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学力をどう向上させていくか(4)

   具体的に学力を上げていく手立てをどう取るか。
 この課題について考えていく前に、少し「学力」について整理しておきたい。
 文科省は、「確かな学力」として次のように答えている。
   ★ ★ ★
これからの子どもたちには、基礎的・基本的な「知識や技能」はもちろんですが、これに加えて、「学ぶ意欲」や「思考力・判断力・表現力など」を含めた幅広い学力を育てることが必要です。これを「確かな学力」といいます。
   ★ ★ ★
 要約すれば、次のこと。
 ①基礎的・基本的な「知識や技能」
 ②学ぶ意欲
 ③思考力・判断力・表現力など

 これに基づいて算数の学力目標は、次の4つになっていることは先に上げたとおりである。
 ①基礎的・基本的な知識・技能
 ②思考力
 ③表現力
 ④活用力

 ★
 こんなことはどの先生も一応概念的には知っていることである。
 ここからなのだ。
 この学力を、どのように具体化して「目標」にし、「授業」をし、そして一人一人の子供たちがどのように身に付けたかを「評価」するという「具体的なプロセス」がなければまさに絵に描いた餅にしか過ぎない。
 
 それを現場では研究をしているのだが、ほとんど成果はあがっていない。要するに、「学力」が上がらないのである。

 これについて「学び合い」の西川純先生の問題提起はとても納得するものであった。
 『学力向上テクニック入門』(明治図書)
 
 私は「味噌汁・ご飯」授業を提唱しているので、「学び合い」という手法はとらないが、ここで西川先生が主張される「学力論」はとてもうなづくものばかりであった。
 ★
 抽象的に設定されている「学力」を、具体的にどんな尺度で測定していくかということになる。
 抽象的な学力定義の段階では、子供たち一人一人に、この学力がどの程度に身についているかどうか判断できない。だから、どうしても具体的な定義が必要になる。
 
 ここで統計学などで用いられる「概念的定義」と「操作的定義」を導入する。

 〇概念的定義…抽象的な定義
 〇操作的定義…概念的に設定したものを測定可能なものに具体化する手段・手続き

 概念的定義は先に上げたとおり。
 ここで
「操作的定義」を導入するのである。
 多分、この考えは学校現場にはまったくなかった発想のはずである。
 
 この「操作的定義」を西川先生から教えてもらう。
 調べていくと、この「操作的定義」は、もともと物理学者のブリッジマンが提唱したものであり、これは心理学の領域などではもう普通に使われている定義だということが分かってくる。
 
 実際には、教育の分野でもこの「操作的定義」は使われている。 
 たとえば、「知能」という言葉ある。
  これは、次のように概念的定義は設定されている。
 ①抽象的思考力 ②学習能力 ③環境適応能力
 
 これを一人一人の子供たちがどの程度の身に付けているかを測定するためには、「操作的定義」の手続きを取る。
 つまり、知能の操作的定義は、「知能テスト」である。
 さまざまな知能テストがある。

 「体力」という概念的定義は、次のようになる。
 ★ ★ ★
 体力とは生命活動の基礎となる体を動かす力のことである。ほとんどの場合、体力とは筋力、心肺能力、運動能力などの総合的な身体能力のことを指す。
 ★ ★ ★
 この概念的定義で、「体力」の操作的定義は、「体力テスト」で測るということになっている。今では、日本全国の学校で「新体力テスト」を使って体力の測定がなされているはずである。

 知能も体力も、ほとんど問題にされることなく「操作的定義」が使われている。

 ★
 そうするならば、「学力」の概念的定義(知識技能、思考力、表現力、活用力など)を操作的定義で具体化すれば、どうなるのか。
 もうわかっていくはずである。
 
 「学力」の操作的定義は、「学力テスト」で測る。
 こうなるはずである。
 
 学力テストには、どんなものがあるか。
 ・単元テスト(業者テスト)
 ・標準学力テスト
 ・全国学力テスト(6年、中3)
 ・その他

 そうするならば、学校現場で日常的に使われている「学力テスト」は小学校では単元テスト(業者テスト)であり、中学校では自作テストである。
 これが、子どもたち一人一人の学力を具体化する「評価」方法である。 
 もちろん、測定できない学力もある。
 それは先述したはずである。
 ★
 私がまず第一段階としては可視化できる「見える学力」に拘った方がいいと言ったのは、こういう過程を経て発言しているのである。
 
 ただ、何度でも確認しておきたいのは、学校現場での「学力論」の本質は、一人一人の子供たちの学力を向上させていくことであること。
 測定することだけでは意味がない。
 30点や40点しか取れていない子供が、70点や80点を取れるようにすること。そのように向上的変容を作り上げていくこと。

 ここに教師の仕事の中心があるはずである。

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