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2014年10月

財務省は、亡国の道筋をつけようとしている!

   学級崩壊をしているクラスに、わが子が通っている母親からブログにコメントをもらい、やりとりをした。
 2回目のコメントで、その学校の実情がはっきりした。

 この学校は、制度不能の学校崩壊状態になっている。
 
 ・18学級中、7クラスが学級崩壊状態
 ・1年生で学級崩壊した担任が、2年生に持ち上がれないで5年生の担任(母親の子供の学級)をする。
  

 この学年も4年生のときには、厳しい状態を続けていたのにである。
   だから、この担任は4月段階で学級崩壊になる。

 驚くことである。
 おそらく、学校中が蜂の巣をつついた状態で騒乱状態になっていることであろう。
 
 

 以前このブログで「学校の終わり」現象が始まると書いたが、まさにこのような形で始まっている。
 
  ★
 こんな時に、財務省が「40人学級へ戻る」という提言をなした。
 もう皆さんはご存じの通りである。
 自民党と話をつけて、この提言をなしているはずである。

 理由がまた驚く。
 35人にして、いじめも不登校も解消しなかったから、意味がないというもの。

 財務省の官僚は、40人から35人にするときにいじめや不登校が、これで少なくなると思ったのであろうか。 
  笑止千万。
 

 この措置は、学校現場の教師たちの大変さを少しでも減らそうというものにしか過ぎない。
 それでも教師たちはどれほど助かるか。

 いじめや不登校は、人数を減らすぐらいのことで少なくなることではない。
 反対に小学校では増えているではないか。
 

 教育を成り立たせている根本的なところの問題でこうなっているのであり、どんな手立てを打ってもすぐには解消できることではない。
 
 どうしてこんな簡単なことが分からないのか。(分かっていても、また復活する理由が見つけられないので、こんな理由を挙げてきたのであろうか。)

 諸外国は、ほとんどが20人程度のクラスである。
 アメリカは、20人程度の人数を2人の教師で受け持つようになっていると聞いた。
 ★
 こんな時、静岡の川勝知事が良いことを言った。(「産経ニュース」による)

  ★ ★ ★
 川勝静岡県知事「60億円もかかる役に立たない学力テストに厳しい目を」と批判 財務省の40人学級復活方針に

 財務省が公立小学校での40人学級の復活による財源捻出を提言したことを受け、静岡県の川勝平太知事は29日の定例会見で、国に先駆けて35人学級を推し進めてきたことを念頭に、「60億円もかかる役に立たない学力テスト(全国学力・学習状況調査)に財務省は厳しい目を」と述べ、教員の人件費よりも学力テストの実施費用を削減するべきだとの考えを示した。

 川勝知事は「先生を大事にするということは、生徒を大事にすること。35人学級を全国に先駆けてやった自負もあり、何としてでも成功させる」と述べ、国が40人学級に戻しても「静岡式35人学級」を維持させる方針を明らかにした。

 また、11月6日に下村博文文部科学相と直接意見交換を行うことについても言及し、「学力テストの件について、直接話せる機会ができたことを大変喜んでいる」と話した。
  ★ ★ ★

 私は学力テストが役に立たないとは思わない。
 だが、毎年やるようなテストではない。
 5年に1度でいい。

 毎年やるために、多くの県が戦々恐々となって、過去問の練習や実力テストの練習を組織的に繰り返して、必死になって偏差値をあげている。
 
 

 何とも醜い順位競争をし始めている。
 これは、「教育」ではない。
 
 こんなことは止めさせなくてはならない。
  これに60億をかけているのである。

 ★
 公共投資も平気で行っている。

 たとえば、長崎新幹線がいずれ開通する。
 私は郷里が佐賀なので、さまざまな話を聞いた。

 この新幹線を開通させることで、今までの特急が間引きになる。
 佐賀の町長さんたちが大反対を繰り返した。
 

 自分の町にとまっていた特急が、なくなるのである。
 長崎は新幹線のために潤うが、佐賀は通り過ぎるだけのもの。
 
 

 しかも、この新幹線は、博多~長崎間で特急より15分ぐらい短縮されるだけと聞いた。
 この15分のために多くのお金を出していくのである。

 こんなお金は出していく。
 教育では、35人から40人にすることで、86億の金を削減する。

 教育の現場が、疲弊し、瀕死の重傷に陥っているというのにこれをどうにかしようという発想がない。
 まさに財務省は、こうして亡国の道筋をつけようとしている。 
 
 

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どのような策を打てば、子供たちを助けてあげられるか?~お母さんの質問に答える~

   ブログに、小5年を受け持たれているお母さんからコメントがつきました。
 

  本来ならば、コメントに答えるという形でコメントで返せばいいのですが、今回は、ぜひとも先生方にも知っておいてほしいことです。
 だから、この場で答えようと考えました。
 

  佑啓さん、大げさにしてしまい申し訳ありません。
 
 コメントは、次のようなものです。

  ★ ★ ★
 はじめまして。
私は、小学校5年生の娘を持つ母親です。このブログは、学校の先生方の学びの場とは存じております。場違いな者がコメントをすることを、どうぞお許しください。

実は、娘のクラスも「荒れる教室」です。今年度新しくクラス替えが行われ、新学年へと移行しました。28人(うち1名は支援クラスに通級中)、1学年3クラスの編成です。

4月の段階から担任の指示が通らず、5月の連休明けには全く担任の統制が効かなくなってしまいました。6月初旬に臨時保護者会を開き、それ以降管理職1~2名、保護者数名が学習支援に入っております。

しかしながら、10月中旬を過ぎた現時点においてもなかなか改善はみられず、授業妨害、いじめ等、問題がどんどんエスカレートしていっております。(よっしーさんの記事とよく似た状況です)

学校側としては、担任とこどもたちの信頼関係が結べないことが一番の原因とし、なんとか関係の再構築を進めようと頑張っていただいておりますし、保護者としても授業の支援や月1回の臨時懇談会の開催など、考えられるだけの手を尽くしてきたつもりではありますが、現時点で打つ手がない状況です。
子供たちは、摂食障害やチック、睡眠障害など、かなり精神的に参ってきている子が増えてきています。学校でも、スクールカウンセラーにカウンセリングを個別にお願いするなどの方策を考えてはいただいているようですが、まだ実行に移されていません。

