なぜ、毎日授業をやっているのに授業がうまくならないのか?(1)
37年間、担任をもって教師をやってきた。
最近になって、その現役時代のことを振り返ることがよくある。
まず、授業のことについて少し考えたことを書いてみることにする。
多くの教師は、普通毎日5,6時間の授業を行っている。
これだけの授業を行っていて、どうして授業がうまくならないのか?
この問題である。
そんなことはない。
私はうまくなっているという教師もいるだろうけど、そんな人は例外である。
ほとんどうまくならない。
どうかすると、ベテランになるにつれて若い頃よりも授業が下手になる恐れがある。
若い頃には、エネルギーいっぱいの若さを授業にぶつけることができるが、ベテランになるにつれてだんだん勢いがなくなっていく。
だから、中堅やベテランの先生でも、初任の先生レベルの授業をする人も出てくる。
これはどうしてなんだろう?
他の職業ではとても考えられないことではないだろうか。
なぜ、毎日毎日授業をしているのに、授業がうまくならないのか。
これは考えてみれば、大きな問題である。
★
ある親しい知り合いの先生に聞いた。
「どうしてだろうか?」と。
次のように答えられた。
「授業で国語の学習させるとき、ある学年の説明文の授業では指導書に従って
授業をしていく。また、ある学年の説明文の授業では指導書に従って授業を
していく。毎年毎年、説明文の授業をしていく時は、ゼロスタートでそれぞ
れの単元にあわせて授業をする。物語文もまったく同じ。その都度物語文に
あわせて授業をするだけ。説明文は、このようにしていこうという基本型を
もっていない、物語はこのように授業をしていこうという基本型を持ってい
ない。だから、その都度、単元に合わせて授業をするだけ。その都度、ゼロ
スタート。積み重ねがないから、国語の授業がうまく教えられるようになら
ない。」
なるほど、なるほど。
まず分かったのは、次のこと。
①指導書に頼りっきりで、自分なりの基本型を持っていない。
大工さんが、いつも図面や制作本を見ながら家を作っていくみたいなものである。
そう言えば、ほとんどの先生たちが指導書を参考に教材研究をしている。
また、赤本の指導書を片手に授業をしている先生たちだっていっぱいいる。
このことを続けていて、自分なりの基本型を身につけることができないのである。
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