり」の8割がこの1ヶ月で決まる。

 しかし、なかなか思うようにはいかなかった、と。
 そういうクラスも確かにあるであろう。

 前年度荒れていた学年を受け持った時、そうそうはうまくいかない。それが現実である。
  だが、それでも軌道に乗っているかどうかを判断しなければいけない。
 ★
 まず、2つの点検をしてもらいたい。

 1つ目は、3つの項目。
 これはクラス全体がまあまあ軌道に乗っているかどうかを把握する視点である。

 ①朝会や集会などで、きちんと並んで、おしゃべりをしないで。校長や係の人の話を静かに聞くことができるか。
 ②朝自習の10分間を、おしゃべりやうろうろしないで静かに集中できるか。
 ③靴箱が荒れていないか。

 クラスが荒れてくると、この3つがとたんに機能しなくなってくる項目である。

 次の項目は、担任の「縦糸・横糸」がうまく張れているかどうかの点検。10項目に絞っている。
 

 とても良い◎(10点)まあまあ○(5点)できていない×(0点)  をつけてほしい。

<縦糸張り>
 ①教師の指示に対して、すぐに子供たちは動き出しているか。
 ②廊下や朝会時に整列は静かにできているか。
 ③掃除や給食はすばやく落ち着いた動きができているか。
 ④教師が話すとき、子供たちは静かに教師の方を見て聞いているか。
 ⑤返事や挨拶は、歯切れが良いか。

<横糸張り>
 ⑥教師は、子供たちとよく遊んでいるか。
 ⑦子供たちは親しげにいろいろなことを話しかけてくるか。
 ⑧教室で笑いがおこることがよくあるか。
 ⑨教師は、進んで子供たちの良い点を伝えたり、ほめたりしているか。
 ⑩教師の話に、ほとんどの子供が明るい表情で耳を傾けているか。
 
 この点検の目安は次のようになる。

 70点以上…順調である。
 50点、60点… まあまあ。前年度荒れていた学年は、この程度になる。どこが問題なのかを見極める。
 50点以下…これからがんばりましょう。
                                                                      (続く)
 
      

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「日常授業」の改善(付け加え)~良い授業とは何か~

   フェイスブックに連載した「日常授業の改善」について以下のようなコメントがのった。ありがとうございます。
 「なにがいい授業なのか」ということがわかりにくくなっているというコメントである。
 なるほどなあ、というところである。
 
 自分がどのようなレベルの授業をしているのか、自分で判断できていない。
 ひどい授業をしているという自覚もない。
 だから、これではいけないという考えもないわけである。

  ★ ★ ★ 
研究授業か日常授業かということもありますが、「なにがいい授業なのか」ということがわかりにくくなっているのではないかと思います。「相変わらず初任者」のような授業をされている方にお話を聞いてみると、これでいけないと思っていないことが多いです。1時間のスタンダードが共有されている必要があると思いました。(例えば東京都なら、ちょっと「盛って」いますが、東京方式1単位時間の授業授業スタイルなどがあります)
  ★ ★ ★

 「初任者のような授業」というのを、私は次のような授業だと考えている。

 ①ずっとしゃべる授業をする(これを「おしゃべり授業」と名   付けている)。
 ②全員参加の授業にならない。特定の、いつもの子供の発言
  で済まされていく。傍観者が多い。
 ③子供たちが授業に集中していない。
 ④学力保障がほとんど考えられていない。 
  ★
 では、「良い授業」というのは、どういう授業なのか。
 上の「初任者のような授業」を超える授業と考えればいい。

 A 指導言(発問・指示・説明)が明快で、きちんと区別して
  発せられる。
 B 全員参加の授業。
 C 子供たちが授業に集中している。
 D 学力保障がきちんとなされている。

 まだ付け加えたい項目はもちろんある。
 しかし、そうなったら「あれも、これも」になってしまう。
 とりあえず、これでいいだろう。
 
 これは、「味噌汁・ご飯」授業の立場から選んだ視点である。
 あくまでも「日常授業」として必要な基本条件と考えてよい。 

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特別学習会セミナー~横浜市教職員組合青年会主催~

     横浜市教職員組合 青年会主催      若年層組合員 特別学習会

                    
 全国を駆け回って若手教師を指導している学級経営、教科指導のプロ、野中信行先生をお迎えして、特別学習会を開催いたします。
「学級崩壊」を起こさない学級経営、授業方法をその道のプロが特別に伝授します。あなたのこれからの教師人生を支える大切なセミナーとなること間違いなしです。

1 日 時 平成28年6月4日(土)     13:15~16:45
                     受付開始 13:00       

2 会 場   水道会館 大会議室 横浜市保土ヶ谷区宮田町1-5-7
                (相鉄線 天王町駅下車 徒歩7分)
  
3 参加費  1,000円
         
          ※横浜市の新採用者は無料です。 
       ※2年目以降の職員も横浜市教職員組合員は無料です。
             
4 日 程
  
 13:00 受付開始
 
13:15~14:15  
    第1講座 学級を軌道に乗せる「学級づくり」の原理・原則を考える(野中)
                  