今後も今まで通り、保護者としてできる限り学校や先生をお手伝いさせていただきたいと思っているのですが、どのような策を打てば子供たちを助けてあげることができるのか、もしよろしければアドバイスをいただければと思います。

お忙しいところ誠に申し訳ありません。また、場違いなメールを送ってしまっていることも、本当に申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願いします。
 ★ ★ ★

 保護者として苦しんでおられる状況が、よく分かります。
 
 まず、状況確認をきちんとしておきます。

 ①5年生は、3クラス。新しくクラス替えになり、1クラス28人。

 ②4月段階から担任の指示が通らず、5月の連休明けには全く担任の統制が聞かなくなっている。
 
 ③6月初旬に臨時保護者会が開かれ、それ以降、管理職1~2名、保護者数名が学習支援に入っている。

  ④10月中旬になっても、事態の改善は見られず、授業妨害、いじめ等、問題がエスカレートしている。

  ⑤現時点では打つ手がない。

 ⑥子供たちの中には、摂食障害、チック、睡眠障害などを起こして、精神的に参っている子供たちがいる。

 こんなところでしょう。

  ★
 私の立場からの判断です。

 A この学年は、4年生の段階でも学級が崩壊していた状況のクラスがあった
   と思われる。ずっと荒れ続けてきた学年であろう。
   だから、他のクラスも同じような状態だろうか。
 
 B これは書かれていないが、5年生の担任の先生たちは異動してきた先生で

      はないだろうか。(3クラスともそうではないだろうが)
   コメントをつけられた保護者のクラスも、そうではないだろうか。
   4月の段階から指示が通らないというのは、かなり深刻である。
   大変な学年は、当該校の先生たちはクラス担任を避けていく傾向があり、

      必然的に異動してきた先生に、担任が振られていくことになる。どこにでも

      ある傾向である。子供たちの様子が分からないので、これは異動してきた

      先生には大変気の毒な人事になる。

 
 C 学校全体に、先生と子供たちとの間の関係づくりがうまくいっていない。
   子供たちの教師に対する不信感が根深くあると判断できる。

  D 担任教師は、4月(金の時間)の段階での勝負に失敗している。
   ここでだいたいの勝負が決まるときである。
   それだけの力量がなかったと言うことは簡単である。
   だが、力量があっても対応できない事態は往々にしてある。
   このクラスの場合は、かなりの程度にむずかしい事態であったと判断でき

      る。

 E 臨時保護者会が6月には開かれている。クラスで問題の中心にいる子供

      の保護者は、ほとんど出席しない。出席しても、「うちの子は悪くない。担任
   の方が悪い」と決めつけて、ほとんど助力しようとされない。
   出席している保護者の一部にも、「担任の先生が悪いのよ。」と陰で批判す

      る場合が往々にしてあり、ほとんど本気になって助力されない。(担任がそ

      れだけ指導力がないという批判は確かに当たっている。ただし、どんな教師
   が担任をしても無理だという場合も考えられる。今、そんな段階にきてい
   るクラスは確かにあるのである。)
   だから、保護者が教室で助力をしても、ほとんど何の効果もあがらない。
 
  ★
 これからの方向です。
 これは学校側が取る措置です。
 保護者が関与できません。

 もうすぐ11月になるのです。
 この段階でやれることは、もうかなり限られています。

  ①担任を交替する。
  
  

    ②クラスに入れ替わり立ち替わり補助の教師を派遣するようなことを止め

       て、T・Tとしてきちんと決まった先生(副担任のような形)を入れる。
   2人でクラスを経営していく。
   授業は、主にT・Tの先生が受け持つなどの措置を取る。
   担任の先生が授業をすれば、すでにうまくできない状態になっている
   のだと思われます。
  
  

   ③クラスで授業を妨害する子供を出席停止にする。
   あるいは、教室から離して別の教室で授業をする。

  ④担任が周りと協力しながら、何とか凌いでいく。

 
 

    ①を行う学校はあります。11月の段階ではこれが一番の早道です。
 担任と子供たちとの「関係」が壊れてしまっているはずですから、他の教師が
 入って関係を作り直していけば意外とうまくいくのです。
 でも、替わりに担任ができる教師がいるかどうか。
 それが問題です。

 

   ②は、かつての学校での経験です。教務主任時代に、5年生の学級崩壊が
 ありました。1人の先生をT・Tにつけて何とか乗り切りました。
 クラスがよくなるという事態は起こりませんでしたが、何とか乗り切って
 いけました。
 問題は、そういう先生がいるのかどうかです。
 
 

 

  ③については、校長から教育委員会へ報告し、確認が必要です。
 小学校ではなかなかうまく行きません。教育委員会も保身に走って
 (保護者から批判を受けますので)、承認を出さないという場合もあります。
 校長もなかなか決断がつかない場合もあります。
 別教室に離していく場合は、保護者との確認も必要になります。   
 一番難しい選択ですが、現実的には、これをやらないと問題は終息しません。

 

  ①②③の中では、一番②が取りやすい方向です。しかし、④でやる場合がほとんどです。
 それは、学校の中に人員的な確保がないためです。
 学校は、教師の人員はまったく余裕がありません。
 

  ぎりぎりで副校長や教頭が、替わりの担任をするという場合が多くあるのです。
 
 佑啓さんの学校の場合は、今のところ④でやっているのですね。
 
 ★
 どうしてこのような事態になるのかについて、少し書いておきます。
 
 今、クラスの一部の子供たちは、「快・不快で動く」「すきなことだけする」というようになっています。
 

  だから、気にくわないことがあったら、反発してクラスを壊しにかかる事態が出てきます。
 多分、佑啓さんのお子さんのクラスも、とても普通とは思えない子供が、保護者が見ていても平気で動き回っていると思われます。
 

  クラスが崩壊しだしたら、クラスは弱肉強食の世界になります。
 そうすると、とても考えられないことが起こります。

「あの子が、あんな姿を見せるなんて信じられない!」ということです。
 そして、必ずひどい「いじめ」が起こります。
 
 

  これは、脳科学の研究では、人間脳の下にある動物脳が動き始めることで起こるらしいのです。(『その子育ては科学的に間違っています』國米欣明著 河出書房新社) 

  これらの子供たちが、クラスで自由に動き出さないような学級経営を今教師に求められています。
 

   しかし、そんなに教師たちはスーパーマンではありません。
 うまくいきませんし、そんなに力量もありません。
 もはや、一人では無理だという限界に近づいていると私は思っています。

