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2015年3月

第2回 なぜ「味噌汁・ご飯」授業なのか?

   第2回 なぜ「味噌汁・ご飯」授業なのか?
 「研究授業」を原点に戻って考え直そう!   

 第1回で「ごちそう」授業 と書いた。
 私たちはよく使うネーミングであるが、馴染みがないであろう。 私たちは、「多くの時間をかけて教材研究をし、分厚い指導案を作り、さまざまな準備をして臨む授業」という意味で使っている。決して否定的に使っているわけではない。1年に1,2回は挑戦した方がいいとも考えている。
 でも、今は「研究授業」として考えられていることがほとんどであろう。
ほとんどの先生は「研究授業」で、「ごちそう」授業 を作る。
 考えてみてほしい。
 日頃やってもいない「ごちそう」授業を研究授業として皆さんにみてもらい、それを互いに検討しあうということにどんな意義があるのであろうか。
 このことをじっくり考えてみてほしい。
 ここでは何のために「研究授業」を行うのかが問われる。
 日頃行っている「日常授業」を少しでも良くなしていく、そのためにどのような工夫が必要かを提起し、お互いに検討していく。
 今、一番求められていることは、そのこと。
 「研究授業」の出発点はそうあったはずである。ところが、今は、そんな意義が失われ、飾り立てた「ごちそう」授業を見せ合うという品評会みたいになってしまっている。
  おかしいと思わなければいけない。

 もう意味がない「研究授業」を止めようではないか。
 「研究授業」をするなら、今一度原点に戻って考え直そうではないか、そんな意味を「味噌汁・ご飯」授業では込めている。
  私がアドバイザーとして関わっている北海道教育委員会では、「学校力向上事業」の重点目標の1つとして「日常授業」の改善を唱っている。校内の重点研究として取り組むべき課題である。
 だから、北海道では、研究授業で「日常授業」の改善をテーマに取り組んでいる学校が数多くなっている。
 「味噌汁・ご飯」授業を追求テーマにしている学校もある。うれしいことである。
 この流れは、ますますこれから広がっていく。
 当たり前で、真っ当なテーマだからである。

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第1回 なぜ「味噌汁・ご飯」授業なのか?

 フェイスブックに「味噌汁・ご飯」授業研究会のコーナーがある。そこに「味噌汁・ご飯」授業についての連載を始めた。
 「味噌汁・ご飯」授業の全体像を改めて明らかにしていこうと考えている。
 ブログでも掲載していきます。

 第1回 なぜ、「味噌汁・ご飯」授業なのか?

 「味噌汁・ご飯」授業というのは、「日常授業」のネーミングである。食育と誤解されることがある。(笑)
 
 今、なぜこの「日常授業」を声高に主張しなければならないのか。
 1つ目は、学力向上のためである。
 私たちは、「ごちそう」授業(研究授業など)をどんなにがんばったとしても、所詮それは1,2時間のこと、問題は、日頃やっている「日常授業」を豊かに充実させていかなくては、子供たちの学力向上はありえないと考えている。
 これに否を唱える人はいない。誰でもが当たり前に納得される。 でも、ほとんどの先生方の「日常授業」は、そうなっていない。「ごちそう」授業 には力を尽くして取り組んでいくが、日頃の授業はテキトウに流している。カスカスの授業と言っていい。もはや「雑務」の1つにもなっている。
 忙しいのである。日頃の授業なんかに拘っている暇はない。他の仕事に忙殺されている現状がある。
 2つ目は、「日常授業」からの子供たちの逃走に立ち向かうため。
 これは深刻なこと。多くの先生たちがまだ気づかれていない。
 今、学級崩壊を起こしている先生方の授業は、あまりにもお粗末。共通の特徴がある。私たちは、「おしゃべり授業」と言っているが、とにかく1時間中しゃべりまくっている。
 今まで耐えていた子供たちの一部は公然と逃走している。おしゃべりをしたり、うろうろしたり、……。
  それを多くの先生たちは、子供たちの問題としてとらえている。確かに、そうなる原因は、「日常授業」の問題だけではないが、自分がやっている授業にもその原因の一端があることを自覚されていない。

 

