質問に答える!~4分割法の指導~
ブログに次のような質問が出された。
★ ★ ★
はじめまして。今年で教師5年目です。
今、40人いる学級の担任をしています。
学力格差が大きく、内容の理解や定着に時間がかります。ここまで、格差が大きいクラスをもったのは初めてで、どう教えていったらよいのか、日々悩んでいます。
そんなとき、四段階指導法の内容を見て、やってみたいと思いました。
本時の学習が30分程度設定されていますが、なかなか30分では終わらない範囲もあると思います。どのように、学習計画をたてて、四段階指導法を取り入れているのか、可能であればその内容や指導法を詳しく教えていただきたいです。
また、この学習法で気をつけていることなどありましたら教えていただきたいです。よろしくお願いします。
投稿: みーすけ | 2015年5月26日 (火) 21時21分
★ ★ ★
この「4段階指導法」については、正式には「四分割算数指導法」としてネーミングしていた。
学力的に大変なクラスに適応すべき指導法である。
一応、雑誌にも発表している。もう10年以上前である。
(これについては、私の方にメールをいただければ添付で送ります。kazenifukarete●hkg.odn.ne.jp ●の中に@を入れて下さい)
さて、この「四分割算数指導法」である。
手順は、次の通り。
★ ★ ★
(1)計算タイム(5分)…百ます計算
(2)復習タイム(5分)…前時の練習問題から1,2題
(3)本時(30分)
(4)本時の練習タイム(5分)…スキルあるいはドリル
(1)計算タイム(5分)について
まず必需品は、ピピタイマー。時間にいい加減になると、この4分割法は実施できない。きちんと5分で終わらせる。
計算カード(タイムなどを記入するもの)を急いで配付し、計算は3分。答え合わせは1分。教師が答えを読み上げて、自分で○をつける。班長が回収して、カゴに入れる。隙間時間に教師が全部を点検し、ハンコを押す。どのくらいできているかの点検。
(2)前時の復習タイム(5分)について
私の場合は、1単元の教材研究の時に、すでに1枚ずつ復習プリントを作っておく。前時の練習問題を書いておく。それを配付。
時間は3分。教師が答えを読み上げて、自分で○をつける。
班長が回収して、カゴに入れる。隙間時間に教師が全部点検し、ハンコを押す。どのくらいできているかの点検。
私が担当した初任者は、前時の練習問題を黒板に書いて、ノートにやらせていた。答え合わせは、自分で○をつける。その場合、練習問題の数字は変えておかなければいけない。(前の方のノートにすでにやっていて、答えも書いてあるから)
(3)本時(30分)
30分しかない。問題解決学習はしない。この学習法は低学力の子供たちには不向き。
教科書を教える。順番通りにテンポ良く教える。
(4)本時の練習タイム(5分)
スキルあるいはドリルをすばやく配付。
3分で行う。
答え合わせは、教師が答えを言って〇をつける。
スキルは、隣と交換しておく。
あとの2分は、「1,2班持ってきなさい」…ということで持ってこさせて、点検しながら、ハンコを押す。カゴに入れる。後の子供たちは間違いを直す。
★ ★ ★
時間との勝負。1分たりとも無駄にできない。
私の場合、計算タイムカードも、復習タイムのカードも、スキルも、その時間か隙間時間に全部済ませた。
放課後にまで持ち越すことはなかった。
この繰り返しである。
計算力が飛躍的に伸びていく。
★
この計算タイムを最後の勤務校では、全校で行っていたので、
計算力がぐっとついてきた。
高学年でかけ算九九ができない子供たちがいなくなってきたのである。
それでも最初の1年目、2年目はそうはいかなかった。
私の場合は、特別な練習時間を使って克服していった。
繰り上がり・繰り下がり・かけ算九九などにつまづいている子供たちは、なかなかこの授業にもついてこれない場合がある。
その場合は、給食の配膳時間の10分間を使って、克服していったのである。
それについては、『新卒教師時代を生き抜く授業術』(明治図書)の第4章「つまづきのある子供に対処する!授業術6」を参考にしてほしい。これにくわしく書いておいた。
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