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「ゆたQ」さんの質問に答える!

    コメントにさまざまな質問が付いてくる。
 今回は「ゆたQ」さんから付いた。

 ★ ★ ★
 いつもblogで学ばせてもらっています。今は私は採用五年目、六年担任をしています。一年目は学級づくりがうまくいかず悩みましたが、先生のおっしゃる、子どもとの距離感や、テンポのある学級のシステム作りを意識的に行い、今ではある程度落ち着いたクラスづくりができるようになってきたと思っています。

今、学校に新採用が二人いて、五年と三年の担任です。どちらも7月までに学級づくりがうまくいかず、けっこう苦しんでいました。なんとかしてあげたいのですが、自分が感覚的にやってきたことなので、まだ具体的なアドバイスができず、アドバイスしたとしても単発的なことしか言えず、はがゆい気持ちです。私の学校には熱心で力のある先生が多く、初任者に対して放課後熱心にアドバイスをしています。しかし、授業づくりや生徒指導の対応について話していることが多く、初任者の時間がかなり奪われるのに対して、効果はどれほどなのか、と思ってしまいます。

そこで、先生のおっしゃる中にあった、学級づくりが先、の話が目に留まりました。授業づくりよりもそっちをアドバイスすればいいんだな!と私も感じたのですが、具体的にどんなことなのでしょうか??

 何度もお話しされているのですが、野中先生が何を授業づくりととらえて、何を学級づくりととらえているのかが、頭の悪い私にとってはいまいちはっきりしません。
 自分のなかでは、指示に素早く従わせることや、時間をきちっと守ること、話を短くすること、話を聞かせること、友達先生にならないこと、などは授業の中でこそ指導していくことではないかと思っています。
  ★ ★ ★

 ゆたQさんからのコメントで、やはりなあというところがあった。
 ゆたQさんの学校には、熱心で力のある先生が多いということ。
 
 

 この人たちが、放課後初任者を指導している。
 いい学校である。
 
 

 しかし、授業づくりや生徒指導についての話が多くなる。
 ゆたQさんは、私が強調している「学級づくり」をもっとアドバイスしなくてはならないのではないかと考えられている。
 
 

 その通り。
 初任者には、授業についての指導を先にすると混乱する。
 

 その指導は、すぐには効果をあげない。
 授業技術は、そんなにすぐに身につけることはできない。
 
 

 最初のうちは、「とにかくがんばって授業をせよ!」でいい。
  私は、「テンポ良く行うこと」を強調した。
 

 初任者はどうしても丁寧すぎて、テンポがなくなるからである。
  ★
 ゆたQさんは、ここで「授業づくり」と「学級づくり」の区別を聞かれている。
 私が考えていることをお答えしたい。

 「授業づくり」の目的の中心は、子供たちの学力保障である。
 子供たちに学習規律を身につけさせたりする中で、さまざまな条件整備をすることがあるが、授業の中心はあくまでも子供たちの学力保障である。
 
 

 「学級づくり」の目的の中心は、学級における条件整備を行うことである。
 学習指導や生徒指導などがスムーズに行えるように、条件整備をすることである。

 役割はそれぞれ違う。
 もちろん、重なる部分はある。あくまでも中心である。

 私は、「学級づくり」の条件整備を、もう少し具体化している。

 学級づくりの目標は、「安心・安全」な居心地が良いクラスづくり。
 これに絞っている。

 「安心・安全」であるためには、クラスにきちんとした「ルール」を作り、クラス全体で守っていかなくてはならない。

 また、「居心地が良い」ためには、教室でのスムーズな仕組みづくりがなされていなければいけない。

 この2つを統括していくのは、担任であり、担任のリーダーシップが必要である。
 そのためには、担任による子供たちへの「関係づくり」がどうしても必要である。

 「関係づくり」が大前提である。
 「ルールづくり」も、「仕組みづくり」も、担任のリーダーシップがあって、うまく機能していくのである。

 そのために私は、「学級づくり3原則」という提唱をしている。
 最低限、この3原則を実践していけばクラスはうまく機能していくというものである。
 すでに、初任者によって実践して、確かめてもいる。

