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絶対に、絶対に、絶対に、あと半年凌いでやる!

   ブログに次のようなコメントがつきました。
 これは大変です。

  ★ ★ ★
野中先生、こんにちは。毎回、先生のブログに励まされ、勇気づけられています。

自分は、今年度初の異動をし、異動先の学校で六年の担任をしています。人数は、38人です。

間もなく前期を終えるところなのですが、正直、学級経営が全く上手くいってません。学級崩壊状態といってもいいかもしれません。

授業中に勝手に立ち歩いたり、おしゃべりをしたりします。また、自分の指示もほとんど通りません。さらに、叱っても反抗されます。
ちなみに、相当心無い言葉をかけてきます。(うざい、キモイ、来ないではもちろん、私たちの税金もらってんだろや体罰で委員会に訴えてやる、などなどとにかくたくさんです)そして、立ち歩き授業をかき乱す男児は、何度か言葉で注意してもおさまらない時は、腕をつかんでやめさせようとするんですが、対教師暴力を振るってきたりもします。
2:6:2の法則が、0:3:7くらいになってしまっています。

半年間で色々な情報を知ったのですが、この学年は、4.5年の時に学級崩壊していたそうです。また、5年生の時には、担任が三回代わったそうです。はじめは、40代の臨任の男性が担任をしていたそうなのですが、6月頃に不慮の事故で亡くなったそうです。その後、副校長が数ヶ月担任をしました。子供との関係は、良好だったようですが今でも名前で呼び捨てにしています。そして、夏休み明けから全く経験のない臨任が半年くらい担任をしました。
もちろん、こういった原因もあろうかと思いますが、自分の力量不足もあると思います。

六年は、3クラスなのですが、自分のクラスと隣のクラスも似たような状況です。ただ、どのクラスも去年から持ち上がっている教務主任の先生の言うことだけは聞きます。逆に言うと、その先生以外の言うことは聞きません。なので、音楽や家庭科の授業も危機的状況です。

ここまでを振りかえって原因を探ってみると一つ目は、上手く横糸をはれなかったことにあると思います。二つ目は、様々な行事で六年生が学校を動かさないといけないのに自分が一年間を見通せなくて、ブレることがたくさんあったことで信頼感を失ってしまったことにもあったとおもいます。もちろん、授業力不足も原因の一つです。そして、一つ一つの事を徹底できていないことも原因でしょう。
自分は、野中先生の本やブログで知識はあったつもりでしたが、上手く実践できませんでした。改めて知識を実践する難しさを体感しました。

きっと、この状況を変える一番の方法は、力のある先生に担任を変えることなんでしょうが、まだまだ自分は、頑張ろうと思ってます。そこで、野中先生。

これから残り半年。どのように凌いでいくことがベターか教えてください。また、このように問題があるクラスの学級担任になった場合どんなことを大切にするか教えてください。

よろしくお願いいたします。(野中先生の本はほぼ購入しているので、この本のこれだけは、みたいなのがあればもう一度勉強し直します)


ちなみに、校長先生は、とても協力的です。9月後半からは、校長先生のアドバイスで学級通信を出すようにしています。通信では、少しでもよいところを見つけて書いたり、自分の学級経営の考え・授業の様子を書いたりしています。

一緒に組んでいる教務主任の先生は、一つ一つのことをどんなに時間がかかっても待ったほうが良いとアドバイスをしてくれました。

最後に、今回の異動で自分以外の同期の何人かも似たような(校内では誰ももちたくないような)クラスの担任となり、同じように悩み、苦しんでいます。

乱文乱筆、まとまらない文章ですみません。

投稿: ヨッシー | 2014年10月 4日 (土) 10時23分

 ★ ★ ★

 悪い条件が重なっています。

 ①異動してすぐに6年生担任。よほど注意をしないといけない。
  こんな人事をする学校は、だいたい学校がうまく行っていないからである。

 ②クラス人数が38人。一人一人を把握できない数である。

 ③4,5年の時、学級崩壊になり、担任も何人も替わっている。
  こんなクラスの子供たちは教師に対する不信感が大きい。

 このようなクラスを受け持つには、大変な力量が必要になります。
 ただ、救いになるのは、教務主任の先生だけは話を聞くということです。
 

 それはきちんとその先生とは、横糸で気持ちがつながっていて、信頼をしていることになります。
 だから、心のつながりができればうまくいく可能性があります。

 ★
 これから私なりに対応策を提起しますが、ヨッシー先生のクラスを見たわけではありません。
 半日でも見ることができれば、対応策はきちんと出せると思いますが、それができません。
 

 書かれてあることから推測しての対応策です。
 だから、あくまでも1つの参考案として考えて下さい。

 ただ、こういう場合注意しなければいけないことがあります。
 本を一生懸命読んで解決のヒントを得ようとします。

 その気持ちは大切ですが、本から得られる知識なんかたいしたことがありません。
 

 私の本をいっぱい読んでおられるヨッシー先生にこんなことを言うのは申し訳ないことですが、ほんとうのことです。
 
 もう先生は、知識としては十分に持っておられます。
 

 これから大切なことは、目の前の子供たちに対面してその時自分で選ぶベターな「行動」です。
 
 

