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アンナ先生への手紙(5)~教室の「空気」と「時間」の統率ということ~

   前回は、「8割を味方」にするということを書きました。
 今回は、「8割を味方にする手立て」を具体的に書いていくことにしましょう。
  ★
 「8割を味方」にするには、まずしなければいけないことがあります。

 〇8割の子供たちが願っていることを実現すること。
  
 

  この願いを、子供たちは決して言葉にしませんが、2つ強く願っています。

  ①早く教室を安心・安全で居心地がいい場所にしてほしい。
  ②先生がリーダーシップを発揮してほしい。 
 
 

  「安心・安全」な場所にするためには、教室でのルールをきちんとしていくことです。 「居心地がいい」場所にするためには、教室の中でのさまざまな仕組みがスムーズに進んで行くことです。
 

  ①の実行のためにも、担任の先生は、頼りがいのある先生でいてほしいのです。
 だから、「厳しい」先生というのを子供たちは決して否定はしないのです。

 ★
 「安心・安全」で居心地が良く、「頼りがいのある先生」になるためには、2つのことをしなくてはなりません。

  〇教室の「空気」と「時間」を統率すること。

 とりあえず、これだけでいいのです。
 教室は、とりあえずこの2つによって成り立っていくのですから。
 

  1ヶ月間は、ひたすらこれだけを考えていればいいのです。
 反面、この2つの統率ができているかどうかが、落ち着いたクラスになっていくかどうかの試金石になっていきます。
 

  アンナ先生のクラスは、この2つの統率が危うかったのでしょうね。

 これは何だろうと思われるのでしょうが、少し説明が必要です。

  教室の「空気」とは何か。
 教室で、担任と子供たちで作る「雰囲気」です。目には見えません。
 

  昔、「KY」とかいう言葉が流行りましたが、この「K」に当たる部分です。
 担任がリーダーシップを発揮していれば、当然この「空気」は担任が握っていきます。

  これを「統率」という厳しい言葉にしましたが、これが一番適切な言葉だと考えています。
 

  この「空気」を担任が統率できなくて、2,3人の超やんちゃに握られてしまえば、一気に教室は不穏な「空気」になっていきます。
 

  2,3人のやんちゃは、自分勝手なことを始めていきます。
 また、しょっちゅうもめごとが起こってきます。
 

  2,3人のやんちゃがらみのもめごとが多いはずです。
 先生は、しょっちゅうそのもめごとの仲裁にあたらなければいけなくなります。

 教室の「時間」とは何か。
 教室に流れている「一日の時間」です。
 

  子供たちが学校へ来てから帰っていくまでの「一日の時間」。
 これも目に見えません。
 

  朝自習―朝の会―1時間目―2時間目―中休み―3時間目―4時間目―給食―掃除―昼休み―5時間目―6時間目―終わりの会
 ほとんどの学校が、このような流れのはずです。
 

  この「時間」の流れは、それぞれの「仕組み」で成り立っています。
 

  朝自習の「仕組み」
 朝の会の「仕組み」
 1時間目の授業の「仕組み」
 中休みの過ごし方の「仕組み」
 …………
 給食の「仕組み」
 掃除の「仕組み」
 …………
 問題は、この「仕組み」がスムーズに流れるようになっているかどうかです。
 

  スムーズに流れるようになっていることを「時間」の統率と言っています。
 なぜ、ここに拘るかというと、子供たちは、この一日の流れがスウッ~~~~とスムーズに流れることを強く願っているからです。
 

  彼等の体は、「スピード」の塊であり、「スムーズさ」を特に好みます。
 だから、この仕組みがギクシャクしたり、だらだらしたり、滞ったりしたら、とたんに不快に陥ります。
 

  不快になったら、子供たちは、だらだら、まったり、うろうろし始めます。
 これは「不快だ!」と叫んでいることになります。
 

  この仕組みがスムーズにいくことは、担任の仕事です。
 担任は、1か月で、この仕組みが子供たち自身でスムーズに動かせるように繰り返し繰り返し教えていかなくてはなりません。

 ★
 アンナ先生、この「空気」と「時間」の統率、どうだったでしょうか。

 この「空気」をやんちゃたちに握られてしまって、先生の統率がきかず、教室全体が騒然とした雰囲気になっていったのではないでしょうか。

 また、この「時間」の統率がうまくいかず、だらだら、まったり、うろうろして、いつも決まった時間に遅れてしまうことを繰り返したのではないでしょうか。
 

  クラスがうまくいかなくなるということは、同時にクラスにスピード感がなくなるということなのです。

 ★
 次回は、「空気の統率回復作戦」「時間の統率回復作戦」について書きますね。

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コメント

はじめてコメントさせて頂きます。(ちなみに男性です。)