 「学級づくり3原則」とは、「関係づくり」、「仕組みづくり」、「集団づくり」になる。 繰り返すが、「関係づくり」が大原則である。
 この「関係づくり」が「仕組みづくり」にも、「集団づくり」にも、生かされていく。

 この「関係づくり」は、もちろん「授業づくり」にも生かされる。
  
  今、私が提唱しているのは、この「学級づくり」を土台に据え付けて、その上に「授業づくり」や行事指導や生徒指導などがなされていくということ。
 

 だから、「学級づくり」がそれらの指導よりも優先される必要がある。(同時進行ではあるが……)

 こういう区別をしている。

 ★
 さて、それでは初任者に最初どのように「学級づくり」指導をすべきかということについても書いておきたい。

 ①子供たちとどのように付き合えばいいかをきちんと指導する。
  これが「関係づくり」になる。
  

  縦糸張り、横糸張りを指導する。
  決して、お兄さん、お姉さんとして接しないで、「教師」として関わること。
  これを強調する。
  

  始業式前に必ず指導しなくてはならない。

  参考文献『必ずクラスがまとまる教師の成功術』(学陽書房)

 ②次は、「仕組みづくり」。
  始業式前に、済ませておかせることがある。
  ・教室づくり(机、椅子など)
  ・給食指導
  ・清掃指導
    ・日直指導
  ・当番づくり
  
  

  参考文献『新卒教師時代を生き抜く心得術60』(明治図書)

  次には、1週間を乗り切らせる。
  毎時間をどのように作って行けばいいか。
  

  1時間1時間について、私のシナリオが提示されている。
  これを参考にさせるといい。
  
  

  参考文献『新卒教師時代を生き抜く初任者1ヶ月の成功シナリオ』(明治図書)

  ③そして、次は「ルールづくり」(「集団づくり」の原則になる)。
  このルール作りは、すぐに始めさせていく方がいい。
  

  私が提唱している「目標達成法」が良い。
  私が担当している初任者は、これを使い見事なクラスを作り上げた。
  

  簡単にできるのでお薦めである。

  参考文献『新卒教師時代を生き抜く学級づくり3原則』(明治図書)

  ④うまく行く初任者と、うまく行かない初任者がいる。
  「やり方」がまずいのである。
  

  「教師」としての覚悟ができていないこともある。
  「時間管理」がうまくいっていないこともある。
  

  その時には、私の以下の本を読ませてほしい。

  参考文献『必ずクラスを立て直す教師の回復術』(学陽書房)

   ★
 ゆたQさん、どうでしょうか。
 先生の質問の答えになったでしょうか。

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コメント

野中先生、愛知のTOSS超末端教師さん、いろいろ教えていただいてありがとうございます。

授業づくりと学級づくりの違いがより明確になりました。
この2つは主となる目的が違うと言う意味なのですね。すっきりしました。

学級づくりの目的達成のために必要なことが「ルールづくりと仕組みづくり」、この2つを指導する大前提が「関係づくり」なのですね。よくわかりました。

私も子どもの関係づくりが一番大切であると思っています。子どもとのよい関係性がなければ、叱ってもムダ、ほめてもあまり効果がないと思います。(もちろん、それでもあの手この手でほめ続けるのですが)むしろ関係づくりがうまくいかなければ、ルールづくり仕組みづくりもうまくいきませんよね。

初任者の2人には関係づくりについて自分の知っている限りのアドバイスをしようと思います。先生の書籍なども紹介してみます。

自分の中では、自分の教師としてのキャラを知ることがとても重要だと思っています。
自分は縦糸の弱い教師です。でも、だからと言って縦糸をがんがん張ろうとしても、子どもからしてみれば「なんか変」「キャラ違うよね」と思われていたかもしれません。そうやって意識して縦糸を張っていた時はうまくいっていなかったなと思います。どの教師にもその人の個性がありますよね。それぞれの教師らしさを発揮できるように、初任者2人にアドバイスしていきたいと思います。

ありがとうございました!

投稿: ゆたQ | 2014年8月25日 (月) 17時55分

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