どんな学力をあげたいのか?~また、また、北海道北見へ行きました~
北海道北見の大正小学校へ行く。
3週間続けて北海道を訪問している。とりあえずこれで1回目の訪問が終わった。
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女満別空港に下りたって、そのままH指導主事に北見まで連れて行ってもらう。約1時間。
ルートインのホテルで一泊。
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10日、北見の大正小学校を訪問する。
この学校は地域の学力向上支援事業推進校となっている。
そこで私を呼んでもらったことになる。
学校へ入ると、全体が整然と整っていることが分かる。それは見事である。
そのあと、授業を見させてもらう。
ここでも教室の掲示や整理・整頓は見事なもの。
学力向上へ向けてまず何をしていくのかという学校の方針が明確に伝わってくる。
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森信三先生は、『一語千鈞』(致知出版社)の中で次のように書いておられる。
時を守り/場を清め/礼を正す
これ現実界における再建の三大原理にして。
いかなる時・処にも当てはまるべし。
要するに、学校は決められた日課表を守り、きちんと学校の中を整理整頓し、そして返事や挨拶、言葉づかいなどをきちんとすれば改革の土台はできるのである。
教室でも同じ。
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5時間目、4年生のクラスで国語の詩の授業をする。
すばらしい子供たち。
授業をしながら、わくわくと気持ちが浮き立つ。
ひらがなを読むのが苦手なU君。
2行の詩を読む前に、「自信がないなあ~~」と呟く。
でも、まちがいながらも読む。
もう一度読ませる。
周りは笑わない。よくしつけられている。
授業の最初のU君の表情が、授業が進むにつれて晴れやかになる。 全員参加の授業なのである。
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講演で訴える。
毎日「ごちそう」授業 をすることはできない。
おもしろく、楽しい授業は毎日できない。当たり前である。
でも子供を集中させる「手応えのある授業」は「日常授業」の改善として挑戦しなければならない。
これは教師が『教師』として生き残っていくための最後の防護線であると、私は考えている。私は「味噌汁・ご飯」授業と名付けている。
どんなに忙しくても、どんなに疲れ果てても、どんなに追い込まれても、日常で「手応えのある授業」ができれば『教師』として生きられる。
そう私は確信している。
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とりあえず、そのためのポイント4つを提示している。
①全員参加の授業をすること。
②授業はアウトプットの活動を意識して入れなければいけない。
「指導言」(インプット)のあとにはすぐに「活動」(アウトプット)を入れること。
③フォローを数多く出せるようにすること。
④思い切って「一人研究授業」を始めること。
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大正小は、26年から27年にかけて見事に学力向上を果たしていた。算数では、ABともに全国平均を越え、国語ではAは平均程度、Bがまだまだである。
こんなことを短期間に成し遂げている。
可視化できる数字にもこだわるべきである、と私は言っている。
ただ、それだけに振り回されないことが大切である。
学校はどんな「学力」を上げたいのか。なぜか。それはどうすればいいのか。
先にあげたU君のような存在の「学力」を具体的にどのようにしてあげていくのか。
こういう問いかけをきちんとなすべきである。
私たちは、子供たちの「未来」に託して『教育』をなしているのだという志を忘れるべきではない。
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