毎日行っている授業を明日からすぐに「手応えのある授業」に変えていく方法教えます!
鳥取へ行った。
6月11日に1回目。今回の7月2日は、2回目になる。
ちょうど12時に鳥取空港へ着き、M小学校の校長先生に迎えにきてもらう。
まず、M小学校へ向かう。全校生徒27名。
一昨年、この小学校へきて、5年生に授業をしたことがある。
といっても、10名の子供たち。
今回は、公開授業研究会で、3年生のT先生の国語の授業。
7名の児童。
授業が終わって、先生たちで話し合い。
最後に、私が指導講評という形で締めくくる。
★
次に、私の講座になる。
45分。駆け足である。
45分で先生たちに何を伝えるか。
まず、最初に次のように伝えた。
「毎日行っている授業を明日からすぐに『手応えのある授業』に
変えていく方法 教えます!」
すかさず、次のように続ける。
「ほんとかな?
ほんとなら、もうとっくに明らかにされているはずだろう!」
私が今から伝えることは、次のこと。
「『すごい!』と賞賛される『ごちそう』授業ではない。
普通のいつもの授業をちょっとだけ変えていくだけです!」
そこで、「日常授業」の改善というテーマを出した。
★
今、多くの先生たちの普通の「日常授業」は、「ぶっつけ授業」になっている。
「ぶっつけ授業」というのは、その場で教材研究をしながら、その場で授業をするという授業。
教材研究といっても、単に指導書を見て、その通りに進める授業なのである。
要するに、「ぶっつけ本番」の授業。
初任者はとてもこんな授業はできないが、数年、教師をやっていると、ほとんど教材研究をしないままに、「ぶっつけ」になる。
最初は、「まずい!」と思っているが、慣れてくるとこれが当たり前になる。
誰も見ていない。
子供も文句は言わないからである。
確かに教材研究をする時間がない。
学校の仕事がある。事務作業もある。これは手を抜けない。
全体に関わってくるから。
手を抜くのは、授業。
まともに教材研究の時間が取れないのである。
しかし、しかしである。
学校できちんと教材研究の時間が保障されていけば、きちんと教材研究をする教師としての「姿勢」が残っていますか?
そのように先生たちに問いかけたい。
★
脱線をした。
私は先生たちに明日の授業からどのように変えていけばいいか、シンプルに4つ示した。
「これがきちんと実践できれば、必ず授業が変わります」
そして、最後に伝えた。
「明日、S小学校でこの原則を使って私が授業をします。
うそか?ほんとか?確かめに来て下さい」
★
その日、もう1つ 夜の7:30から9:00までの講座が控えていた。
教師と保護者合同の講演会。
テーマは、「今、学校で起こっていること。~いかに子供と関わるか~」。
170名近くの方々が参加されていた。教師と保護者、だいたい半々。
司会や講師紹介、最後のまとめなど全部PTA会長さんたちが担当されていた。びっくりするくらい若い会長さんたち。
ほんとうなら家庭で団らんの時間。
それをこうして参加されている。
責任重大である。
私の話は、きっと保護者の方にとっては初めて聞く、衝撃的なできごとだったかもしれない。
真剣に耳を傾けてもらった。
あっという間の90分。
ホテルに帰り着いたのは、10時頃。
忙しい一日であった。
★
朝、ホテルまでS小学校の教頭先生に迎えに来てもらう。
2時間目、初任のS先生のクラス(3年生)の授業。
事前に子供たちについての打ち合わせ。
5人のやんちゃな子供。
1人の緘黙に近い子供。
………
保護者会を3回行って話し合いをしていると校長先生から聞き、厳しいクラスだということが分かる。
初任の先生は、このやんちゃたちに対抗していくことは大変なことなのである。
★
教室へ行く。
多くの先生たちが教室に入っておられる。
子供たちにとっては、初めてのできごとで、緊張する時間。
「おはようございます。」と挨拶。
「自己紹介をしますね。野中先生です。横浜からきました」
「えっ~~~」という歓声。
「横浜を知っている人?」(多数の子供が手を挙げる)
「手の挙げ方がうまい人がいるね。すごい!天井に突き刺さるように上げるんですよ」(学習規律を教える)
「野中先生は、もなか先生と呼ばれていました。いやだったんです!」(いやな顔)(笑)
「『もなか先生、もなかアイスちょうだい』と言われていました」(子供の物まねで言う)(笑)
「野中先生は得意なことがあります。」
「ものまねです」
「このまえ、2年生にやったんですけど、だれも分かりませんでした。やってみますよ。『メエ~~~~』『メエ~~~~』これっ、何でしょう?」(「ひつじです」「ちがいます」「やぎです」「当たりです」)
「さすがに3年生ですね。分かりましたね」
「今度は、にわとりが鳴いて、最後に卵を産みます。卵を産む音がしますから、静かに聞きますよ。卵の産む音が聞こえたら、拍手です!」
「拍手の練習をしますよ」(3回練習をする)
「行きますよ。『コケコッコ~~~』『ポン!』」(大きな拍手が出る)
こんな調子で、まず緊張をやわらげる。
ポイントは、笑わせたり、手を挙げさせたり、拍手の練習をさせたりして、体を動かして緊張をやわらげるのである。
大切なことは、「インプット」の話を入れたら、すぐに「アウトプット」の活動をさせることである。
これで全体が締まってくる。
授業はとにかく楽しかった。
やんちゃな男の子が活躍する様子が全体の笑いを生み、笑って、集中して、そしてあっという間に1時間が終わった。
私の役割は、笑わせたり、フォローを入れたりすること。
★
隣のT小学校の校長先生は、多くの先生たちを引き連れて参観に見えていた。
その一人の先生に、「野中先生の授業はどうだった?」と聞かれた。
「きちんとしたクラスなんですね!」と。
その感想を聞かれたS小学校の校長先生は苦笑い。
日頃の初任の先生の悪戦苦闘と大変さを目にしているからである。
私が昨日約束した「『味噌汁・ご飯』授業の原則を使った授業」をしたのである。
分かってもらえたであろうか。
| 固定リンク
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 「自己流」で身に付けた力量で対応できなくなっている!(2019.03.16)
- 『教師1年目の教科書』が重版になる!(2019.03.13)
- 再び横浜野口塾のお知らせです(2019.03.10)
- つれづれなるままに~飛行機ができてきた~(2019.03.09)
- 『教師1年目の教科書』(学陽書房)が発売される(2019.03.05)
コメント