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目の前の子供たちとどのように繋がるのか!

   ブログに「げんちゃん」からコメントがついた。
 いつもありがとうございます。
 

  次の言葉は、よく分かる。
 ★ ★ ★
初任者、若手教員の現場での苦しみのほとんどは、事務作業でも保護者対応でも授業力でもなく、子どもとの「関係づくり」だと断言してよいと思います。
私自身、最初の3年間は子どもとの「関係づくり」がうまく行かず、あっという間に学級が崩れていく様を目の当たりにしました。今振り返ると、典型的な「友達先生」になっていました。言葉遣いの崩れが、子ども達との距離感をあいまいにしてしまい、指示の非一貫性が6割の「どっちつかずの子ども達」を「やんちゃな子ども達」の側へと自ら追いやってしまいました。そして、指示を通すべき時に通せない、指示に従えない子どもや状況を怒鳴って何とかする、そうしているうちに怒鳴っても状況は悪化するばかり…。「つらい」という言葉では形容しがたいですし、本当に今思い出しても、暗い気持ちになり、ため息が出ます。何より、子ども達が一番辛かっただろうと思います。
 ★ ★ ★
 ★
 特に、次の言葉は私が強調していることでもある。

「 初任者、若手教員の現場での苦しみのほとんどは、事務作業でも保護者対応でも授業力でもなく、子どもとの「関係づくり」だと断言してよいと思います。」

 子供たちとの「関係づくり」。
 これができないで、病気に倒れ、辞職するという事態を招いている。

 今日本の教師でダントツに病気離職する人が多いのは、
 25歳未満の教師たちと55歳以上の教師たち。

 両方ともほとんどが「関係づくり」で失敗している。
 
 若い教師は、子供たちと「仲良し」になろうとすることによる失敗。
 

「仲良し」になることがだめではなく、こちら側のスタンスが「お兄さん」「お姉さん」だということが問題である。
 いわゆる「友達先生」なのだ。
 

「教師」としての「仲良し」を目指さなくてはならない。(私達は「横糸を張る」と言っている。

 ベテランの教師たちは、「縦糸の張りすぎ」による失敗。
 しょっちゅう厳しく叱りつけることを常道としている。
 
 

  以前は子供たちの方で耐えていたのだが、もはや反発の対象でしかない。
  厳しいということは決して否定されることではないが、これも限度ものである。
 

  それでも「横糸を張る」ことができれば何とかなるのであるが、それもない。

 「教師」として縦糸・横糸をバランス良く張れれば、問題のほとんどが片が付く。
  私達は、はやくこのことに気づかなければいけない。

 初任者指導は、ここに重きをおいて指導しなければいけない。

 大学の教員養成の先生方、教育委員会の初任者指導の先生方、現場で指導している初任者指導の先生方に強く訴えておきたい。
 
  ★
 『申し訳ない、御社をつぶしたのは私です』(大和書房)を読んだ。

 気鋭のコンサルタントが、内幕を暴露した本。
 さまざまな大手のコンサルティングファームを渡り歩いてきた実力派コンサルタントが、自らとコンサル業界が犯してきた数々の過ちを暴露している。

 「戦略計画」「最適化プロセス」「業績管理システム」「マネジメントモデル」「人材開発プログラム」「リーダーシップ開発」……こうして続く舌を噛みそうな方法論がいかに無意味で余計なものかを暴露している。

 著者カレン・フェランは言っている

 〇単純な「話し合い」が効果を発揮する。

  〇必ずうまくいった「シンプル」な手法

 〇泥臭い「ブレインストーミング」の効果

 そして、次のように結論づける。

 ★ ★ ★
 関係者全員で取り組みもせずに、ビジネスの問題を解決できると約束するようなツールや方法論やプログラムや取り組みは、ことごとく失敗する。ソフトウェアプログラムであれ、変革活動であれ、業務オペレーションを改善するには、関係者全員を巻き込んで一緒に取り組むしかない。それさえできれば、どんなツールや方法論を用いるかは、たいした問題ではない。人間こそ問題の原因であり、解決の手立てなのだ。
 ★ ★ ★
唸ってしまう結論である。
 日航を立て直した稲盛和夫氏が取り組んだこともこのことだったことを思いだす。

 ★
 何を言いたいのか。
 もう一度繰り返したい。

 今さまざまに問題になっている学級崩壊現象は、担任と子供たちの「関係づくり」の問題である。
 だから、目の前の子供たちとどのように繋がっていくのかが最大の問題になる。