14:25~14:55 
      第2講座  新卒時代を生き抜く授業術 (井上)
 
  15:05~16:05
      第3講座    学級を回復させる処方箋を考える(野中)

      5分休憩           
16:10~16:40  質問コーナー                  
5 参加方法  
     「学級形成のプロに学ぶ 学級経営セミナー 」のページのURLからお申し込みください。
         
         http://kokucheese.com/event/index/390936/

 
 
  ※初任者指導担当などのベテランの先生方の参加もお待ちしております。 

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早く気づかなければならない~荒れの基準~

   「魔の6月」と言われてきた。
 クラスがまず荒れるのは、決まってこの6月に起こるからである。
 
 でも、最近はそうでもない。
 もう4月の終わりにはクラスがおかしくなっていく。
 そんなクラスがある。
 よく耳にするようになった。

 忙しさに紛れていると、自分のクラスがどうなっているのかどうか判断していない。
 ただ、時間の流れに身を任せているだけのクラスはあるのである。

 特に、初任者のクラスは多い。
 判断の基準がないからである。
 
 早く気づかなければ、手立てが遅くなる。
 荒れまくってしまってから、手を打とうとしてもどうにもならない。
 
 これはクラスの担任だけの問題ではなく、学年主任や管理職などの課題でもある。
 ★
 そのクラスが荒れの兆候を示しているかどうか、判断する基準が必要である。

 その基準を、私の本で示している。
 ただ、2003年の本(『困難な現場を生き抜く教師の仕事術』学事出版)。もう13年前のもの。

 この基準が、現在の現場状況に合うのかどうか。
 それは確かめようがないが、とにかく示しておこう。

 <レベル1> ほころびの状態
 1 机を隣の子と話す。
 2 チャイムがなっても、学習の用意ができていない。
 3 ノートに落書きが目立つ。
 4 朝自習ができない。
 5 学級文庫や靴箱が乱れている。
 6 給食の残りが多い。

 <レベル2> すでに崩れかかっている状態
 1 1週間友だちから話しかけられない子がいる。
 2 朝礼時に遅れる子供が、3人以上いる。また、朝礼時に私語があったり、列が乱れたりしていることが多い。
 3 掃除をさぼるものが多く、教師がいない所では真面目に掃除をしない。
 4 教師の指示に対して、反応が遅く、行動がとても緩慢になる。
  5 教室にゴミが落ちていて、いかにも雑然としているのに誰も
   片付けようとしない。

 <レベル3> 荒れてしまっている状態
 1 特定の子に触れた後、○○菌と他の子にタッチを回すことが
   平気で行われる。
 2 集合時刻にすごく遅れても平気である。
 3 前に禁止したはずのルールが、いくつか破られる。
 4 授業中、私語が絶えず、指示が通らない。
 5 休み時間などに窓から物を次々と落とす。

 <レベル4> 騒乱状態
 1 特定の子へのいやがらせや命令が隠れたところでなく、白昼堂々と行われる。
 2 チャイムがなっても、外で平気で遊んでいる。
 3 誰が注意しても、冷笑、口答えが返ってくる。
 4 参観日でもぐちゃぐちゃで授業にならない。
 5 教室の備品が、次々に壊され、なくなったりする。  
 
  ★
 改めて書きながら、今でもそんなにはずしてはいないかなと思っている。

 今は、<レベル1>を気をつけなければいけない。
 もしかして、<レベル2>に進んでいる場合も考えられる。

 ★
 このようにクラスがなっている。
 そう思われるならば、早速連休明けから手を打つ必要がある。

 <レベル1>の段階で手を打てれば、クラスの回復は早い。
 <レベル2>に進むと、ちょっとやっかいになる。
 
 <レベル3>以上が学級崩壊と呼ばれる状態である。
  こうなると、なかなか立て直すことはむずかしくなる。

 さて、どうしていくか?
 このブログの4月に「1ヶ月が勝負だ!」(1)~(5)を書いている。
 これを読んでほしい。
 とりあえず、このことを5月から始めることである。

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「日常授業」の改善(4)~学力も上がらなかった~

  子供たちの学力も上がらなかった。

 これは当たり前。
  1,2時間の研究授業を精力的にこなしても、1000時間以上の「日常授業」がお粗末なのだから子供たちの学力があがるはずはない。

 それだけではない。
 10点、20点、30点を毎回テストで取っている低学力児は、そのままに放置されている。
 昔なら「落ちこぼれ」「落ちこぼし」として問題になさ、教師は何とかしようとがんばったものである。

 今は、ほとんど放置されている。
 忙しいのである。
 とてもそんな低学力児のめんどうまで見る余裕はない。

 「ぶっつけ本番授業」をやっていて、低学力児が50点、60点、70点を取れるようになるはずはない。
   ★
 福山憲市先生も、私も、今最も学校現場の授業研究で最も必要なのは「日常授業」の改善なのだと考えている意味が分かってもらえただろうか。

 私は、早くここに学校現場は気づかなければ、大変なことになると考えている。   
 このままでは、公教育の意味がまったくなくなっていく。
                                                                 (完)
 
 

 

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