初任者研修でこんなことを話しているのです!
●3月29日に、愛知県小牧市に初任者研修に行く。
赴任前研修。2時間20分、たっぷりと話す。
もうここで10年ばかりこのような研修を続けている。
この小牧市教育委員会が、赴任前研修の発祥だったと思われる。
今では、かなりの数の教育委員会が赴任前研修をやっている。
始めたのは、小牧である。
小牧は、ここで赴任する初任者が、私の講座を受けて、始まる前に1週間準備の時間がある。
この1週間は貴重である。
どんな準備をしなければいけないのか、私の講座で分かるからである。
だから、辞めていく先生たちがいない。
★
準備をする時間を取らせるというのが「赴任前研修」の趣旨。
何の準備をさせるのか。
「学級づくり」の準備である。
教室づくりから始まって、始業式前に終えておくべき課題がある。
たとえば、給食指導、掃除指導などの手順、段取りを準備するのである。そして、すぐに取り組めるようにする。
もたもたしない。
もたもたしたら、子供たちが足下を見る。
「初任の先生だから分かってねえんだな」と。
初任者は、どうしても子供たちから甘く見られる。
だから、そこを避けなければいけない。
「今度の初任の先生は、毅然としていて、したたかだ!」と子供が感じていくように振る舞わなければいけない。
そこがポイントなのだ。
●4月4日、福島県郡山に行く。
郡山教育委員会初任者研修である。
事前研修。
始業式前の研修になる。
ここも2時間、私が話をする。
私の話を受けて、始業式までに3日ほどの時間がある。
これも貴重な時間。
★
初任者としての振る舞いと覚悟を話す。
始まって1週間は、「値踏み」の時間である。
子供たちが、担任の先生を値踏みする時間。
「今度の先生はどの程度に教師らしさがあるのかな?」
「先生は、どんな時に叱るのかな?」
「給食はどうするのかな?」
「宿題はどうするのかな?」……
さまざまな値踏みを繰り返す。
だから、1週間で、担任は毅然とした、「したたかな教師らしさ」を示すことは大切なことである。
1週間が終わったら、「この教師はたいしたことがないや!」「自分よりも下だ!」「自分と対等だ!」と値踏みを決める。
そして、動き出すのである。
この印象をあとから覆すのは、大変困難なことになる。
★
やんちゃな子供たちは、担任との「権力争い」をする。
穏やかな言葉ではないが、ほんとうである。
これはささいな場面で起こる。
たとえば、担任が呼名をする。
そのとき、やんちゃがふざけた返事をする。
必ずする。
「○○さん」「は~~~~~い!」
「○○さん」「はあい~~~~!」と、ふざける(教室には笑いが起こる)。
そのときの担任の対応を見ている。
担任が笑って、「今度はちゃんと返事をしてくださいね」とでも返したら、「なんだ!今度の担任はたいしたことないや、甘いな!」とクラスのほとんどが判断する。
こんなささいな場面で「権力争い」をやんちゃはしかけるのである。
毅然として「返事は、『はいっ』と小さなつをつけて短く言います。もう一度言い直しなさい!」と指示をする。
もう1つ、これもざらにある「権力争い」がある。
教師が話をしている途中で、やんちゃが割り込んでくるのである。「先生、水飲んできていいですか?」
「先生、ノートを忘れたんですが、どうするんですか?」
「先生、トイレ行っていいですか?」
初任者は、この割り込みに丁寧に個々に答える。
それで話が中断するのである。
これもやんちゃたちの「権力争い」の1つ。
自分が担任の話を中断させて、行動を起こす。
その初めが、こういうことで始まるのである。
ここも毅然と対応する。
「今質問はしません。先生の話が分からなくなるからです。質問は最後にします」ときちんと対応する。
★
このように子供たちは担任の値踏みをして、自分のこれからの対応を決める。
子供たちは、こんなところでは残酷である。
先生の話をきちんと聞こうとする子供たちも確かにいるが、こうして「権力争い」をして自分が優位に立ちたいと思っているやんちゃもいるのである。
★
このような具体的な振る舞いと覚悟を教える。
やんちゃな子供たちとの「権力争い」は勝たなければいけない。
私は「縦糸を張る」と言っている。
教室をきちんとした「秩序」ある状態にしていくことが担任の使命であるからである。
この秩序ある状態にすることで、しっかりした学習が行えるわけである。
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