子供たちにうまく伝わらない(2)~くりかえし話法~
前回、「子供たちにうまく伝わらない」ことを書いた。
すぐに「意味性のある言葉」を言って、子供の気持ちや言葉を受け止めようとしないところに原因があるのだと指摘した。
私は受け止めるためには、「くりかえし話法」を身に付けるべきだと考えている。
「くりかえし話法」とは、次のこと。
①まず、相手の話を聴く。
②相手の言葉を繰り返して返してやる。つとめて批判したり、自分の考えを
話したりしない。
2 成功した「高学年女子」への対応
次に、高学年教師(とくに男性教師)の最大の課題についてである。
私は、37年間の教師生活の中で、最後の10年以上はずっと高学年を持った。
その中で、やはり最大の課題は、高学年女子の対応をどうしていくかであった。
高学年女子は、いくつかのグループに分かれるのだが、そのグループの中で
仲間割れが起こる。
また、グループ同士のいさかいも起こる。
一人ぼっちの子供は、ともすれば無視などのいじめに合う。
さまざまなそれらの問題は、クラスの中で不協和音を起こしていく。
私は「包み込み法」という方法で対応して、成功したという事例を持っている。
どうするか。
これは第1段階と第2段階がある。
まず、第1段階は次のこと。
①日頃からどんなグループ形成をしているのかチェックしておくこと。
②特に、グループの中に入れない「ひとりぼっちの子供」には注意をするこ と。
休み時間に教室で本を読んでいる子供。図書室に行っていつも本を読んで いる子供。保健室に行ったり、職員室の前をウロウロしている子供。
こういう子供をマークする必要がある。
③おかしいなと思ったら、すぐに関係の子供を一人ずつ呼び出す。
ちゅうちょしない。
第2段階。
①「あなたのことが心配になったので…」と伝える。
②話を聴く。(絶対に批判などはしない。よく分かるよと伝える)
③話を受け止める。「あなたの味方だよ」と伝える。
④「でも、これから相手の子ともうまくやっていかなくてはならないでしょう。このままケンカ別れになっていたら、ずっと気まずいままですごさなくてはならないでしょう。あなたは、今回ちょっといけないなと思ったことはないですか?」
「それは、相手にも謝ることができますか?」
「それでは、私が間に入って今回のことは話をまとめるのでいいですね」
⑤双方を呼んで、話をつける。
ここでは、一切「意味性のある言葉」を使わない。
「くりかえし話法」を使いながら受け止めることが中心。
こういうことで、高学年女子の問題に対応してきた。
噂を聞いて、隣のクラスの女の子たちからも「相談に乗って下さい」と来るようにもなったのである。
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