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「荒れる小学校」現象を考える!

   前回、文科省からの「問題行動調査」の結果について触れた。

 目立ったことは、「荒れる小学校」。
 校内暴力も、いじめも、不登校も増えているという結果である。

 ★
 具体的にどうなっているのか、都道府県別に調べてみた。

 <校内暴力>
  ワースト     
  1位 大阪   10.5(1000人あたりの発生件数)
 2位 神奈川  8.4
 3位 岐阜      8.3
 4位 京都   7.6
 5位 高知   7.3

 ベスト
 1位 山梨、山形   0.9
 2位 熊本      1.1
 3位 宮崎、秋田   1.2
  
 

 <いじめ>
 ワースト
 1位 京都    99.8
 2位 鹿児島   72.0
 3位 宮崎    71.5
 4位 宮城    69.4
 5位  千葉    31.2

 ベスト
  1位 福島     1.2
 2位 佐賀     2.3
 3位 香川、鳥取  2.4
 4位 福岡     2.6   

 

 <不登校>
 ワースト
 1位 大阪     31.8
 2位 沖縄     30.3
 3位 滋賀     25.8
 4位 宮城     22.7
 5位 千葉     21.5

 ベスト
 1位 山口     7.1
 2位 茨城     7.3
 3位 徳島     7.4
 4位 青森     8.3
 5位 山梨     8.4

 「いじめ」や「校内暴力」について、報告者がきちんと書かないことが起こる。
 かつての「いじめ」報告にもそういうことがあった。
 

  だから、ワーストに名前を連ねているところは、きちんと報告した結果とも言える。
 
 

  以上のことを勘案してそれぞれを見れば、大阪、京都(この数字は気になる)などが気になるところだが、あとはほとんど都市と地方の差はない。
 
 

  東北や北陸は、やはり落ち着いている。(宮城は、震災の影響があるのかもしれない) 「問題行動」は、関東より西の方に起こっている。

  ★
 「荒れる小学校」が問題になっている。
 しかし、今に始まったことではない。
 

  前回のブログで紹介したように、小学校は、1990年代から顕著になった「学級崩壊」が形を変えて広がっている。
 
 

  もう一度繰り返せば、1990年代に始まった「反抗型学級崩壊」、2000年冒頭から始まった「なれ合い型学級崩壊」、そして近年の「新しい学級崩壊」になる。
 
  反抗型やなれ合い型は、今でも続いている。
 
 

  学級崩壊になるパターンは、ほぼ同じ。

 A 一部のやんちゃな子供が問題行動を起こしてくる。

 B 担任は、注意し、叱り、あるいは怒鳴ったりするようになる。

 C 担任と一部のやんちゃたちと関係が悪くなる。やんちゃたちは反発を繰り返す。

 D だんだん、他の子供たちとも関係が悪くなり、クラスがスムーズに動かなくなる。

 E クラスの秩序が乱れて、毎日「いざこざ」が起き、学級が崩壊していく。

 AからEの段階の中で、どの段階が一番問題になるのであろうか。

  ★
 どのクラスでも、Aの段階がある。
 
 最初から目立っている2,3人の「超やんちゃな子供たち」がいる。
 その子供たちが、さまざまに「問題行動」を起こす。

 この時に、担任が「クラスの8割を味方にしている」ならば、その「問題行動」は打ち上げ花火で終わる。

 この時に、担任がクラスにスムーズに動いていく「仕組み」を作っていれば、その「問題行動」はスムーズな行動に打ち消されていく。

 この時に、担任と多くの子供たちとの間に「つながりの関係」ができはじめていれば、その「問題行動」は徐々にしぼんでいく。

 そうなのだ。A段階になる前にクラスでの準備が必要である。
 1ヶ月かかる。

 この準備をしていないならば、すぐさまB段階になって危機的な状態になる。

 ★
 「学級づくり」には、必要な原理・原則がある。
 それを踏まえてがんばれば、何とかなるのである。

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