 友達先生流の繋がりではだめだ。
 厳しいだけの繋がりではだめだ。

「教師」として縦糸・横糸をバランス良く張ること。
 これである。

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コメント

はじめまして。
先生の講演会を何度か参加させていただいたことがある小学校教員3年目のものです。先生の講演会や著書で横の糸と縦の糸の話は以前から知っていました。しかし、現場に出て、いざ学級経営を始めると、その考えも日々の忙しさから消えてしまっていました。しかし、3年目になり、後輩ができてようやく『友達先生』と横の糸がはれている関係との差が分かりました。それは多分、横の教室に初めて新任が来たからだと思います。人の振り見て、我が振り直すとはこのことだと思いました。新任と関わることで私自身が学んでいることにも気がつきました。先生のブログを読んだ感想になってしまい、すみません。毎回初心に戻る意味でこのブログの更新を楽しみにしています。

投稿: M | 2014年8月14日 (木) 15時17分

野中先生、こんにちは。私の拙いコメントを取り上げていただき、ありがとうございます。
「関係づくり」ということで言うと、野中先生もおっしゃる通り、若い先生だけでなく、50歳を過ぎたベテランの先生方も苦労している状況だと思います。しかし、教師が苦労していればまだいい方で、子ども達が我慢している分、縦糸、横糸の張り方に問題があるのにそれがなかなか表面化してこない、という状況があります。なかなか指摘も難しいので、周囲から声もかけにくい・・・、という難しさがあります。
そして、「ももさん」のコメントを拝読してなるほど、と思ったことがあります。若手教員は「縦糸」、ベテラン教員は「横糸」の張り方が苦手、というのが従来の私の認識でしたが、若手でも「横糸」をうまく張る先生と、子どもとの関係をフラットにし過ぎるあまり「友達先生」に成り果てる先生とに大きく二分されるんだ、ということに改めて気づきました。そしてそれは、「目の当たりにして」初めて気づく場合もある、ということです(自分もそうでした)。
いくら書籍に学んでも、セミナーに出かけても、「現場」という視点を欠かしては自らの血肉になりません。「かくれたカリキュラム」ということも含めて、「現場」で生きる自分の姿を常に客観視していくことの大切さに気付かされました。

投稿: げんちゃん | 2014年8月16日 (土) 21時52分

M先生、げんちゃん、コメント有難うございます。なるほど、なるほどと了解できました。友達先生と、教師として「横糸を張る」ことにはやはり差があるのですね。
 教師にならないで、兄さん、姉さんの気持ちで子供たちに対していけば、待ち受けている現実は厳しいですね。そのことがよく分かります。

投稿: 野中信行 | 2014年8月17日 (日) 15時16分

M先生へ、お願いです。次のところをもう少し詳しく教えてくれませんか。
「後輩ができてようやく『友達先生』と横の糸がはれている関係との差が分かりました。それは多分、横の教室に初めて新任が来たからだと思います。」

「友達先生」と橫の糸がはれていることの差ですね。隣の初任の先生を見ながら、どこのところが違っていたのでしょうか。これが分かってくると、初任の先生たちへのアドバイスがもう少し具体的になれると思います。

投稿: 野中信行 | 2014年8月18日 (月) 09時54分

こんにちは、Mです。
私のコメントを見てくださり、さらには質問をしてくださったことに感動しています。本当にありがとうございます。
具体的なことですが、横糸の解釈が違っていたら、すみません。
気になったことは、あだ名で先生のことを呼んでいたり、先生の椅子や机を勝手に使っていたり、頭を叩いていたりすることです。もちろん、冗談でしているのはわかりましたが、それに対し注意しないのはやはり心に引っかかりました。私は、横糸とはきっかけがこのような子供の試し行為だとしても、その後にきちんと話し、よくないことは良くないと言えることだと思っています。関係が作れているからこそ、その子供に響く言葉かけができるのだと思っています。そのための横糸だと思います。
こんなことを言っていますが、私も新任の時はそうでした。「若い間にしかできないことを」と思い、子供が気軽に話しかけてきたり、叩いたりすることに対し、「はいはい」としか対応できていなかったように思います。ただ、そうなると、2学期の後半には、本当に叱りたいときに私の言葉が通らなくなりました。気づいた時には、もう学級のルールが崩れていたんです。私に対する言葉遣いで友達を傷つける子も出ました。二つの糸のバランスの取り方が難しいと実感しました。
長くなりましたが、後輩のおかげで私自身が成長できています。この年で気がついたことは、後輩に伝えていき、共に成長していきたいと思います。

投稿: M | 2014年8月26日 (火) 19時50分

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