今までの指導は間違っていたのではないか~初任者の授業DVDを見て~
北海道の北広島市立大曲小学校から3人の先生の授業DVDが送られてきた。早速見てみた。
この学校は、私が提唱している「味噌汁・ご飯」授業を学校ぐるみで取り組んでいる。
初任のH先生の算数の授業を見る。1年生のクラス。
見ながら驚いた。
これが初任者の授業なのか?
初任者のレベルをはるかに超えている。
私は、初任者の授業を見るとき、次のような観点から見るようにしている。
①子供の前で自然に話したり、歩いたりしている。
②子供たちの顔を見て授業をしている。
③ノートを見ないで授業をしている。
④にこやかで、元気に授業ができている。
⑤テンポ良く進めている。
⑥発問・指示・説明が区別して明確になされている。
⑦指示が明確である。
⑧指示したことをきちんと確認している。
⑨子供の「活動」する時間がきちんと保障されている。
⑩子供たちをほめたり、認めたりすることができている。
もはや、H先生は、このような観点で見る必要がなくなっている。 どうして1年間(2月の授業)で、このように腕をあげてきたのか。
ここには、「味噌汁・ご飯」授業が大きく関わっているのではないか。
橫藤雅人校長は、次のように言われていた。
「このような実践が安定的に示せれば、『やっぱり味噌汁・ご飯授業のポイントは、的を射ているんですね。』と、誰の目にも明らかになることでしょう」と。
私も、そう思っている。
「味噌汁・ご飯」授業には、キーワードがある。
たとえば、「全員参加」、「フォロー」、「小刻み授業法」、「ユニット法(分割法)」、「ノート指導」、「学習規律」、「一人研究授業」など。
これらを自分の授業に繰り込んでいければ、安定的な授業が成立してくるはずである。
むずかしく考えることはない。
★
今まで初任者に教えていく「授業づくり」は、教材研究であり、発問計画であり、板書計画などであった。(もちろん、これらの指導も必要である。)
たとえば、分厚い指導案の作成をさせて、綿密な指導案の書き方などを指導している。初任者はものすごい時間をかけて作成する。
ところが、今一般的に使っている指導案なんて、研究授業用のものである。
「日常授業」では、指導案なんか作らない。いや、作れない。あのような指導案を作って、毎日の授業をやっている教師がどこにいるのか?いるはずがない。「日常授業」にはそぐわないからである。
だから、初任者に最初に教えていく「授業づくり」は、毎日の授業を乗り切っていく「基礎体力」的なものでなければならない。
今日も6時間、明日も6時間の授業をこなさなければいけない。
その基礎体力を養うためにはもっと違うキーワードが必要だったのである。
私たちは「味噌汁・ご飯」授業としてそのことを提起している。
★
大曲小でこのような初任者が育っている。
これはとてもうれしいことである。
7月には、この学校から「味噌汁・ご飯」授業本が出版される。
新しい問題提起がなされていくはずである。
楽しみに待ちたい。
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