財務省は、亡国の道筋をつけようとしている!
学級崩壊をしているクラスに、わが子が通っている母親からブログにコメントをもらい、やりとりをした。
2回目のコメントで、その学校の実情がはっきりした。
この学校は、制度不能の学校崩壊状態になっている。
・18学級中、7クラスが学級崩壊状態
・1年生で学級崩壊した担任が、2年生に持ち上がれないで5年生の担任(母親の子供の学級)をする。
この学年も4年生のときには、厳しい状態を続けていたのにである。
だから、この担任は4月段階で学級崩壊になる。
驚くことである。
おそらく、学校中が蜂の巣をつついた状態で騒乱状態になっていることであろう。
以前このブログで「学校の終わり」現象が始まると書いたが、まさにこのような形で始まっている。
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こんな時に、財務省が「40人学級へ戻る」という提言をなした。
もう皆さんはご存じの通りである。
自民党と話をつけて、この提言をなしているはずである。
理由がまた驚く。
35人にして、いじめも不登校も解消しなかったから、意味がないというもの。
財務省の官僚は、40人から35人にするときにいじめや不登校が、これで少なくなると思ったのであろうか。
笑止千万。
この措置は、学校現場の教師たちの大変さを少しでも減らそうというものにしか過ぎない。
それでも教師たちはどれほど助かるか。
いじめや不登校は、人数を減らすぐらいのことで少なくなることではない。
反対に小学校では増えているではないか。
教育を成り立たせている根本的なところの問題でこうなっているのであり、どんな手立てを打ってもすぐには解消できることではない。
どうしてこんな簡単なことが分からないのか。(分かっていても、また復活する理由が見つけられないので、こんな理由を挙げてきたのであろうか。)
諸外国は、ほとんどが20人程度のクラスである。
アメリカは、20人程度の人数を2人の教師で受け持つようになっていると聞いた。
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こんな時、静岡の川勝知事が良いことを言った。(「産経ニュース」による)
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川勝静岡県知事「60億円もかかる役に立たない学力テストに厳しい目を」と批判 財務省の40人学級復活方針に
財務省が公立小学校での40人学級の復活による財源捻出を提言したことを受け、静岡県の川勝平太知事は29日の定例会見で、国に先駆けて35人学級を推し進めてきたことを念頭に、「60億円もかかる役に立たない学力テスト(全国学力・学習状況調査)に財務省は厳しい目を」と述べ、教員の人件費よりも学力テストの実施費用を削減するべきだとの考えを示した。
川勝知事は「先生を大事にするということは、生徒を大事にすること。35人学級を全国に先駆けてやった自負もあり、何としてでも成功させる」と述べ、国が40人学級に戻しても「静岡式35人学級」を維持させる方針を明らかにした。
また、11月6日に下村博文文部科学相と直接意見交換を行うことについても言及し、「学力テストの件について、直接話せる機会ができたことを大変喜んでいる」と話した。
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私は学力テストが役に立たないとは思わない。
だが、毎年やるようなテストではない。
5年に1度でいい。
毎年やるために、多くの県が戦々恐々となって、過去問の練習や実力テストの練習を組織的に繰り返して、必死になって偏差値をあげている。
何とも醜い順位競争をし始めている。
これは、「教育」ではない。
こんなことは止めさせなくてはならない。
これに60億をかけているのである。
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公共投資も平気で行っている。
たとえば、長崎新幹線がいずれ開通する。
私は郷里が佐賀なので、さまざまな話を聞いた。
この新幹線を開通させることで、今までの特急が間引きになる。
佐賀の町長さんたちが大反対を繰り返した。
自分の町にとまっていた特急が、なくなるのである。
長崎は新幹線のために潤うが、佐賀は通り過ぎるだけのもの。
しかも、この新幹線は、博多~長崎間で特急より15分ぐらい短縮されるだけと聞いた。
この15分のために多くのお金を出していくのである。
こんなお金は出していく。
教育では、35人から40人にすることで、86億の金を削減する。
教育の現場が、疲弊し、瀕死の重傷に陥っているというのにこれをどうにかしようという発想がない。
まさに財務省は、こうして亡国の道筋をつけようとしている。
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