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初任者には「1・3・1のハードル」がある~寝屋川の新規採用予定者研修~

   26日、大阪寝屋川市へ行く。
 新規採用予定者研修のための講座である。
 
 もう6年目になるのであろうか。この研修を続けている。
 今年は60名ほど。

 寝屋川は、赴任1ヶ月前にこうして研修を開く。
 私の話を2時間聞き、そして指導主事が手分けして、それぞれに個人面談を行う。

「野中先生の話を聞き、これから1ヶ月どのような準備をあなたはしてきますか?」という面談になる。
 寝屋川は、ここまで徹底する。
 
 

  おそらく、1ヶ月前にこのようなことを行う教育委員会は全国でも珍しいのではないだろうか。
 ここまでしていかなくては、初任者は、大変である。
 

  都市圏は、もはや初任者は初年度に担任を持てない状況に変わっていっていると、私は考えている。
 
 

  それでも寝屋川は、今年度の初任者で辞めていくものは1人もいなかった。担当の指導主事の先生のがんばりと各学校のがんばりは見事なものである。

 ★
 2,3日前に寝屋川で親しくしている校長さんから電話を受けていた。
「26日に野中先生が来られるということを聞いて、午前中に私の学校の初任者の授業を見ていただけないか。」ということ。
 

  5年生のクラスだが、厳しい状況が続いていて、これからのことも相談したいという話。

 それで、朝早くに新幹線に乗って、10時過ぎには寝屋川へ着く。

 とりあえず3時間目の専科の理科の授業を見る。
 理科室へ入っていくと、雰囲気はだらけている。

 一応席には付いているが、ほとんど視聴率三分の一ぐらい。
 「こりゃだめだ!」。
 

  4時間目は、初任者の国語授業が予定されているが、ほとんど視聴率ゼロになるであろうことが予想できた。

 そこで校長に提案。
 「私に授業させてもらえませんか。私の授業の様子を、校長先生や初任者、少人数指導の先生たちにも見てもらって、子供たちはどこに集中し、どこがだめなのか判断してもらいたい」と。

 こんなとき、「味噌汁・ご飯」授業が最適である。(笑)
 格別の「ごちそう」授業をしてもだめである。(もちろん、そんな授業はできないが…)
 「味噌汁・ご飯」授業は、たいしておもしろい授業でもないし、何も準備する必要もない。
  限りなく普通の授業になっていく。

 ★
 授業を始めた。
 5年生、40人もいる。
 やんちゃな男の子が目立つ。

 まず、人の音読や話を聞けない。
 興味があると、すぐに周りとしゃべり出す。
 
 

  それでもかまわずにどんどん書かせ、列指名でどんどん当てていく。
 テンポ良くいく。
 
 

  子供たちの発言、音読にフォローを入れて、ほめる。
 おもしろい発言は、「いいねえ~~。すばらしい」とフォローを入れる。

 良かったところもいくつかある。

 ・「5年生のスピードで黒板に書きます。先生が書き終  わって3秒経って『ハイ』と言いますから、書き終わ  って鉛筆を置くことができたら、合格です」と言って  書かせたら、ものすごく集中。
  書くということに対する抵抗はない。
 

  ・発表するとき、単語で発表していたので、「国語の勉  強だから、ちゃんと文で発表するようにしなさい。」  と注意したら、それ以降誰でもが文で発表できるよう  になる。修正能力は高い。

 このクラスは、そのまま6年生に持ち上がってもルールや学習規律がきちんと身についていけば何とかなっていくであろう。(初任者の持ち上がりはないであろうが…)

 講座の後、またその学校へ戻り、関係の先生たちといろいろと話し込む。
 要するに、40人という人数、やんちゃな男の子たち、こんな条件に初任者(女性)が対抗できなかったという結果である。
 

  それでも、あと3週間という期間まで初任者ががんばってきたという状況はたいしたものである。よくぞ凌いできた。
 ★
 講座の方は、2時間ぴったりで終わる。

 最近は場数を重ねてきた経験で、時間配分がうまくできるようになっている。

 初任者講座でも、何を伝えればいいかということが最近は分かってきた。 
  今までは「学級づくり」も「授業づくり」も、数多く盛り込みすぎていたが、最近は絞り込んでいる。

 初任者が失敗する2つのことを中心に絞り込んで重点的に話をすることである。
  このことがかなり効き目があることが分かってきた。

 ★
 最後に「1・3・1のハードル」の話をする。
 1年間の要になる「壁」(ハードル)のことである。

 最初の「1」は、最初の1ヶ月。
 「学級づくり」を決定していく1ヶ月。
  分刻みの1ヶ月でもある。
  初任者は、あまりの忙しさに自分が何をしているのか分からないようになる1ヶ月でもある。

 次の「3」は、3ヶ月。
 分岐点の3ヶ月。
 4,5,6月で学級を軌道に乗せられるか。あるいは、荒れていくか。
 これで決まる。

 そして、最後の「1」は、1年間のこと。
 とにかく1年間はしがみついても終えていく。

 2年目からは、見通しができて、少し楽になるものである。
 
 
 

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