 きっと佑啓さんは、学校や担任教師に対して、多くの批判や不満を持っておられるだろうと思います。(コメントでは書いておられませんが…)
 親の立場や外側から見たら、何とも担任教師の指導がなっていないと見えてしまいます。そして、そういう失敗やまずいことなどを実際にやってしまっています。
 
 

  一部の子供たちのやりたい放題に何とも打つ手がうまくいかないのです。
  私のブログを読んでおられれば、このもどかしさ、疲弊感などを理解していただけると思っています。
 
 ★
  アメリカでは、「ゼロ・トレランス」という法律で、授業妨害の子供は「退学」になります。
 だから、現在アメリカの公教育は、平穏な教室で教師たちは授業が行っています。
 
 

  ヨーロッパ諸国の中のドイツは、授業妨害する子供へ3回の注意がなされ、そのあとに3回の書簡が保護者へ出されます。それでも改善されなければ、「退学」になります。

 諸外国は、授業妨害などに対して学校や教師たちにきちんとした「権限」が与えられています。

 しかし、日本では何の権限もないのです。
 だから、教師たちが疲弊し、鬱病になり、教師を辞めていく事態になるのです。

 この事態に対して、今のところ、学校の教師の数を増やし、学級の人数を減らしていくという施策しか効果はありません。(根本的な解決にはなりませんが)
 そうすれば、授業妨害をする子供たちへ対応する余裕のある先生ができるからです。
 

  担任は、それ以外の子供たちへの学習保障をすることができます。

 しかし、事態は深刻です。財務省は、クラスの人数を35人からまた40人に戻そうと考えています。
 彼等は、教育現場の実態をまったく考えていないのです。
 ★
 さて、保護者として何ができるのかと問われています。
 このような発想を今までしたことがありませんので、きちんとした答えができません。 保護者が対応して、学級崩壊が何とかなったという事例を今まで聞いたこともありません。
 
 

  反対に、保護者が授業参観などをしても一向に問題は収まらなかったという事例はいっぱい聞いたことがあります。効果はほどんどないのです。
 ここには、先に書きましたが、保護者の方の多くが「うちの子は悪くない。悪いのは、学校側、担任の方だ!」と考えられて、子供に「やめろ!」と止めようとされないからだと思っています。
 

  もちろん、学校側、担任側がきちんと対応しているわけではありません。
 まずいことも、失敗もしているはずです。

 しかし、問題はこのままでいけば、きちんとした学力保障ができないことです。
 (学習塾で補えばいいやと考えられているから、そんなに深刻に受け止められないのですが…)
  傷を背負い込む子供たちも出てくるのです。

 それでも佑啓さんのように心を痛め、何とかしたいという保護者の方がいます。
 何ができるのか。

 まず、静かに座って学習の姿勢ができる状態の子供を増やしていくこと。
 「座って、先生の教えることに耳を傾けなさい!」
 「騒いでいる人たちと一緒にならないで、きちんと座って学習の姿勢を取りなさい!」

 過剰に、先生の味方をさせるといじめの対象になってしまいますので、これだけでいいのです。
 私の娘が小学校の6年生の時に、クラスが学級崩壊になったときはこのように娘に声かけました。

 クラスの多くの保護者が、この姿勢でわが子に迫っていけば子供たちは落ち着いてくるはずです。
  でも、このことがほんとうは一番難しいことかもしれません。

 もう一つだけ。
 もし可能ならば、担任の先生に「先生、がんばってくださいよ。私たちもがんばりますから」とそっと声かけしていただけたらと思います。
 多分、担任は、ぎりぎりで精神的に追い込まれているはずです。
 でも、保護者のその一声で、どれだけ勇気をもらえるか。

 ★
 佑啓さん、答えにならなかったかもしれません。
 お子さんのクラスが少しでも落ち着いてくれることを願っております。
 

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つれづれなるままに~私の教師時代は仕事術に傾注してきたのだ~

  ●愛知県海部地区教職員組合の講演に呼ばれて出掛けていく。
 3時過ぎに新横浜から新幹線に乗り、名古屋へ。
 
そこから近鉄に乗り、近鉄蟹江まで。
 
 

   今年数えてみると、新幹線に32回もお世話になっていることになる。
  最近では、新幹線でどちらのドアから乗ると、目当ての座席にはやく座れるのかが分かってきた。
 
 

  ややこしいのは、東海道新幹線と、東北方面の新幹線では違うことである。
 今までしばしば混乱した。
 
 

   今日も帰りに間違って、ずいぶん歩いてしまった。
 どうでもいいことだが、こんなことにこだわってしまうのである。
 ★
 夕方の6:00から7:30までの90分の講演である。
 先生たちは、授業を終えて部活なども済ませて駆けつけてこられる。
 
ありがたいことである。
 
 

  今回は、動員をかけていないということ。希望参加である。
 それでも最後には150部用意した資料がなくなったということ。
 
 大盛況。多くの先生たちが参加された。
 うれしいことである。
 
 

  疲れているはずの先生たちの熱心さ。
 日本の教育は、こういう先生たちに支えられているのだと改めて思う。
  ★
 執行委員長のK先生から私の「1週間のシナリオ」が勤めておられる学校の初任者指導に使われていることを聞いた。
 
 

  これは、私が初任者用に1週間はこのように過ごすことなのだと1時間1時間をシナリオ(ほとんどが私の実践であるが、初任者用に作ったもの)にしたものである。
 
 ブログで呼びかけて、希望した方に添付で送付したものである。
 

  今では、『新卒教師時代を生き抜く初任者1ヶ月の成功シナリオ』(明治図書)に収めてある。
  
 

昨年も横浜市の初任者指導の先生にお会いしたとき、私の「1週間のシナリオ」がコピーされてかなり出回っていることを聞いた。

うれしいことである。
 

   私は、すべての著作物については、著作権を放棄しているので、すべて自由に使ってくださいと言っている。
 自分の主張していることが広がることはうれしいことである。
 どんどん広がってほしいと思っている。
 ★
 90分の講演を終えて、質問が出た。
 「野中先生の言われていることは、どのようにして考えられてきたのですか?」という内容である。
 
 

  こんな質問は初めてである。
 とりあえず答えた。

「私は、教師生活をしているときには、研究会や組織などに一度も所属しないで、一人でやってきました。唯一友人たちと学習会をするぐらいでした。
 自分は『ネーミングの野中』と言われているように、さまざまな実践にネーミングをつけてきました。ネーミングをつけることで混沌としている実践を整理して、シンプルにまとめることを心がけてきました。それでまとめてきたのです。」と。

 自宅に帰って女房にこの質問のことを話したら、
「そんな質問には、仕事術の話をすればよかったんじゃない!あなたは、本を出す前はほんとに暇そうだったから」と。

 そこで気がついた。
「そうなんだ。私は若い頃から仕事を簡単に済ませようと盛んに仕事術を工夫してきたのだ。この仕事術で、さまざまな仕事をはやく片付けることができたのだった」と。

 私の37年間の教師生活は、この仕事術を中心に回っていたのである。
 


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「荒れる小学校」現象を考える!