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つれづれなるままに~良き新年度をむかえてもらいたい~

3月26日、愛知県あま市の美和文化会館へ行く。
  この地区での研修会である。
 

  会場に到着すると、あま市の松永教育長が出迎えにこられている。しばし、教育長とさまざまな話をする。
 

  研修会は、100名ほどの先生たち、教育委員の人たち。テーマは、「学級を軌道に乗せる学級経営のあり方」。
  熱心に聞いてもらえる。
 
●27日、愛知県小牧市に出かける。
 昼食は、小牧中学校の玉置崇校長と一緒。
 

  今年異動なので、さまざまな話になる。
 玉置校長は、校長としてどのように学校を変えていけばいいのか、みごとに1つの方向を提出されたのではないか。しみじみとそのように思う。
 ★
 急ぎ小牧市の来年度初任者研修会へ向かう。
 小牧市は、初任者の赴任前研修会を始めた先駆者である。
 

   この研修会を終えて、初任者の人たちは、10日間ほどの期間がある。十分に準備ができる。
 そのために赴任前研修を行っている。
 

  私が一番伝えたいことは、「4月の1ヶ月間をとにかく必死になって乗り切れ」というメッセージになる。
 

  会場は、初任者よりも他の先生たちが大勢。

●28日、横浜野口塾にでかける。
 久しぶりに野口芳宏先生にお会いする。
 

  相変わらずお元気で、野口節が炸裂。
 詩の模擬授業「うとてとこ」をされる。
 
この授業を知らない先生が多くいて、時代が変わったのだとしみじみ思う。
 

  今回の野口塾は、私のブログを見られて参加されている先生たちが多くおられて、うれしいことである。
 北海道、広島、岡山、大阪、三重、新潟などからの参加。
 

  どうぞ良き新年度を迎えてもらいたいものである。

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学級づくりは1ヶ月が勝負~意図的、計画的、継続的に進める~

  来週からずっと8連続で講座に出掛ける。 
 北は福島県郡山から西は兵庫県三木市。
 全部日帰りの講座。
 
 その中の2つは、初任者講座。3つは、横浜市の学校での講座。
 初年度の「学級づくり」に備えようというわけである。

 私は、「学級づくり」は、4月の1ヶ月間でほぼ8割方決まると言っている。
 中村健一先生は、10割。
 堀裕嗣先生は、中学校で9割方決まると言っている。

 要するに、それくらいにこの1ヶ月は決定的である。
 今でも呑気に、気楽に1ヶ月を送っていく教師がいるというのは信じられない気持ちになる。

 中村先生は、「死ぬ気でやれ!」と言っている。

 だが、この1ヶ月間で、何をするのかが分かっていなければ話にならないわけだが…。 

  ★
 この1ヶ月ですべきこと。
 私なら、「学級づくり3原則」と提唱している。
 
 「ひき算発想」で削って削って絞り込んだ原則。
 子供たちときちんとした関係を作り、教室の仕組みを作り、そして、教室にルールを定着させていくようにする。
 
 これだけである。
 これだけでも、1ヶ月の間は、1時間さえ無駄にはできない。

 これだけのことができれば、まず順調なスタートをきれる。
 大きなポイントは、子供たちとの「関係づくり」。
 これがほとんど決定的である。

 だから、この「関係づくり」の方法を講座で伝えに行く。
 実践できれば、必ず何とかなる。
  初任者だって何とかなる。実際に何とかなっている。
 ★
 今までと大きく違っているのは、どれだけ予防的な措置をとれるかどうかである。
 「学級づくり」を土台に据え付けること。
 その上に、「日常授業」、生徒指導、行事指導などを乗せていく。
 意図的、計画的、継続的に進めていくことである。
 

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「策略 ブラック学級づくり」(中村健一著 明治図書)を推薦する!

