夏が終わる~「態度づくり」が必要~(1)
この夏も、さまざまなところに呼ばれて行くことができた。
そこで聞かされたことは、初任者の大変さである。
安定していると思われる地方の学校でも、初任者のクラスが荒れている。
初任者7,8割のクラスは荒れるというのは、ほんとうである。
今に始まったことではないが、ますます度合いがひどくなっている。
以前では6月頃に荒れは始まるのに、最近では4月末あたりから始まる。
これは何だろう?
★
私が初任者になったのは、1970年の初頭。
横浜では何千人もの初任者が採用された。
その頃、初任者の学級崩壊(そのような名前もなかったが)はなかった。
少し賑やかになるぐらいの程度。
辞める人も聞いたことがなかった。
誰でもが普通に教師をやることができたのである。
あれから40年………。
何がどのように変わってしまったのだろうか。
★
私が初任の頃、何の準備もすることなく、教師になった。
それこそ、お兄さんがガキ大将になった感じ。
困っていると、子供たちが、「前の先生はこうしていました!」と教えてくれた。
その通りにやっていれば十分に教室は回って行ったのである。
先生には従っていくものだという「縦糸」の枠組みがきちんと成立していたのである。
その枠組みに乗っかっていけば、誰でもが教師をやれた時代である。
★
今の初任者の先生たちが、私達の時代よりも劣っているわけではない。
むしろ、がんばっているのである。
ただ、学生から教師になり、即担任をしなければいけない場合、私達の時と同じように「お兄さん」「お姉さん」のような気持ちで子供たちの前に立つことは極めて危険である。(初任者本人は決してそんな気持ちではないが、すぐに切り替えることはできない)
その場合、何が必要なのか。
どのような気持ち、態度で子供たちの前に立てばいいか。
そして、何をしていけばいいか。
「態度づくり」という言葉で呼ぶことにしよう。
このことについて、教員養成の大学はほとんど何も教えていない。
教育委員会も、困っているが自覚的に動いているところはまだ少ない。
学校現場は、初任者を育てていくノウハウをほとんど持っていない。
教員たちは、自分のことで精一杯になっている。
学校現場は、あと10年経てば、若者たち中心の現場になる。
その波は、都市ではすでに来ている。
地方は、あと4,5年で始まる。
どうしてもこの「態度づくり」が必要である。
これがなければ、まともに初任者は1年を終えられない。
ぞくぞくと初任者が辞めていっているのは、このためである。
次回にこのことをくわしく書くことにしよう。
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