   前回、文科省からの「問題行動調査」の結果について触れた。

 目立ったことは、「荒れる小学校」。
 校内暴力も、いじめも、不登校も増えているという結果である。

 ★
 具体的にどうなっているのか、都道府県別に調べてみた。

 <校内暴力>
  ワースト     
  1位 大阪   10.5(1000人あたりの発生件数)
 2位 神奈川  8.4
 3位 岐阜      8.3
 4位 京都   7.6
 5位 高知   7.3

 ベスト
 1位 山梨、山形   0.9
 2位 熊本      1.1
 3位 宮崎、秋田   1.2
  
 

 <いじめ>
 ワースト
 1位 京都    99.8
 2位 鹿児島   72.0
 3位 宮崎    71.5
 4位 宮城    69.4
 5位  千葉    31.2

 ベスト
  1位 福島     1.2
 2位 佐賀     2.3
 3位 香川、鳥取  2.4
 4位 福岡     2.6   

 

 <不登校>
 ワースト
 1位 大阪     31.8
 2位 沖縄     30.3
 3位 滋賀     25.8
 4位 宮城     22.7
 5位 千葉     21.5

 ベスト
 1位 山口     7.1
 2位 茨城     7.3
 3位 徳島     7.4
 4位 青森     8.3
 5位 山梨     8.4

 「いじめ」や「校内暴力」について、報告者がきちんと書かないことが起こる。
 かつての「いじめ」報告にもそういうことがあった。
 

  だから、ワーストに名前を連ねているところは、きちんと報告した結果とも言える。
 
 

  以上のことを勘案してそれぞれを見れば、大阪、京都(この数字は気になる)などが気になるところだが、あとはほとんど都市と地方の差はない。
 
 

  東北や北陸は、やはり落ち着いている。(宮城は、震災の影響があるのかもしれない) 「問題行動」は、関東より西の方に起こっている。

  ★
 「荒れる小学校」が問題になっている。
 しかし、今に始まったことではない。
 

  前回のブログで紹介したように、小学校は、1990年代から顕著になった「学級崩壊」が形を変えて広がっている。
 
 

  もう一度繰り返せば、1990年代に始まった「反抗型学級崩壊」、2000年冒頭から始まった「なれ合い型学級崩壊」、そして近年の「新しい学級崩壊」になる。
 
  反抗型やなれ合い型は、今でも続いている。
 
 

  学級崩壊になるパターンは、ほぼ同じ。

 A 一部のやんちゃな子供が問題行動を起こしてくる。

 B 担任は、注意し、叱り、あるいは怒鳴ったりするようになる。

 C 担任と一部のやんちゃたちと関係が悪くなる。やんちゃたちは反発を繰り返す。

 D だんだん、他の子供たちとも関係が悪くなり、クラスがスムーズに動かなくなる。

 E クラスの秩序が乱れて、毎日「いざこざ」が起き、学級が崩壊していく。

 AからEの段階の中で、どの段階が一番問題になるのであろうか。

  ★
 どのクラスでも、Aの段階がある。
 
 最初から目立っている2,3人の「超やんちゃな子供たち」がいる。
 その子供たちが、さまざまに「問題行動」を起こす。

 この時に、担任が「クラスの8割を味方にしている」ならば、その「問題行動」は打ち上げ花火で終わる。

 この時に、担任がクラスにスムーズに動いていく「仕組み」を作っていれば、その「問題行動」はスムーズな行動に打ち消されていく。

 この時に、担任と多くの子供たちとの間に「つながりの関係」ができはじめていれば、その「問題行動」は徐々にしぼんでいく。

 そうなのだ。A段階になる前にクラスでの準備が必要である。
 1ヶ月かかる。

 この準備をしていないならば、すぐさまB段階になって危機的な状態になる。

 ★
 「学級づくり」には、必要な原理・原則がある。
 それを踏まえてがんばれば、何とかなるのである。

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つれづれなるままに~荒れる小学校が浮き彫り~

  ●久しぶりの「味噌汁・ご飯」授業研究会。
 いつもの会場が取れず、大和の東横インの会場で開く。
 

  算数の研究の報告会。
 まだ、まだ、これからの内容。
 

  久しぶりに皆さんに会って、情報交換。
 現場は混迷の一途という感じで、頭を悩ますことばかり。

●「児童心理」1月号の原稿の締め切りがもう少し。
 「がんばって書かなくちゃ」。
 

  特集「子どものいざこざ」である。
 原稿用紙14.5枚。ちょっとした分量。

●22日は、愛知県海部地区教職員組合から呼ばれての講演。
 テーマは、「学級を軌道に乗せる『学級経営』のあり方」。
 

  すでに120名の方が申し込まれているという。
 とにかく、「学級づくり」「学級経営」というテーマは、いま多くの先生たちのメインテーマになりつつある。
 

  それだけ、子供たちとどのように関係づくりをしていけばいいかで悩まれている。

●16日、文科省が公表した「問題行動調査」。
 全国の小学校で2013年度に起きた児童の暴力行為は1万896件。
 

  1997年の調査以来初めて1万件を超える。
 
 いじめの認知件数も、小学校では過去最多。不登校も増加している。
 

  調査で「荒れる小学校」が浮き彫りになっている。

 私がこのブログで指摘している事態が、調査統計ではっきりしめされている。

 小学校での学級崩壊の変遷。
 

  1990年代後半から「反抗型学級崩壊」。
 学級担任に反抗するという形で学級崩壊が起こってくる。
 今もベテランの教師たちの学級で引き続いている。

 2000年代冒頭から「なれ合い型学級崩壊」。
 担任が、子供たちと友だち先生みたいに付き合って崩壊していく。
 今も若い先生たち学級で引き続いている。

 近年起こっているのが、「新しい形の学級崩壊」。
 静かな「荒れ」だと言われている。
 

  特徴が、次のようなこと。
 ①教師に反抗するわけでもなく、私語を止めない。 
 ②問題行動を叱っても、どうして叱られているのか理解できない。
 ③今まで学校を背負ってきたようなベテラン教師でも対応できない。 
 
