大曲小学校が提起したもの(2)~「一人研究授業」の威力~
大曲小本を読んで、引き込まれるように読んでしまうのは、「一人研究授業」のところである。
これは、私たちがネーミングしたもの。
今までも多くの方が実際にやられていた方法である。
自分の授業を録音して聞くという、ただそれだけのことである。
これがなかなかできない。
やろうとしても、最初は15分ぐらいで録音を止めてしまう。
とても聞くにたえないもの。
どうしてこんな変な声だろうか!
どうしてこんな冷たく抑揚のない声だろうか!
…………
「味噌汁・ご飯」授業研究会は、これを研究方法としているのだが、誰でもが15分ぐらいで立ち止まってしまった。
しかし、これを子供たちは毎日5時間も、6時間も聞いている。
そのように思い直して、もう一度ボタンを押す。
最初は、ICレコーダーなどを使った録音が良い。
車の中でも、どこでも聞ける。
慣れてきたらビデオもいいが、いろんなものが映りすぎる。
★
初任者2人も、この「一人研究授業」に原稿を寄せている。
なかなかおもしろい。
この「一人研究授業」を積み重ねているはずである。
この威力は大変なものではないかと思ってみる。
廣田先生の「一人研究授業」の視点は3つ。
①余計な言葉を削り、短く適切に話しているか。
②机間巡視をして確認しているか。
③効果的なフォローができているか。
吉井先生の「一人研究授業」の視点も3つ。
①指導言(発問・指示・説明)の区別はできているか。
②言葉遣いは適切か。
③児童への関わり(目線・発言への対応・机間巡視)は適切か。
自分の学校の初任者をイメージしてもらいたい。
こんな視点を持って、「日常授業」に臨んでいるか。
初任者に、授業力をつけたいと思うならば、この「一人研究授業」をやらせていけばいい。
とにかく何回も何回も自分の授業を録音して聞かせる。
毎回簡単な感想を書かせる。
そのうちにねらいを持って取り組ませる。そして、結果を聞く。
1年間で、一人前の授業ができるように成長することは間違いない。
★
どうしてこの「一人研究授業」がそんなに効果があるのか。
自分の授業を「客観視」できるからである。
自分では、自分のやった授業はどんな授業なのかは把握していると思っている。
だが、現実は違う。
自分がイメージしている授業と、実際の授業は別物である。
思い込んでいるだけである。
思い込んでいるだけでは、自分の授業を改善することはできない。
一度冷静に客観視して、どこに問題があるかをチェックするのである。
★
初任者でなくていい。
大曲小の先生たちだって、中堅の先生も、ベテランも挑戦しているではないか。
初心に返って自分の授業から出直してみる。
そんな心意気があっていい。
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