2年生の担任の先生、がんばってほしい!~ルールの確立を~
ブログのコメント欄に2年生の担任の先生が苦しんでいる状態が綴られている。
私の『必ずクラスを立て直す教師の回復術!』(学陽書房)を読んでおられる。
がんばってほしいと、強く願っている。
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5年前に担当した初任者のことを書いておきたい。
2年生担任の男性教師。
1年生のとき、1クラスが崩壊していたので、その初任のクラスにも5,6人のやんちゃが入っていた。
落ち着きがなく、ちょろちょろと動き回っていた。
一応、先生の叱責には反応して、その場は静かになるのだが、また同じ行動を取るのである。
だから、その先生はもぐら叩きの状態だったのである。
私は2ヶ月の間はその様子を見ていた。
「効果はありますか?」
「全然ありません。もぐら叩き状態です。何か手立てはありますか?」という問いかけに、「それはありますよ」と。
ここで「個人目標達成法」を紹介した。
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この初任の先生に、コメントできちんと真剣に「叱ること」を薦めた。まず、これができなければいけない。
しかし、「叱ること」だけで子供たちを動かしていくことはできない。とくに、2年生の子供たちは理想主義者だから、「ほめられること」に敏感である。「ほめられる」ことは、彼らの心根を揺さぶる。
そのために、「個人目標達成法」を薦める。
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このやり方は、そんなにむずかしいことではない。
まず、クラスで困っていることを5つ選び出す。
担当した初任の先生は、「話を聞くこと」「勉強の準備をして、きちんと先生の方を向いていること」「そうじ」「きゅうしょく」「かたづけ」の5つを選んだ。
そして、それぞれに「ハカセ」と命名する。
「べんきょうハカセ」「そうじハカセ」「聞きハカセ」「きゅうしょくハカセ」「かたづけハカセ」の5つ。
「べんきょうハカセ」は、授業の始まりに机の上に教科書、ノート、ふでばこがきちんと揃えてのせられていて、きちんと先生の方を向いていれば、「Aさん、すばらしい。べんきょうハカセ1回。」と宣言する。Aさんは、鉛筆をもって、後ろの方から〇をつけにいく。名簿が貼られている。そこの自分の名前のところに、1つ〇をつける。10個貯まったら「べんきょうハカセ」になるのである。
「先生、授業中にそんなことをやらせていいですか?」
「授業中だからいいのです。とにかくすぐ〇をつけにいかせることです」
ただし、「そうじハカセ」だけは、終わってから〇をつけさせる。
この5つだけを意識して、どんどん「〇〇さん、いいね。〇〇ハカセ1回!」と宣言すればいい。
しょっちゅう叱っていた●●くんたちは、どうするのか。
もちろん、してはいけないことをしているときは、叱る。
でも、てきとうにほっておく。
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1ヶ月でみごとにこのクラスは変わった。
校長先生が驚いたほどである。
あんなにちょろちょろしていた●●くんたちも、目立たなくなった。
それよりも何よりも「〇〇〇ハカセ」が目立つのである。
理想主義者たちは、クラスの良き目標に向かって歩いたのである。
このハカセは、クラスの中にきちんとした「ルール」を作っていることにもなる。
これは『新卒教師時代を生き抜く学級づくり3原則』(明治図書)p97の「3 『個人目標達成法』~北風方式を太陽方式にしよう(2年生の実践)」にくわしく書いている。参考にしてほしい。
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このハカセ方式は、4年生までに使えるもの。
3,4年生は、「ハカセ」ではなく「〇〇のプロ」とでも名付ければいい。
全学年が使えるものとしては、目標達成法を提唱しているが、この個人目標達成法はその低学年版になる。
(『授業力&学級経営力』6月号 明治図書に上澤篤司先生が目標達成法として個人目標達成法についても書いている。これもとても参考になる実践である。ぜひ読んでほしい。)
要するに、これで訴えたいことは、学級にきちんとしたルールを確立する方法になる。
このルールが曖昧なために、クラスが崩れていっている。
ルール確立は、必須の学級づくりなのである。
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