 

  もはや、個々の教師で対応できる段階を越えている。
 チームでどのように対応できるかが、小学校でも求められる。

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つれづれなるままに~台風が近づいている~

   台風が近づいている。
 兵庫県三木市に初任者研修で行かなければいけない。
 

  14日。
 
 直撃の日である。
 
 

  教育委員会から前泊で来てほしいという要望。
  ★
 13日、朝早めに新横浜へ向かう。
 午前中の間に新神戸へ着かなければ、新幹線が止まってしまう恐れがある。
 急ぐ。
 
 

  新神戸に11:30に到着。
 駅中に溢れる人、人、人。
 ぎっしり。
 
 

  新神戸には、何度も来ているのだが、初めてのできごと。
 今日は3連休の最後の日なのだ。
 台風で早く帰り着きたい人が新幹線に乗るために並んでいる。
  ★
 取ってもらったホテルへ。
 「ANAクラウンプラザホテル神戸」。
 
 

  29階の部屋。
 一度六甲の夜景を見てみたいと思っていたのだが、ここから三宮の街並みがばっちりと見える。
 
 

日本の三大夜景。函館、長崎、そしてやっと六甲の3つの夜景を見ることができた!
 冥土の土産である。(笑)
  ★
 14日は、朝から晴れる。
 学校も、臨時の休校にならず、予定通りの実施。
 
 

  4時間目に、初任のT先生の国語授業。
 3年生のすばらしい子供たち。
 よくまた、このように育ててきたものだと感心する。
 
 

  5時間目は、私のいつもの国語の授業。
 小刻みに活動を入れ、フォローを意識する。
 
 講座で話すことを実際の授業で示していかなければ、やはり訴える力にならない。
 
 

  講座では、初任の先生たちの授業を改善するための方法について話す。
 
 

  1 授業で悩んでいることは何か?
 2 この悩みに答えます。
 3 どうしても身につけたい授業技術とは?
 4 三木市で一番上手な「授業人」になる方法 教えます。
 5 授業を一変する3ポイント

 講座の最後に、3人グループで話し合い、これからの授業に生かしていきたい3点をまとめてもらう。

 フォロー、テンポアップ、グループ活動、挙手発言、一時に一事の法則、おしゃべり授業、アウトプット、全員参加、一人研究授業、小刻みな活動、指導言、スイム話法、ネームカード、列指名 という言葉が上げられてきた。
 ★
  終わって授業をしてくれた初任のT先生と少し話す。
 
 

  そして急ぎ、新神戸に戻る。
 6時過ぎの新幹線で、また新横浜へ戻る。2時間半。

 

  家に帰り着いたのは、夜の9時半頃。
  あわただしい2日間であった。

 

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今苦しんでいる先生たちに、このメッセージを届けたい!

   ヨッシー先生への共感が広がっている。
  ももんが先生に今日コメントを付けてもらっている。ありがとうございます。

 ★ ★ ★
 ヨッシーさんの状況、胸のうちにものすごく共感して、思わずコメントを残したくなりました。
ヨッシーさん、本当に毎日、お疲れ様です。
昨年度の私の話か?と思うくらい状況はピッタリなので、驚きました。
 ★ ★ ★
  くわしくは、コメントを読んでもらいたい。
  私までもがうれしくて、うれしくて、心温まる思いであった。

 ★
 ヨッシー先生とのやりとりの中で、改めて感じたことがあった。
 それは次のようなことにまとめられる。
 
 〇異動して即6年生(あるいは5年生)は、とても危険な状態になっていることであ  る。
  どこの学校も、高学年経験があれば当然のように担任にしていく状況がある。
  これはかなりのリスクを背負わなくてはならないことである。
 
 

  〇以前では(30年前までは)とてもこのような人事をすることはなかった。
  異動してきた先生には、高学年を受け持たせることはありえなかった。
  ましてや6年生なんかは絶対にありえなかった。
 
 

  〇ところが最近は、前学年が荒れているとその学校の先生たちはその学年の担任になることはしない。だから、当然異動してきた先生が、その学年に当てられることになる。
  ヨッシー先生も、その人事であったと考えられる。
 
 

〇私の親しい知り合い(高学年担任を歴任してきたベテラン)も、異動して6年担任で大変な目にあった。
  

    知り合いの先生(体育主任などを歴任してきた中堅の教師)も、異動して6年生で学級崩壊の憂き目にあった。
  2人とも大変な力量を持っていた先生であった。
    それがこのような事態を招いている。
  
  

    私は、今まで培ってきた力量では対応できない新しい事態が起こっていると考えている。
  よほどの力量を持っていても、関係が作られていない学校へ行き、担任を持とうと してもうまくいかない事例はかなりの数になっている。
   
  問題はここなのだ!
  何が学校で起こっているのであろうか。
 ★
  今まで私はこのブログで繰り返し書いてきたことがある。
  もう一度ここで繰り返しておきたい。
 
 

  〇いずれこのままいけば、早い段階で都市圏を中心に「学校の終わり」現象が起こってくる。それから地方にも徐々に波及していく。
  「学校の終わり」現象は、公教育のハコモノがなくなるということではない。
  

    そのハコモノの中で「教育」という行為ができない事態になる。
  「収容所」状態で推移していく。 
 
 

  〇保護者は、学習塾や通信教育などに全面的に頼らざるを得ない事態がくる。
 
 

  〇いま、1つの学校で複数の学級崩壊が起きて、学校崩壊状態になっている現象が都市圏を中心に起こってきている。
 
 

  〇それから、学級崩壊にはカウントされない、学級崩壊予備軍のクラスが広がっている現象である。中堅やベテランのクラスに広がっている。
  

    ざわざわして落ち着かない。
  油断するとおしゃべりや立ち歩きをする。
    つまんねえ、おもしろくねえなどとだらだらする。
  こういう現象が1年中続いていくのである。

 ★
 この事態を何とかしていくには、教師に「権限」を与えていくことである。
 たとえば、授業を繰り返し意図的に妨害しようとする生徒に、教室から離していく「権限」である。
 

