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岩手いじめ自殺事件(3)~学校の体質がこのような悲惨な形で露呈する~

 あのいじめ自殺事件があった大津の学校では、今各学校にクラス担任をしない「いじめ」専任の先生がおかれているとテレビは放映していた。
 

  その専任の先生が、月1回のいじめアンケートをして、それで各クラスに対応をお願いしている場面が放映されていた。
 これが大津のその後である。

 学校ぐるみの取り組みが始まっていることは確かである。
 しかし、先生たちの仕事は、それでまた倍加されたであろう。
 ★
 岩手の担任の先生は、村松君のSOSの問いかけに、個人的な対応で済ませている。
 それで何とかなると思っていたと推測される。
 
 学年段階では、きっと相談があったと思われるが、学年がチームとして動いた形跡は、今のところ明らかにされていない。
 チームとして動いていくためには、管理職段階に報告されていくということであるが、それはなされていない。
 
 だから、あくまでも担任段階で「がんばってみます!」ということで済まされていったのであろう。
 ここが今回の最大の致命的問題である。

 ★
 この学校では、いじめの事実があれば、管理職に報告し、学校全体で動いていくという、一応のシステムは確立されていたようであるが、それがまったく機能していない。
 だから、「いじめ0」なのである。

 中2の他の女生徒も、いじめで不登校になっているが、その事実も教育委員会に報告されていない。
  学校の隠蔽体質は、相変わらず続いている。

 そのために、文科省で毎年集計される「いじめの数」はきわめていい加減である。実際は、その数倍になるはずである。

  ★
 大津のいじめ自殺事件は、ひどい「いじめ」に学校がほとんどまともに対応しないものであった。

 しかし、今回の岩手のいじめ自殺事件は、普通の学校で、普通に起こっている「いじめ」(こういう言い方はおかしいのだが)<これから実際の実態が明らかにされるであろう)に、真面目で生徒思いの担任が対応したが、結果としてひどい事態を招いてしまったものである。
 
 担任には、何とかなるというもくろみがあったのであろうか。
 この学校に、いじめ防止システムがきちんと機能していれば、担任は、管理職に問題を訴え、学校全体の問題として対応できたのかもしれない。
 「絶対にいじめを許さない」というシステムが機能していれば、村松君は自殺しなくて済んだかもしれない。
  ★
 それでは今の学校に「絶対にいじめを許さない」というシステムの構築を期待できるのか。
 私は懐疑的である。

 形式は整える。文科省や教育委員会に言われて、防止のシステムは整えるであろう。しかし、機能しない。
 実際に岩手の中学校はそうであった。
 日本全国の学校で、本気になって「いじめ防止システム」を機能させている学校は、一体どのくらいであろう。

 いじめはなくならない。
 学級崩壊をするクラスは、必ずひどい「いじめ」を併発する。
 「生徒」しない子供たちは、平気でいじめを起こす。
 
  この生徒たちに、学校は対応できない。

 ★
 これほど「いじめ」が大きな問題になっているのに、学校は対応できない。
 なぜか?

 このことの本質には、学校が抱えている体質がある。
 何度も繰り返すが、今、学校現場は、何が大事な問題で、何が軽く扱ってもいい問題かが分からなくなっている。
 
 それくらいに教師たちが疲弊している。
 だから、目の前の蠅を追っている。
 
 いじめも、部活指導も、生徒指導も、授業も、……全部「目の前の蠅」で対応はするが、それに深く突っ込んで対応はしない。全てが「雑務」化している。
 
 教師たちはそうせざるをえない。
 そうしないと日々を送ることができない。

  今回の岩手いじめ自殺事件は、学校が抱えている体質がこのような悲惨な形で露呈してしまったのである。

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