私も以前、小学校で講師をしていましたが、同じ教育の仕事ですが、どうしてもその仕事がしたいという気持ちが勝り、講師を退職しました。

ただ、もう一つ理由があります。
それは、子どもたちに対して理不尽なところを見せることがどうしてもできなかったからです。

かつて勤務していた小学校でこんな先生がいました。

新採の20代の女性の先生でした。
TOSSをはじめ、いろいろな指導法を研究されていて、授業の進め方もとても堪能でした。仕事も自分なりに効率よく進めていらっしゃいました。
また、人間的にも本当にすばらしい方でした。

しかし、その先生のクラス(1年生。一年目は別のクラスを担任。)は2年目の後半から学級崩壊を起こしました。
この先生は、3年目に退職しました。

私が原因として考えられるのは2つ。
一つ目は2年目に音楽の校務で(全校音楽の時に)全校の前でピアノを弾かなければならず、これが負担になったのではないか。
二つ目は子どもに「理不尽なところがある自分」を示せなかったことではないか。

私から見ると、学級崩壊しない先生は、どことなく(多少でも)理不尽なところがあるように見えます。

このブログでも20代の女性の先生が「教師を辞めたい」といったコメントをされていますが、若い女性の先生は、(いわゆる)民主的に学級経営をする方が多いので「理不尽な部分」がない、それで子どもたちが荒れる・・・のかな、と思う時もあります。

そこで、質問させて頂きますが、
①(特に小学校の)教師は、子どもにいくぶんでも理不尽なところを見せた方がいいのですか?
②私は、①の考え方は戸塚宏氏の教育論につながるので、このように思いたくありませんが、ただ、戸塚氏も「子どもに十分な自然体験活動をさせれば、スパルタ教育は不要。」といったようなことを言っています。これについてどのようにお考えですか?
③わが国の教育は言うまでもなく日本国憲法の理念のもと、行われています。しかし、実際には教育の場にしろ、労働の場にしろ「~のため」という名のもと、法律の基準を超えることが次々に行われています。そこで、質問なのですが、今の日本の現状を考えると、日本国憲法は「大幅に」改正した方がいいと思いますか?私は反対ですが、今の日本の現状を見ると、戦前の帝国憲法の方がこの国に合っているのでは、と思う時さえあります。
④公立小学校の教師は、子どもたちに「理不尽な部分」があるところを示せない人には向いていないと思いますか?
⑤ここまでこうしたことを書かせて頂いても、私は教育現場は「自由と民主主義の精神」がこれからのわが国のあり方を考えても必要だと思います。今、道徳の教科化が議論されていますが、もし、小学校でも高等学校の「公民」のような時間があれば、民主的な学級運営が可能ではないか、と思います。これについて意見をお願いします。

突然に、いくつもの質問、申し訳ありません。お忙しい、何か差しさわりがある等の理由がおありであれば、回答して頂かなくても全く構いません。(当然ですが。)また、一部の質問の回答に差しさわりがあれば可能な部分だけでもお答え頂けるとうれしいです。

長文、失礼しました。


投稿: なっちゃリズム | 2014年7月23日 (水) 15時35分

 横レスで申し訳ありません。
 「理不尽な部分」という意味がよくわかりません。
 したがって、全体の文脈がよくわからないままなのです。

 「理不尽な部分」「理不尽なところがある自分を示せない」
 これと学級崩壊との関係もわかりません。
 分からないので、コメントのしようがありません。
 示せれば私なりにご返答できるかもしれませんが。

 
 教えてもらえれば幸いです。
(私のPN(TOSS)のことは意識しなくて結構です)

投稿: 愛知のTOSS超末端教師 | 2014年7月23日 (水) 20時08分

 今日、3件目の投稿です。

 
 なっちゃリズム先生と私のやりとり、佐世保事件が取り上げられて、アンナ先生のことが取り残されているのに気がつきました。

 
 アンナ先生様
 ブログを読まれるのも結構ですが、自分で本を買われるのがいいと思います。
 まずは、「必ずクラスを立て直す教師の回復術」(野中信行著 学陽書房)のご一読を。
 余裕があれば、野中先生の新任教師シリーズ5冊(明治図書)を。(おすすめ順は赤の本→青の本→黄の本→その他 かな)
 もっと余裕があれば向山洋一著「授業の腕を上げる法則」(明治図書) 同「子どもを動かす法則」(明治図書)かな。


 野中先生もお忙しいです。自分でもご努力くださればと思います。

投稿: 愛知のTOSS超末端教師 | 2014年7月30日 (水) 21時30分

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