  この権限が、日本の学校や教師にはまったく与えられていない。
 諸外国は、ほとんどが「退学」になる行為である。
 

  しかし、このようなことは日本では望めない。(大阪市で橋本市長が提案したのはこのことである。ただ問題も多い。)
 
 

  とするならば、とりあえず取り得る措置は、教職員の加配と1クラス人数の減少するという手立てである。
 とりあえずの措置であるが、学校に余裕ができる。

 これも財務省が反対している。
 だから、これも望めない。

 もう八方ふさがりである。
 「学校の終わり」現象を待つだけなのだろうか。
 残念ながら、今はそのように推移している。
 ★
 ただ学校現場で、教師たちが手を拱いて何もしないでいることなどできはしない。
 何とかなる手立てはまだまだある。

  はっきりしているのは、もはや個々で何とかしよう、何とかできる時代は終わったということ。これを認識しなくてはならない。
 

   まだ学級王国的な発想を持っているならば、それはどんなにすぐれた実践であったとしても、もう時代にあわなくなっている。

 ヨッシー先生は、次のようなことを書かれている。
 これは示唆的な言葉だ。

  ★ ★ ★
 きっと、今、起こっている荒れは、数年前の中学校のようなことなのかもしれません。今や小学校の高学年も一人でなんとかするのが難しい状況なのかもしれません。力のない自分がこんなことを言うのはおこがましいかもしれませんが、以前から他のクラスをみても感じています。

今、出来る限り3クラス力を合わせて教科担任なども取り入れながらチームで取り組んでいます。しかし、小学校では限界があります。それは、中学校のようなシステムが確立していないからだと思います。

自分は、これからの小学校高学年は、中学校のようなシステムが必要なのではないかと考えています。もちろん、うまくクラスを経営している先生には、負担になるでしょう。それでも、いつ誰がこのような状況になるかわかりません。その時に小学校のクラス担任だと、隣のクラスが本当にどんな状況かは、わかりません。気付いた時には、すでに手遅れということもあります。
  ★ ★ ★

  チームとしての学校づくり。チームとしての学年づくり。
 小学校も、ぜひともこの体制づくりをすぐにでも構築しなくてはならない。

  こういう体制づくりをしなくては、もはや学校は生き残れないことを認識すべきである。
  と、書いてみたが、現在の学校にこのように構想できる体力が残っているのか。
 そのことである。

 ★
 ある身近にある小学校が学校崩壊状態に陥った。
 学校が機能しないのである。

  その学校の先生たちはどうしたか。

 学校の重点研究に授業研を選ぶという今までの習慣を止めた。
 そして、「子供たちが、朝、学校へ入るところから、学校を去って行くところまで、学校全体で一緒にできることを研究しましょう」ということになった。

 ある一人の先生の提案だったと聞いている。
 
 そして、研究の成果を「〇〇小 スタンダード」としてまとめていく。
 全体が実践するものである。

 3年間の研究で、学校は落ち着いた状態になることができたと聞いている。

 学校をチームとして考えるというのは、こういうことである。
  こういうことをやる体力が先生たちに残っているか、ということである。

 ★
 ヨッシー先生、ももんが先生が心にしみる応援のメッセージを残されている。

 ★ ★ ★
 私の大好きな漫画、『宇宙兄弟』からの名言(だと思うのだけど)です。
「最下位と1位の差なんて、大したことねーんだよ。ゴールすることと、しないことの差に比べりゃ。」
です!
 ゴールすることで、見えてくる景色があります。
 ヨッシーさん、心から応援しています。
  ★ ★ ★

 今苦しんでいる先生たちに、このメッセージをぜひとも届けたいものである。

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おそらく私達は初めての事態に遭遇している~ヨッシー先生へ向けて~

   ヨッシー先生からまた次のようなコメントがついた。
 
 ★ ★ ★
 野中先生、お忙しいなか早速の具体的な対応策をお示しいただき、本当にありがとうございます。

どんなに知識があっても、その時その場で対応する力をつけていかないとですね。

一つ、スピード感をアップするということで質問させてください。

4月から出来る限りスピード感を保とうと8割がオッケーの時は、様々な活動を進めてきました。しかし、全体がやらない子を見て自分たちもやらなくていいんじゃないか、という雰囲気になっています。例えば、背の順でならんで移動する時に並ばない子を待たずに進めていたら、並んでいた子達も別に並ばなくてもいいんじゃないかとなり、スピード感もなくなってきました。そこで、学年としては、一つ一つ確認し、確実にやらせていこうという方向に進んでいます。
学年で行う時は、教務主任の先生がいるので、大丈夫なのですが、一人でやらなければならない時が一つ一つを確実にというのが難しいです。

自分は8割に目をむけながら、と思い行ってきたことが、8割の子達が2割がやってないなら自分たちもいいんじゃないかみたいな雰囲気になってしまっています。
  ★ ★ ★ 
 
 ヨッシー先生のクラスで起こっていること、まさに教育現場で起こっている「荒れ」の具体的姿であるのだと考えられます。
 その姿はさまざまです。

 こういう中で鍛えられた「学級づくり」や「授業づくり」の方向が、いま日本の実践家たちの中から出ているとは思えません。
 今までの自分の経験から身につけたことを語っているだけです。
 
 

 おそらく私達は初めて経験する事態に遭遇しているのです。
 そこでは私達が身につけてきた常識的な教育技術は、疑った方がいい。
 

 その意味で私は、
 「これから大切なことは、目の前の子供たちに対面してその時自分で選ぶベターな「行動」です。」という言い方をしました。

 だから、私が提起した戦略2つが、ヨッシー先生のクラスに対応しているのか、それは定かではありません。
 

 もはや10月を過ぎて、残された半年の時間の中で何ができるかというところで、極めて原則的なものを提起しただけです。

 学年として考えられた「学年としては、一つ一つ確認し、確実にやらせていこうという方向に進んでいます。」という方向が正しいですよ。
 

 目の前の子供たちに対応するベターな方向を選び取ることを最優先することです。
 ベストな方向なんてありません。
 
 ★
  げんちゃん先生が、貴重なコメントをつけられています。
  ありがとうございます。
 
 

 彼なりに目の前の事態を克服してきた貴重な経験です。
 こんなことが言葉化されなければなりません。

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絶対に、絶対に、絶対に、あと半年凌いでやる!

