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大阪市教委が画期的な対応策

    大阪市教委が,子供の問題行動に対してとろうとする具体的な指導内容が分かってきた。
 次のような内容である。(朝日新聞デジタル、2014.6.9)

 http://www.asahi.com/articles/ASG686JYMG68PTIL003.html?iref=comtop_6_01
 
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 問題児童らを隔離、「特別教室」で指導へ 大阪市教委案

  子どもの問題行動に対し、大阪市教育委員会がまとめた具体的な指導案の内容がわかった。一定レベルを超える悪質な問題行動を繰り返す児童・生徒を在籍する市立学校から引き離し、1カ所に集めて指導する「特別教室」を新たに設ける。10日に開く橋下徹市長との協議会で正式に示し、来春にも実施する方針。文部科学省によると、こうした対応は珍しいという。

 問題のある子どもの安易な「排除」につながるとの批判も予想され、議論を呼ぶとみられる。市教委事務局関係者によると、特別教室には、問題行動の対応に豊富な経験や心理学など専門的知識がある教職員らを配置。社会や学校でのルールの大切さを教え、他者を思いやる態度を育てることに重点を置く。

 対象となる行為は、校内暴力、非行、著しい授業妨害などを想定。具体的には、市教委が昨年9月に策定した問題行動の5段階の分類のうち、「レベル4」(激しい暴力など)と「レベル5」(極めて激しい暴力など)に該当する場合、特別教室で指導する。その際、出席停止や警察など関係機関へ連絡したうえで、行為の悪質さや周囲への影響の大きさなどを考慮して期間を定める。
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 朝日は、「問題のある子どもの安易な『排除』につながるとの批判も予想され、議論を呼ぶとみられる。」とコメントをつけている。

 実態を知らない者がこのような議論をふっかけるのである。
 今学校現場で起こっている事態は、こんな生やさしいものではない。
 ほとんど教室が機能できないほどに暴れまくり、教室を壊しにかかっている一部のやんちゃたちがいる。
 注意や叱りは、何の効果もない。
 体罰ができないことをやんちゃたちは知っているので、やりたい放題になる。

 大阪市教委が、初めてこのような具体的な案を出し、行動に移そうとしている。
 むしろ遅いと、思っている。

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 前回のブログでも書いたことだが、1月末にアメリカカリフォルニアの日本人学校(補習校)を訪れ、当校の校長、教頭に日本で起こっていることを説明した。

 親しい知り合いの校長が教室を訪問するたびに、校長に向かって「死ね!」と挑発する子供について、校長は、「野中先生、そんな言葉を校長に投げつけたら、アメリカではその場で退学です」と言い切った。

 当校でも、中3の生徒が、現地校の担任への抗議に、匿名のメール(メールの最後に捨て台詞みたいな言葉を付け加えていたらしい)を出したら、警察へ訴えられて探し出されて退学になったという事実を伝えてくれた。

 それほどまでにアメリカの「ゼロ・トレランス」は厳しいのである。
 だから、さまざまな問題もあるということである。

 ドイツでは、教室の授業を妨害する生徒に「注意3回」を行い、それでも良くならない場合は、家庭へ「書面3回」を出し、それでも良くならない場合は、退学になると聞いた。

 とても日本では実施できないことである。
 
 しかし、確実に言えることは、アメリカもドイツも、学校や教師たちにきちんと権限を持たせているということである。

 日本は、学校や教師にはほとんど何の権限もなく、生徒達のやりたい放題に任されている事態である。

 その意味で、今回の大阪市教委の具体案は、画期的なことになる。
 それだけ大阪の事態が深刻であるのだが……。
 
 問題行動への5段階の対応も、ほとんど当たり前のことになる。
 すぐにでも、この大阪市教委に続かなければいけない教育委員会は数多くあるはずである。
 
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 日本の教育政策の中心でなければならないのは、「子供」でも「教育内容」でもない。 「教師」をいかに元気にするか、なのである。
 もはや疲弊しつくしている「教師」をどのように元気にしていくのか、それが最大の課題になる。

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