   Nakamurakenniti

   「よくぞ健一先生出したものだ!」と感心する。
 「はじめに」で「私は常に『策略』を巡らせて教育を行っている。『感情』の入る余地はない」と言い切っている。 実にさわやか。
 

  この「策略」も「戦場」も「武器」…も教育の世界には無縁の言葉だが、この本には盛んに出てくる。顔をしかめる教育者はいるであろう。
 でも、よく読んでほしい。これらの言葉が、「比喩」として使われているのである。
 

  現在の学校現場で起こっていることは、実にこの「比喩」が適切なことは分かる人には分かる。
 それをきれいな言葉で覆ってしまっても意味がない。
 ★
 今、学級崩壊などを起こしている先生たちは、この本を読んでどう感じられるのだろうか。
 「策略」というブラックのイメージで提出されている試みは実にまともな提起である。
 

  読んでみて、何の違和感もない。
 要するに、このくらいの「覚悟」がなければもうこれからは現場で生き抜いていくことはむずかしい。
 

  そのことを健一先生は、実に明快に、明らかにしたのである。

 ★ ★ ★
 現場は「超」具体的である。具体的に考え、具体的に「策略」を練る。そして、具体的に子どもたちと関わっていく。
 当たり前の話だ。目の前の子どもたちは抽象ではない。具体的な存在であるからだ。
 目の前の子どもたちをどうするか?具体的な「策略」を巡らせて取り組むことが大切である。
 ★ ★ ★

 この春休みに、じっくりとこの本を読んでこれからの学級への「策略」を巡らすべきである。 

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つれづれなるままに~春の始まる日~

●確定申告の時期。
 税務署のネットで確定申告をする。
 

  一日中、その作業に追われる。
 これをやり始めてもう3年目になるが、やっとネットでの申告に慣れてきた。

●T県のT市のT地区(4つの小学校)から平成27年度 の研究で、野中実践を中心にした研究をしたいというこ とで私の来訪を要請された。
 

  ありがたいことである。
 また、地方都市での、このような試み。驚くべきこと。
 

  1学校の取組ではなく、その地区全体での取組である。 かつてその地区の1つの学校で私が授業をし、講演をしたことでの縁である。

●また、右手が少し痛み出し、これは左手に続いて五十肩 になった恐れがある。
  急ぎ整形外科に行く。
 

「これは、また同じですね。生活習慣が問題です」と指摘される。
 そして、早めにヒアルロン酸の注射を打ってもらう。
 

  退職をしてから、基本的にデスクワークになってしまっているのが問題である。
 仕事が倍加している。それが最大の問題。

●隣の家の物置で野良猫が4匹の子供を産んだ。
 その子猫たち、ちょろちょろと動き回り、私の家にも顔を出す。
 

   隣の家で避妊手術をして、飼い猫同然に育てていかれる様子を見て、私の家でもかわいがる。
 1匹の三毛の子猫は、他の3匹に比べて何をするにもトロく、私たちは「トロ」という名前をつけてかわいがる。
 

  冬になり、娘が、その寒さに震える「トロ」のために玄関前に簡単な小屋を作ってやる。 
  今では女房が、せっせとゆたんぽを入れている。
 

  1匹の子猫が、私たちの日常を変えている。

●春が始まる。
 一斉に花が咲き始める。
 

  こんな時、いつも詩人長田弘の「春のはじまる日」を思いだす。(『人はかつて樹だった』みすず書房)

  春の始まる日

灰色の空を摑むように、/灰色の大きな欅の木が、
葉のない枝々を、投網のように
いっぱいに投げていた冬が、/その日、突然、終わった。
そして、空いっぱいに、/微かな緑の空気が、欅の枝々に
刺繍のようにまつわって広がっていた。
樹の下で、思わず、立ち止まって、
見上げると、やわらかな
春の気配が、一度に、/明るい雨のように降ってきた。
幻の人は、そこにいた。
黙って、春の空を見上げていた。
空を見上げている私に並んで、
そのまま、ずっと立っていた。
時間は、/ゆっくりと、/過ぎていった。
幸福は何だと思うか?
いつの年も、春のはじまる日だ、
傍らに、幻の人がいると感じるのは。
わたしは一人ではないと感じるのは。

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野口塾の開催~今年も横浜で開催される~

  野口塾の開催~今年も横浜で開催される~

 今年も横浜で野口塾が開催されます。
 主催しているのは、私が最後に勤務していた大池小学校の先生たちが中心です。
 
 野口先生も、相変わらずお元気です。
  私もいつものように1講座だけ持たせてもらいます。
 平成27年度の「1週間のシナリオ」を作成しました。
 参加される先生に贈呈します。
 これは初任者用に作ったものだが、十分他の先生方にも通用します。
 みなさん、どうぞおいでください。
 