   ブログに次のようなコメントがつきました。
 これは大変です。

  ★ ★ ★
野中先生、こんにちは。毎回、先生のブログに励まされ、勇気づけられています。

自分は、今年度初の異動をし、異動先の学校で六年の担任をしています。人数は、38人です。

間もなく前期を終えるところなのですが、正直、学級経営が全く上手くいってません。学級崩壊状態といってもいいかもしれません。

授業中に勝手に立ち歩いたり、おしゃべりをしたりします。また、自分の指示もほとんど通りません。さらに、叱っても反抗されます。
ちなみに、相当心無い言葉をかけてきます。(うざい、キモイ、来ないではもちろん、私たちの税金もらってんだろや体罰で委員会に訴えてやる、などなどとにかくたくさんです)そして、立ち歩き授業をかき乱す男児は、何度か言葉で注意してもおさまらない時は、腕をつかんでやめさせようとするんですが、対教師暴力を振るってきたりもします。
2:6:2の法則が、0:3:7くらいになってしまっています。

半年間で色々な情報を知ったのですが、この学年は、4.5年の時に学級崩壊していたそうです。また、5年生の時には、担任が三回代わったそうです。はじめは、40代の臨任の男性が担任をしていたそうなのですが、6月頃に不慮の事故で亡くなったそうです。その後、副校長が数ヶ月担任をしました。子供との関係は、良好だったようですが今でも名前で呼び捨てにしています。そして、夏休み明けから全く経験のない臨任が半年くらい担任をしました。
もちろん、こういった原因もあろうかと思いますが、自分の力量不足もあると思います。

六年は、3クラスなのですが、自分のクラスと隣のクラスも似たような状況です。ただ、どのクラスも去年から持ち上がっている教務主任の先生の言うことだけは聞きます。逆に言うと、その先生以外の言うことは聞きません。なので、音楽や家庭科の授業も危機的状況です。

ここまでを振りかえって原因を探ってみると一つ目は、上手く横糸をはれなかったことにあると思います。二つ目は、様々な行事で六年生が学校を動かさないといけないのに自分が一年間を見通せなくて、ブレることがたくさんあったことで信頼感を失ってしまったことにもあったとおもいます。もちろん、授業力不足も原因の一つです。そして、一つ一つの事を徹底できていないことも原因でしょう。
自分は、野中先生の本やブログで知識はあったつもりでしたが、上手く実践できませんでした。改めて知識を実践する難しさを体感しました。

きっと、この状況を変える一番の方法は、力のある先生に担任を変えることなんでしょうが、まだまだ自分は、頑張ろうと思ってます。そこで、野中先生。

これから残り半年。どのように凌いでいくことがベターか教えてください。また、このように問題があるクラスの学級担任になった場合どんなことを大切にするか教えてください。

よろしくお願いいたします。(野中先生の本はほぼ購入しているので、この本のこれだけは、みたいなのがあればもう一度勉強し直します)


ちなみに、校長先生は、とても協力的です。9月後半からは、校長先生のアドバイスで学級通信を出すようにしています。通信では、少しでもよいところを見つけて書いたり、自分の学級経営の考え・授業の様子を書いたりしています。

一緒に組んでいる教務主任の先生は、一つ一つのことをどんなに時間がかかっても待ったほうが良いとアドバイスをしてくれました。

最後に、今回の異動で自分以外の同期の何人かも似たような(校内では誰ももちたくないような)クラスの担任となり、同じように悩み、苦しんでいます。

乱文乱筆、まとまらない文章ですみません。

投稿: ヨッシー | 2014年10月 4日 (土) 10時23分

 ★ ★ ★

 悪い条件が重なっています。

 ①異動してすぐに6年生担任。よほど注意をしないといけない。
  こんな人事をする学校は、だいたい学校がうまく行っていないからである。

 ②クラス人数が38人。一人一人を把握できない数である。

 ③4,5年の時、学級崩壊になり、担任も何人も替わっている。
  こんなクラスの子供たちは教師に対する不信感が大きい。

 このようなクラスを受け持つには、大変な力量が必要になります。
 ただ、救いになるのは、教務主任の先生だけは話を聞くということです。
 

 それはきちんとその先生とは、横糸で気持ちがつながっていて、信頼をしていることになります。
 だから、心のつながりができればうまくいく可能性があります。

 ★
 これから私なりに対応策を提起しますが、ヨッシー先生のクラスを見たわけではありません。
 半日でも見ることができれば、対応策はきちんと出せると思いますが、それができません。
 

 書かれてあることから推測しての対応策です。
 だから、あくまでも1つの参考案として考えて下さい。

 ただ、こういう場合注意しなければいけないことがあります。
 本を一生懸命読んで解決のヒントを得ようとします。

 その気持ちは大切ですが、本から得られる知識なんかたいしたことがありません。
 

 私の本をいっぱい読んでおられるヨッシー先生にこんなことを言うのは申し訳ないことですが、ほんとうのことです。
 
 もう先生は、知識としては十分に持っておられます。
 

 これから大切なことは、目の前の子供たちに対面してその時自分で選ぶベターな「行動」です。
 
 

 失敗もします。そしたらやめればいい。
 少しうまくいく。続けてやってみます。
 基本的なことは、子供たち一人一人との「心のつながり」です。
 
  ★
 「織物モデル」を提起した橫藤雅人先生は、こんな大変なクラスを受け持ったら、「縦糸:横糸」の比率を「2:8」として対応するように指摘しています。

 横糸を数多くしなければいけない。

 ところが、ヨッシー先生は普通に「縦糸」を張っていったことが予想されます。
  そして、一部のやんちゃな子供たちから反発されて、今の状態を迎えたのではないでしょうか。
 
 

 横糸が少なかったという反省もなされています。

 ★
 ヨッシー先生は言われています。

「きっと、この状況を変える一番の方法は、力のある先生に担任を変えることなんでしょうが、まだまだ自分は、頑張ろうと思ってます。そこで、野中先生。

これから残り半年。どのように凌いでいくことがベターか教えてください。また、このように問題があるクラスの学級担任になった場合どんなことを大切にするか教えてください。」

