問題はシンプル。複雑に考えないことだ!
こんなコメントもついている。
Aquaさんからのコメント。
いつもありがとうございます。
昨年初めて6年生担任をされて、大変な1年を送られた。
以前こんなコメントも付けられている。
★ ★ ★
アンナ先生のお手紙を読んで、昨年度六年生を担任して、悩み、苦しんだことを思いだしました。
子どもたちと良い関係を築けず、自分を責めました。子どもたちに申し訳なくて。保護者の方達にも心配をかけました。
何人かの先生方に助けて頂いて、ボロボロでしたが、ようやく一年間を終えました。
今年度は、希望学年を担任させて頂き、楽しく過ごしています。
私の力不足が原因でしたが、いくつかの学びはあったと思います。
今後、高学年を担任するかどうかはわかりません。
もしも、担任することになったら、野中先生の「縦糸と横糸」を念頭に、学級経営をします。
★ ★ ★
今回も、このようなコメントをもらっている。
★ ★ ★
野中先生には、昨年度お世話になりました。
昨年度、初めて六年生担任をした私は、六年生という発達段階をあまり理解しないまま、学級経営をしてしまいました。
縦糸を張れず、学級を不安定にしてしてしまいました。
どんなに頑張っても人間関係を修復できず、野中先生の本にすがりました。
ここでも悩みを聞いていただいて、やり過ごすことを選びました。
何とか卒業式まで持ちこたえることができたのは、野中先生のおかげです。
もちろん、校内の先生方にも協力していただきました。
もっと勉強しておくべきだったと思っています。
今年度は、希望学年を担任し、とても落ち着いた毎日です。
この子たちにできることを精一杯します。
★ ★ ★
高学年の子供たちが特別な子供になっている。
ひょっとすると、中学生よりも大変ではないかと予想する。
だから、低学年や中学年ばかり持っていた先生は、よほど慎重にいかないと大変なことになる。
Aquaさんも、初めての6年生担任で、とんでもない大変さにあわれている。
だが、こんな先生は全国にごまんといるに違いない。
ここでAquaさんが強調されているのが、縦糸・横糸のことである。
今年、赴任前に行う初任者研修を2つの教育委員会で行った。
始業式前に行った初任者研修は、2つの教育委員会。
ここの4つの教育委員会では、辞めていく初任者がいないと聞いている。
私の初任者研修の話が、いくらかの効果をもたらしているのかもしれないと手前味噌的に考えている。
それは、やはり縦糸・横糸のことである。
この視点を持って現場に行くのと、全く知らないで現場に行くのとではまったく違う。
この視点を持たなければ、初任者はお兄さん、お姉さんの気持ちで「仲良し友達」を子供たちと目指そうとする。
最近は、すぐにクラスが荒れていく。
ところが、この視点を持っていると確実に「教師」として子供たちと関係を持とうとする。
私が指導した初任者は、確実に落ち着いたクラスを作り上げていた。
この違いは大きいはずである。
もちろん、知っているだけで実践できなければ何にもならないのだが…。
★
現在の初任者研修は、ほとんど「授業」に偏った指導をしている。
初任者指導の先生方も、ほとんど「授業」に偏った指導であろう。
実は、私も初任者指導として1,2年目はそうであった。
効果はさほど上がらなかった。
ところが、初任者が最初に必要なのは、「学級づくり」である。
とくに、子供たちとの関係づくりは決定的である。
ここで90%以上、クラスがうまくいくかどうかの岐路になる。
それほどに大切である。
このことを現場は教えられない。
周りの先生たちは、自分のクラスで精一杯。
初任者指導の先生たちは、「授業」の指導をしようとする。
これではダメだ。
辞めていく初任者が続出しているのは、このことが原因である。
その初任者が教師に向いていないとか、教師としての力がない(当たり前だが)とかの問題ではない。
もう一度繰り返すが、子供との「関係づくり」と「学級づくり」の問題でクラスが荒れているのである。
このことは強調してもしすぎることがないほどである。
また初任者でなくても、同じようにクラスが荒れていくのは、ほぼここに問題があると思った方がいい。
問題はシンプルなのだ。
複雑に考えないこと。
ただ、中堅やベテランの先生は、今まで身につけた「先生としての習性」をどれだけ振り返り、変えられるか、そこが大きな課題になる。
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