 ※3月8日以前に申し込まれた方の懇親会の参加、不参加が分かっていません。
  8日以前に申し込まれた方は、masaichi@r3.dion.ne.jp  井上まで連絡をしていただけるように書いていただけますと助かります。

「第139回 授業道場 野口塾 IN横浜 」

1 期 日 平成27年3月28日(土)   
            10:10~17:00

2 会 場 横浜市教育会館  横浜市西区紅葉ヶ丘53

      JR桜木町駅徒歩10分

            市営地下鉄桜木町駅徒歩10分

         京急線日ノ出町駅10分

横浜駅東口バス乗り場 B階段 7番から103系統のバスに乗車 「戸部一丁目」下車 徒歩1分

3 参加費 5,000円    学生2,500円

4 定 員 50名

5 日 程

   9:40 受付開始

  10:00~11:40 第一講座 「物語文指導のポイントはこれだ」

   10:10~10:25   地元教師による「海の命」の模擬授業

   10:25~10:30   野口先生による指導・講評   
  10:30~10:45  野口先生による「海の命」の模擬授業

           5分休憩

  10:50~11:50    野口先生による説明文の指導法についてのご講演

  11:40~12:40  昼食休憩・書籍販売

    12:40~12:50        PRタイム

12:50~14:30 第二講座 「詩の指導のポイントはこれだ」

   13:00~13:15     地元教師による「谷川俊太郎の詩」の模擬授業

   13:15~13:20    野口先生による指導・講評

   13:20~13:35     野口先生による「谷川俊太郎の詩」の模擬授業

           5分休憩

    13:40~14:40    野口先生による詩の指導法についてのご講演

          10分休憩・書籍販売

14:40~15:40  第三講座  野中信行先生の学級経営講座 

       10分休憩・書籍販売

  15:50~16:30 第四講座  野口先生の教養講座 
  16:30~ 17:00  交流会

   17:30~19:30 懇親会(希望者) 

6 申込方法

 「第139回 授業道場 野口塾 IN横浜 」のページのURLからお申し込みください。

http://kokucheese.com/event/index/263627/

 

 

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「日常授業の改善」の本が出版された!~春日井市立出川小学校の実践~

   春日井市立出川小学校から、『学習規律の徹底とICTの有効活用~わかりやすい授業の実現をめざして』(教育同人社)という本が出版された。

 監修が、東北大学の堀田龍也先生。
 ICT教育では第一人者である。

 この本はいわゆる「日常授業の改善」をICTを活用して実現したものだということが言える。

 堀田先生は、「はじめに」で「出川小学校の実践を支えた思想」を書かれている。

 5つ。
 簡略して記せば、次のようになる。
 
 

  1つ目は、日々の授業そのものを研究対象にしているということ。
 

  2つ目は、学校中で学習規律を整えることを第一歩に選んでいること。
 

  3つ目は、ICT活用を成功させる方法として、教科書重視の教材研究を選んでいること。
 

  4つ目は、公開研ではなく、公開校内研を行うということ。
 

  5つ目は、公開校内研の際の授業公開数が多いということ。

  1つ目について、堀田先生は次のように書かれている。

 ★ ★ ★
 まず一つ目は、日々の授業そのものを研究対象にしているということです。当たり前のように聞こえるかも知れません。しかし一般には、研究授業となると、普段よりはるかに深く教材研究をして、パワーポイントでスライドを作り込み、やたらと授業中に黒板に貼紙をし、普段はあまり行わない学習活動を行うものです。児童は、今日の先生がいつもと違うように見え、学習も何だかぎこちなく行われます。出川小学校では、こういう研究授業は行いません。普段の授業の形態をそのまま見せることにこだわります。普段の授業に対して相互に確認し、普段の授業をよくしようというのがこだわりなのです。
 ★ ★ ★

 私が提唱している「味噌汁・ご飯」授業とほぼ同じ趣旨である。
  ここには、「授業研究」の研究対象が「ごちそう」授業 から「日常授業」にシフトしている様がよく分かる。