 
 何ともうれしい言葉です。
 まだまだめげていない。やろうとする気力十分だと判断します。
 この心意気があれば、絶対に凌いでいけるのです。

 ★
 私の本を読み返す必要はありません。
 ヨッシー先生はすでに対応できる知識や力は持っています。

 目の前の事態に、いま自分で一番最良の方法を選んで対応する。
 それは本の知識とは違う場合もあるのです。
 それでもやってみる。

 その場をとにかく乗り切っていくのです。
 肝は、彼等と通じ合えるかどうかです。
 ★
 心構えが必要になります。
 
 「戦場」へ赴くのです。(この言葉は、教育の場に不適当な言葉だが、あえて使う)
 決して安穏な子供たちではありません。
 
 そこへ赴くには、「戦略」と「戦術」が必要です。
  「戦略」は、2つばかり。

 ①彼等との「心の通じ合い」をできるだけ図る。
  一緒に遊んだり、ゲームをして笑ったり、そして、フォローを入れる。
 できるだけ「ありがとう」「いいね」などの言葉を言う。
 

 ②スムーズさを心がける。
  クラスではスピード感がなくなっているはずである。
  時間を守り、さまざまな活動がスムーズにいくことを最優先する。
  8割方を動かしていけばいい。何人かのやんちゃは、授業の邪魔をしない限りほっ ておくことである。
  ただし、だめなことはだめだと毅然と言わなくてはならない。
 ★
 「戦術」は、その場にあって一番最適なものを駆使していきます。

   「授業」はそこそこでいい。
 しゃかりきになって、おもしろい、楽しい授業づくりをするんだと力んでも、やんちゃたちはたいした反応はしないはずです。
 

 「授業」そのものに拒否反応を示しているはずですから。
 授業で大切なことは、先生の話は短く簡単に済ませて、作業や活動を多くする。
 
 

 一斉授業が大変であれば、教室中に机を離して個別学習にすればいい。
  プリント学習です。
 

 アマゾンで「フォーラムa算数」などとひけば、陰山英男先生が編集しているプリント集がいっぱい出てきますので、それらを参考にすればいいのです。

  ようするに、一日一日が何とか終わっていけばいい。
  これを「凌ぐ」といいますが、こんな日々は、人生の中で数度訪れます。
 その1回目と覚悟すればいい。
  ★
 かつて中江兆民の息子に中江丑吉という人がいました。
 太平洋戦争に突入していこうとする日々、こんなことが書いてあります。
 「中江丑吉という人」(阪谷芳直編 大和書房)
   ★ ★ ★
 …いま一つ、これまた加藤惟孝の語っていることだが、彼の勤務先の学校で、朝礼、軍人勅諭、国民服、皇国経済学というようなことが強制されだし、それを彼はできるだけサボっているというのに対して中江丑吉は、「だから日本のインテリみたいなのは沈痛悲壮になって来るんだ」と一喝して、「大衆(まつせ) は二つか三つどうしても守ることを決めておいて、あとはできるだけ普通にやるんだ。そうしないと弱くなる」といった。例えば戦地で捕虜を殺せと命じられたら、城壁に東亜新秩序のビラを貼れといわれたら、皇国経済学の講義をしろと言われたらそれは断われ。あとは朝礼でもお題目でも国民服でも、みんなこっちから従ってしまえ。そしてこの「二つか三つ」は一人一人の事情によって異なり、Aにとって絶対避けるべきことをBはむしろやっていいという場合さえ出てくるが、しかしその二つか三つがきめられてたらそれらは守られねばならず、それが侵されたときは気持ちよく迫害をうけることができる五分の魂を持て。
 ★ ★ ★

 この中江丑吉の言葉は、とても大事な言葉だと私は思っています。

 ★
 「戦場」に赴くには、どうしても守ることを二つ三つ決めて、あとは状況に任せて対応すればいい。
 だから、どうしても子供たちに譲れないものを二つ三つ決めておいて、それは頑として守っていく。ここは譲らない。
 
 

 あとは普通に状況に合わせてやっていくのです。
 何でもかんでも真面目にやっては絶対だめですよ。
 そんなことをやったらへとへとになります。

 ヨッシー先生!沈痛悲壮にならず、淡々と凌いでほしい。
 そう、願っています。

 絶対に、絶対に、絶対に、あと半年凌いでやるという気構え。

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倶知安小へ行ってきました!

   1日、北海道の倶知安小を訪問する。
 羽田から新千歳まで飛行機。JRで新千歳から小樽経由で倶知安まで。

 朝7:00に出発して、倶知安に到着するのは、16:14だから長旅である。
 でも、ほとんどの北海道の学校訪問は、長旅。
 もはや慣れたものである。

 新千歳空港から小樽までは行き、函館線に乗り換える。
 一両編成の車両。
 

  連ドラ「まっさん」で有名になっている余市を通って、長万部まで。
 
 えりもとか倶知安とかおしゃまんべ(「長万部」)とかは、みんなアイヌ語からきているのだと教えられる。
 
 

  電車は、重たさそうに色づいた木々の間を登っていく。
  紅葉真っ盛り。良い眺めである。

 倶知安に近づくと、目の前にでんと羊蹄山がそびえる。
 雲をかぶっていて、残念。

 だが、翌日すっきりとした羊蹄山を見ることができる。
 倶知安小学校は、運動場の目の前にでんと羊蹄山。
 
「うわあ~~~」という光景。
 

  「冥土のみやげにします」と先生たちにはお伝えする。

 ★
 翌日、朝からずっと先生たちの授業を見せてもらい、2人の初任の先生の授業も1時間ずつ参観できる。

 最近は場数を経ているので、3~5分でその先生の授業レベルが分かる。
 もちろん、視点を絞って見る。

 初任の先生の授業は2年生と5年生の算数。
 1時間見せてもらえば、ずばり良いところと問題点が見えてくる。

 算数の授業とは、基本的には「インプット」と「アウトプット」によって成り立っている。
 「インプット」で新しい課題に出会わせ、「アウトプット」で練習して、定着を図っていくというのが通例のパタンになる。

 ほとんどの先生たちは、「インプット」過剰の授業になる。
 「アウトプット」での練習・定着が少なくなる。
 
 宿題にするという場合も多くなる。
 

  そこで定着がなかなかできない。
 
 

   ポイントは、「インプット」から「アウトプット」への転換のところになる。
 そこをうまくできるかどうか。

  ★
 朝夕は、「寒い!」と震えるほどの寒さになる。
 3日の朝、倶知安は雨が降っている。
 

  羊蹄山も雲に隠れて見えない。
 

  さようなら、倶知安。
  静かな良い街である。

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