縦糸・横糸を張るとは?~質問に答えて~
コメント欄に相談の事例が載っている。
早速TOSS超末端教師の先生から横レスを入れてもらっている。
いつもありがたい。
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教員1年目のkと申します。
色々な方がおっしゃる方法を実践してみていますが、周りの方がおっしゃってることが縦糸なのか横糸なのか、わからなくて困っています。
わからないままに動いているので、どう効果が出るのか仮説を立てることができず、研究出来ない状態です。
そうこうしてるうちに、夏休みに入り、二学期が始まろうとしています。
具体的にどういう行動が何糸なのか知りたいです。
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日々、K先生が「教師」として子供たちに「指導」されていることは「縦糸」を張られていると考えていいです。
その「指導」の有り様が問題です。
多くの初任者が失敗しているのは、「仲良し友だち」先生になっているためです。
「指導」するときには、友達に何か話しかけるような気持ちで接してはいけません。
毅然として「教師」としての立場で「指導」しなくてはならないわけです。
指導したことができていなければ、注意し、あるいは叱らなければいけない場面も出てきます。毅然とするわけです。
ポイントは、「指示」したことには、きちんと従わせていくこと。 そのためには、「指示」したことがちゃんとできているか「確認」をして、できていない子供には注意をして、従わせなくてはならないのです。
これらが「縦糸」を張ることです。
この「縦糸」がきちんと張られなければ、教室に「秩序」ができません。
教師が、リーダーシップを発揮して、この「秩序」を作り出し、保っていかなくてはなりません。
そうしなければ、教室が「安心・安全」な場を維持し、学習が成立する場所にならないからです。
だから当然、「教師」と「生徒」の距離が出てきます。上下の関係です。
距離がなければ「教育」はできません。
子供たちに近づけば近づくほど「教育」はできないと思わなければいけません。
その点で、子供たちと歳が近いという若い先生たちは、不利だと思っていなければいけないわけです。
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昔は、「縦糸を張る」ことだけで子供たちの関係は成り立っていきました。難しい仕事ではなかったのです。
ところが、今は成り立ちません。
今、ベテランの教師がことごとく戸惑っているのは、「縦糸の張りすぎ」で、一部の子供たちに反発されていることにあります。
「横糸」を張らなければいけません。
子供たちとの「心の通じ合い」をしなくてはならないのです。
教師の方から子供たちに近づいていって、ここでは友達みたいな関係で横糸を張ります。
子供たちと遊んだり、子供たちをほめたり、認めたりし、そして教室で互いに笑い合って、子供たちとの距離をぐっと近づけていきます。
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この縦糸と横糸をバランス良く張っていくことが、教師と生徒との「関係づくり」になります。
だから、「教師である」というのは、子供たちとの距離の取り方なのだということになります。
初任の先生はえてして最初から子供たちに寄っていって、この「横糸」だけを盛んに張ろうとして失敗します。
織物作りで、横糸だけを張ることを考えてみて下さい。
そのうちにがさっと崩れます。
織りなす縦糸を張っていないからです。
その現象が、「仲良し友だち」先生に起こるのです。
6月頃です。
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簡単に書きました。
詳しくは『必ずクラスがまとまるクラスの成功術!』(学陽書房)をぜひ読んで下さい。
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