 子供たちの学力向上をほんとうに望むならば、必ずこのように変わらなければいけない。
 それは当たり前のことなのである。

  考えてみてほしい。
 日頃やっていない、さまざまに飾り付けた「研究授業」を皆さんに見てもらい、それを検討しあうということにどんな意義があるのか。
 私たちは、こんな根本的な問いかけを今までスルーしてきているのである。

 ★
 堀田先生とは、昨年、橫藤雅人校長の大曲小学校で、一緒に講座を設けてもらったことがある。
 北海道教育委員会の「学校力向上」のアドバイザーを共に勤めている。
 
 

  道教委では、「学校力向上」の重点項目の中に、「日常授業」の改善を入れている。
 だから、すでに「日常授業の改善」をテーマに授業研究している学校は、かなりある。
 
 これから北海道発の「日常授業」改善の実践がさまざまに打ち出されてくることであろう。
 
 ★
 私は、「味噌汁・ご飯」授業本(明治図書)の「はじめに」に次のように書いた。

 ★ ★ ★
 時代の風が吹き始めている。
 今までこのような「日常授業」を真正面から「授業研究」としてターゲットにしてきたことはなかった。
 

  今まで研究授業として、「ごちそう」授業づくりに奔走してきた。「授業研究」と言えば、「ごちそう」授業づくりだったわけである。(もちろん、1年間に一度や二度「ごちそう」授業に挑戦することはぜひとも必要なことである)
 

  その取り組みが、崩壊していっている。おおげさな研究テーマや研究仮説にがんじがらめになって、ほとんどまともな研究成果を出せないでいる。
 

  時代の風が吹き始めている。
 「出発点に戻ろう」という風である。
 

  私たちは、「日常授業」を真正面に据えて「授業研究」を始めることを提案している。
 始まったばかりの研究であり、ささやかな提案でもある。でも、このシンプルな提案が多くの疲弊した現場を克服していく道筋になるのだと、私たちは信じている。
 ★ ★ ★

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本格的な学級経営論が出た!~大前暁政著「子供を自立に導く 学級経営ピラミッド」

   大前暁政さんが「子どもを自立へ導く 学級経営ピラミッド」(明治図書)を出版された。

 本格的な学級経営論である。

 ★
 大前さんが、小学校の教師から大学へ行かれたときに、「残念だな」と強く思った。30代の中盤での転身だったと思う。

 大前さんは、ほとんど講演などをしなくて、著作だけをコツコツと出版してくるという姿勢で過ごされていた。
 出されてくる著作は、一冊一冊が唸らせるもので、自分の道を突き進んでいると思わせるものであった。
 
 実践の蓄えがきちんとなされてあり、それがよくまとめられている。
 彼が出した理科のシリーズは、これからの理科教育を進めていくためには必ず目を通さなければいけないものではないだろうか。

 もう少し現場にこだわれなかったのかと強く思った。

 だが、今回の1冊は、大学人としてのものである。
 現場教師としては、とても書けないのかなと思う。

 学級経営について体系的に、理論的に、これほどまとめてられているのは目にしたことがない。(堀裕嗣さんの『学級経営10の原理100の原則』(学事出版)という体系的な本があるが、これはあくまでも実践書である)
 
 現場教師としての経験を踏まえて理論的に体系づけられている。
  大前さんの本としては読みにくいものであるが、理論的なことを意識したものなのでそうなっている。

 教員養成の大学では、「学級経営」はまだ学問としても認められていないという。
 教員になる免許のカリキュラムの中にもない。

  だが、学校現場では、このことを知らなくてはもはややっていけなくなっている現状がある。

 ★
 現場教師は、このような学級経営論を初めて目にするのではないか。
  
  ここから自分の学級経営を問い直し、形づくっていく、そんな一冊が登場したのである。

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中学校の先生、公務災害が認められる!

