名古屋いじめ自殺を受けて~ここはほんとうに「学校」だろうか~
名古屋の中1いじめ自殺は、新たな展開を見せている。
「いじめを直接見た」という生徒が20名、「本人から聞いたり、相談を受けていた」生徒が3名、「本人以外から聞いた」生徒が57名いた。
これはどういうことであろうか。
ところが、同校の常勤教職員への第1回目の聞き取りを終えた段階では、全員が「いじめを認識していなかった」と答えたという。
驚くべきことだ。
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先日の岩手県矢巾町のいじめ自殺で、明らかになったことは次のこと。
1 いじめを受けた生徒は、いじめ調査にきちんといじめの
事実を訴えていたこと。
2 その事実を担任は学校へきちんと報告していなかったこと。
3 担任は、加害者にも指導し、被害を受けた生徒にも相談に
乗り、対応はしていたこと。
その段階で、担任は自分の指導で何とか乗り切れると踏んでいた恐れがある。
4 町教育委員会は、いじめ0の目標を定め、取り組んでいたこと。
★
今回のいじめ自殺をした生徒は、この矢巾町のいじめ自殺を報道で確認していたと思われる。
そして、今回のことである。
学校や教師に対する信頼は、まったくない。
むしろ、彼らは無力であると見切っている。
今回明らかになったことは、次のことである。
1 学校は2ヶ月に1回。記名式のアンケートをいじめについて
とっていた。
いじめがある事実を記載したのに、対応できない学校があるというのに、記名式のアンケートにきちんと事実を記載する生徒などいるはずはないではないか。こんな常識的なことさえ、この学校は分かっていなかった。あきれるほどの鈍感さである。
2 この鈍感さゆえに、多くの生徒が見聞きしていた、いじめの事実を教職員の誰一人発見できない哀れさには言葉もない。
ここは、ほんとうに「学校」だろうか。
怒りを通り越して、哀れさを覚える。
★
いじめはなくならない。
「いじめ0」などという目標などを持って教育委員会は、絶対に取り組んではいけない。
いじめは必ず起こるものだということを前提に考えていくことである。
これほどいじめはだめだとキャンペーンが行われても一向にいじめは減らない。
はっきりしているのは、確信犯的に「いじめ」を起こす生徒がいるということである。
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日本全国で今まさに「いじめ」を受けている生徒への影響が心配である。
「いじめ」の問題がハードルを一段階上げて、さてどうするかということが大きく問われてくる。
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