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もうそこまで追い込まれている!

  1月31日から北海道(札幌)へ行った。
 2月1日の研修会への講座のためである。
 

  北海道教育委員会は、文科省の委託を受けて「ジョブ・シャドーイング」の研究を続けていて、そのための講座である。
 初任者が学級を持たず、1年間主に副担任という形で初任者指導教師について研修を積み上げていくという研究である。
 

  今回の中教審では、この研究が認められて項目の中に加えられることになっている。
 ★
 初任者がすぐに担任を持たず、副担任として1年間を送るという形は主に中学校では実施されてきたのであろう。
 私は今の初任者を育てて行くにはきわめて現実的で、適切な方法であると思っている。
 

  しかし、小学校では、職員の数に余裕がなければとても実施はできない。北海道でも職員の加配をして、その研究をしている。
 ★
 私は、今現在各教育委員会で行われている初任者研修は、ほとんど実をあげていないと認識している。
 
 こういう認識を持つのは、厚生労働省が発表した「新卒3年未満辞職率」の数字が物語っている。

 平成24年の新卒3年未満の辞職率は以下のようになっている。

 ・1位…宿泊業・飲食サービス業→52.3%
 ・2位…生活関連サービス業・娯楽業→48.6%
 ・3位…教育・学習支援業→48.5%

 この「教育・学習支援業」というのは、小中の教員、塾講師なのである。
 この驚くべき数字は何を物語っているのか。
 要するに、3年目までに2人に1人が辞めている現況である。

 もちろん、初任者研修が主因であると言っているわけではない。
 膨大な仕事量と長時間の勤務時間と困難な学級経営などに問題があることははっきりしている。
 
 今教員は、日本のあらゆる職種の中で、2番目に睡眠が取れていない仕事であるし、長時間の仕事時間では1番なのである。(統計では平均がそのようになっている)
 ★
 初任者研修が実をあげていない原因は、4つあると私は思っている。
 1つは、初任者を教室から離しての研修が多すぎること。
 
 2つ目は、初任者が子供への対応を間違うこと。そのことを事前に誰も教えてあげないこと。
 
 3つ目は、初任者が勝負の1ヶ月目の学級づくりができないこと。
 そのことを事前に誰も教えてあげないこと。
 
 4つ目は、初任者指導教員が初任者に2つ目、3つ目の指導がきちんとできなくて、授業の指導ばかりに偏ること。  

 これすべて初任者の責任ではない。
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 関東、関西の都市圏では、大学出たての初任者がすぐにクラスを担任するのは、むずかしくなっていると私は認識している。
 いつ学級崩壊の憂き目を抱え込むか分からない状況になる。
 
 初任者に能力があるなしの問題ではない。初任者の力量では、変貌した生徒や変貌した親たちには対応できないのである。
 
 もうそこまで追い込まれている。
 読売新聞の朝刊(2/1号)の一面に、山崎正和という劇作家が「地球を読む」というコーナーで「義務教育の現状 教員の負担増 学校の危機」を書いていた。
  ★ ★ ★
 首相が「一億総活躍社会」を目指し、人材育成への期待が高まっている昨今だが、人づくりの基礎となる義務教育の現場が、いま危機に直面している事実は意外なほど知られていない。経済格差の拡大、家族関係の歪みなどによって、学齢以前の子供の基礎教育が疎かになっていることが原因である。
 貧困家庭や父子・母子家庭の増加に伴い、いわゆる要保護児童・生徒とそれに準ずる子供の数は、2012年度には6人に1人に達している。
 ★ ★ ★
 学校が大変なことになっているという事実は、山崎さんが書いている通り意外なほど知られていないのである。

 この現状で、教師の数を減らそうというのが財務省である。
 この現状で、どうしてPTAの大組織は騒がないのだろう。
 この現状で、どうして教職員組合は騒がないのだろう。

 このままでは、多くの教師が鬱病などで倒れていき、学校がほんとうに潰れていくのに、手を拱いている現状はどうしたことであろう。
 
    

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