   中学校の先生(26歳)の死亡が、公務災害と認められ、認定された。

  ★ ★ ★
 2011年に26歳で亡くなった堺市立深井中学校の男性教諭について、地方公務員災害補償基金が公務災害による死亡と認定していたことがわかった。

 残業時間は国の過労死認定基準に達していなかったが、「自宅でも相当量の残業をしていた」と判断された。
 ★ ★ ★

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150303-00050074-yom-soci

  ★
 26歳での死亡。
 先生たちの仕事が激務になっている。

 このことをどうしていくか、が大きく問われる。

 学校で遅くまで残っている先生が増えている。
 9時、10時まではざらである。
 

  あるいは、もうホームレス状態になっている先生もいる。 必ず学校では、1人か2人はこういう先生がいる。

 私の知り合いの連れ合いの旦那は、しょっちゅう遅く帰宅し、通信表の時期になると午前4時頃帰ってきて、2時間ぐらい仮眠して、また学校へ出掛けるということを聞いたことがある。
  ちょっと信じられない話である。

 こうして遅くまで残っている教師たちを熱心な教師としてまだ推奨している校長がいるらしい。

 単に仕事が遅くて、けじめがないだけなのにである。
 
  学校全体がこういう風潮になるのをきちんとセーブしていくのは管理職の役目である。

 管理職が、きちんと注意し、遅くとも7時頃にはけじめをつけるようにするのは当たり前である。

 ★
 教師の仕事は限りがない。
 やろうと思えば、無尽蔵に湧き出てくる。
 
 

  反対に、きちんとやることを決めておけば、そんなにないのである。
 いつも場当たり的にやっていれば、次から次へと出てくることになる。
 初任者などは、ほとんどこの状態になる。

 1枚の学年通信、1枚の学級通信でも装丁を凝らせば2時間でも3時間でもかかる。
 こんな凝り方は絶対にすることではない。

 私がクラス担任をしている時には、学年通信の名前はNHKの連ドラの題名。
 歴代の連ドラの題名は、ほとんど使えた。
 

  今で言えば、「まっさん」。
 誰も文句は言わない。(笑)
 こんなことを一々考えることはない。

 提出文書も限りなく多い。
 あるところで1年間の提出文書を数えたら、前期だけで3000枚になった。
 一日当たり23,4枚。
 

  ほとんど副校長か教頭が行っている。
 ほんとうの仕事などまともにできるはずはない。

 でも、教師の方に回ってくる文書も限りなくある。
  文書提出が遅い先生(いつも期限を守らない)は、いつもあとで書こうとその場でしまい込んでしまう。
 

  だから、だめなのだ。
 

 こういう文書は、中身ではなくて、期限に全員集まればいいのである。
 だから、その場で書けるところだけをぱっ、ぱっ書いて、その場で提出する。20秒から30秒。

 最後の勤務校では、いつも私が一番提出が早かったので、使い捨ての封筒に名簿を張って、締め切りは〇/〇までと書いて、出勤簿の下に貼り出していく係が私だった。(ボランティア)
 

  出勤簿の下にいつも封筒が貼ってあるので、毎日その封筒を見ることになり、提出が遅れる人は少なくなった。
 
 こういう風に仕事を工夫していけば、だいたいの学校の雑務は早めにすんでしまう。
 
 

  あとの肝心の時間を「学級づくり」や「授業づくり」に回していくためである。
 

 ★
 さて、校務の軽減が問われる。

 岡山県教委が、「教師業務アシスタント」を置くというニュースが伝わってくる。

 http://www.sanyonews.jp/article/121110/1/?fb_ref=Default

 まずこんなことから始めることである。
 教師たちにとって、どれほど助かることか。

 今北海道の教育委員会で進めている「学校力向上の事業」もとても効果的である。
 アドバイザーとして関わって3年間が経つ。
 その事業校は、今年19校になっている。

 この事業校には、加配の先生が3,4人。事務職1人も加配。
  これだけで学校はがらりと変わる。
 余裕が出る。

 今の日本の学校で一番必要なのは、この加配である。
 そのことを痛切に感じる。

 私は、全国を巡りながら北海道の先生方に一番の可能性を感じる。
 それは、先生方の教え方が上手だからとか、うまく学級経営ができているということではない。
 
 

  先生たちが元気であるということ。
 これである。
 

  特に、この学校力の事業校は、若い先生たちの元気さが目立っている。
 先生たちが元気であることが、どれほど子供たちを活気づけていくか、それがよく分かる。

 3年間で延べ500人ぐらいの先生たちの授業を見せてもらった。
  きっとここから何かが生まれてくると、私は感じる。

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