アンナ先生への手紙(7)~教室の「時間」の統率回復作戦~
「アンナ先生への手紙」も今回で終わりである。
アンナ先生が、夏休みまでがんばって続けられたのか、それが心配だが、アンナ先生どうだろうか。
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今回は、教室の「時間」の統率回復作戦について書く。
教室には、一日の「時間」が流れている。
朝来てから、終わりの会までの時間。
この「時間」が教室を規定している。
この「時間」がスムーズに進むことが統率ということになる。
この「時間」がごとごとと止まってしまったり、乱れてしまったり、ぐじゃぐじゃになったりしてはいけない。
必ず、子供たちを乱していく。
子供たちは、「スピード」の塊であるから、このスムーズさがなくなると乱れてしまう。
学級が荒れていくと、必ずクラスに「スピード」がなくなる。
子供たちもだらだらする。
だから、まずしなければいけないことは、教室の「スピード感」を回復することになる。
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教室で作ってきた、「朝自習」「朝の会」「授業の最初と最後」「給食」「掃除」「終わりの会」の仕組みを見直さなくてはならない。
これがスムーズに行っているかどうかなのである。
まず止めること。
それは、スピードのない活動。
だらだらした朝の会、終わりの会。
チャイムや日課表を守らない授業。
だらだらした給食の準備、後片付け。
だらだらした清掃。
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朝自習は、おしゃべりのない時間として組むこと。
教師も早く教室へ行って、朝自習に付き合うことが必要。
10分間。
日直は、前に出てきて教卓で朝自習を行う。
おしゃべりがあったら、すぐに注意をする。
日直の役割になる。
これが静かに行えるなったら、まず第一段階を通過する。
朝自習が自分たちできちんと行えるならば、クラスが「集団」として成長していく第一段階なのである。
朝の会や終わりの会は、原則は5,6分。
これで終わりになるように組まなければいけない。
4月の最初は、朝の会は伝えることが多いのでよく1時間目に食い込む。
だが、5月になっても1時間目に食い込むならば、完全にプログラムが悪いのである。
終わりの会も、5,6分で終わること。
だらだらとやらない。
子供が一番嫌になる時間。
10分も20分もやっているならば、プログラムが悪い。
毎回、決まった子供しか言わない「良いこと探し」発表など止めることである。
それが学級づくりに効果的に作用しているならば必要なものだが、ほとんど習慣で行っている。
効果がないものはすぐに止めることである。
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最もこの「時間」の回復作戦で大事なのは、「給食」と「清掃」になる。
ここには、クラスの状態がすぐに現れる。
給食は、クラスが荒れてくると必ず準備と後始末がぐじゃぐじゃになる。
給食の残しも多くなる。
必ずである。
これを何とかしなくてはならない。
清掃も、同じである。
時間内に終われるようにどのように仕組みを作っていくか。
みんなで協力してはやく終えられるようにどのようにしていくか。
このことを何とかしなくてはならない。
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この回復作戦についてくわしくは『必ずクラスを立て直す教師の回復術』(学陽書房)に書いた。
ぜひ、この本を参考にしてほしい。
夏休み明け1週間が銀の時間になる。
この時間に再びクラスの回復に挑戦できることになる。
健闘を祈りたい。
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