 失敗もします。そしたらやめればいい。
 少しうまくいく。続けてやってみます。
 基本的なことは、子供たち一人一人との「心のつながり」です。
 
  ★
 「織物モデル」を提起した橫藤雅人先生は、こんな大変なクラスを受け持ったら、「縦糸:横糸」の比率を「2:8」として対応するように指摘しています。

 横糸を数多くしなければいけない。

 ところが、ヨッシー先生は普通に「縦糸」を張っていったことが予想されます。
  そして、一部のやんちゃな子供たちから反発されて、今の状態を迎えたのではないでしょうか。
 
 

 横糸が少なかったという反省もなされています。

 ★
 ヨッシー先生は言われています。

「きっと、この状況を変える一番の方法は、力のある先生に担任を変えることなんでしょうが、まだまだ自分は、頑張ろうと思ってます。そこで、野中先生。

これから残り半年。どのように凌いでいくことがベターか教えてください。また、このように問題があるクラスの学級担任になった場合どんなことを大切にするか教えてください。」

 
 何ともうれしい言葉です。
 まだまだめげていない。やろうとする気力十分だと判断します。
 この心意気があれば、絶対に凌いでいけるのです。

 ★
 私の本を読み返す必要はありません。
 ヨッシー先生はすでに対応できる知識や力は持っています。

 目の前の事態に、いま自分で一番最良の方法を選んで対応する。
 それは本の知識とは違う場合もあるのです。
 それでもやってみる。

 その場をとにかく乗り切っていくのです。
 肝は、彼等と通じ合えるかどうかです。
 ★
 心構えが必要になります。
 
 「戦場」へ赴くのです。(この言葉は、教育の場に不適当な言葉だが、あえて使う)
 決して安穏な子供たちではありません。
 
 そこへ赴くには、「戦略」と「戦術」が必要です。
  「戦略」は、2つばかり。

 ①彼等との「心の通じ合い」をできるだけ図る。
  一緒に遊んだり、ゲームをして笑ったり、そして、フォローを入れる。
 できるだけ「ありがとう」「いいね」などの言葉を言う。
 

 ②スムーズさを心がける。
  クラスではスピード感がなくなっているはずである。
  時間を守り、さまざまな活動がスムーズにいくことを最優先する。
  8割方を動かしていけばいい。何人かのやんちゃは、授業の邪魔をしない限りほっ ておくことである。
  ただし、だめなことはだめだと毅然と言わなくてはならない。
 ★
 「戦術」は、その場にあって一番最適なものを駆使していきます。

   「授業」はそこそこでいい。
 しゃかりきになって、おもしろい、楽しい授業づくりをするんだと力んでも、やんちゃたちはたいした反応はしないはずです。
 

 「授業」そのものに拒否反応を示しているはずですから。
 授業で大切なことは、先生の話は短く簡単に済ませて、作業や活動を多くする。
 
 

 一斉授業が大変であれば、教室中に机を離して個別学習にすればいい。
  プリント学習です。
 

 アマゾンで「フォーラムa算数」などとひけば、陰山英男先生が編集しているプリント集がいっぱい出てきますので、それらを参考にすればいいのです。

  ようするに、一日一日が何とか終わっていけばいい。
  これを「凌ぐ」といいますが、こんな日々は、人生の中で数度訪れます。
 その1回目と覚悟すればいい。
  ★
 かつて中江兆民の息子に中江丑吉という人がいました。
 太平洋戦争に突入していこうとする日々、こんなことが書いてあります。
 「中江丑吉という人」(阪谷芳直編 大和書房)
   ★ ★ ★
 …いま一つ、これまた加藤惟孝の語っていることだが、彼の勤務先の学校で、朝礼、軍人勅諭、国民服、皇国経済学というようなことが強制されだし、それを彼はできるだけサボっているというのに対して中江丑吉は、「だから日本のインテリみたいなのは沈痛悲壮になって来るんだ」と一喝して、「大衆(まつせ) は二つか三つどうしても守ることを決めておいて、あとはできるだけ普通にやるんだ。そうしないと弱くなる」といった。例えば戦地で捕虜を殺せと命じられたら、城壁に東亜新秩序のビラを貼れといわれたら、皇国経済学の講義をしろと言われたらそれは断われ。あとは朝礼でもお題目でも国民服でも、みんなこっちから従ってしまえ。そしてこの「二つか三つ」は一人一人の事情によって異なり、Aにとって絶対避けるべきことをBはむしろやっていいという場合さえ出てくるが、しかしその二つか三つがきめられてたらそれらは守られねばならず、それが侵されたときは気持ちよく迫害をうけることができる五分の魂を持て。
 ★ ★ ★

 この中江丑吉の言葉は、とても大事な言葉だと私は思っています。

 ★
 「戦場」に赴くには、どうしても守ることを二つ三つ決めて、あとは状況に任せて対応すればいい。
 だから、どうしても子供たちに譲れないものを二つ三つ決めておいて、それは頑として守っていく。ここは譲らない。
 
 

 あとは普通に状況に合わせてやっていくのです。
 何でもかんでも真面目にやっては絶対だめですよ。
 そんなことをやったらへとへとになります。

 ヨッシー先生!沈痛悲壮にならず、淡々と凌いでほしい。
 そう、願っています。

 絶対に、絶対に、絶対に、あと半年凌いでやるという気構え。

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