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自分の授業技量を向上させる機会を持っていない!

   「味噌汁・ご飯」授業研究会の同志である秦安彦先生から再びブログに次のような記事が出された。
 とても大切なことが書かれているので再録する。

 http://dousureba2.blog.so-net.ne.jp/

 ★ ★ ★
SOS話法から学ぶこと 2

野中先生のブログで前記事を紹介していただいた。
野中先生、ありがとうございます。

野中先生の記事で私が気になったのは次の1行であった。
僭越ながら敢えて書かせていただく。
 

「それでも、私が行う授業は現役の頃よりうまくなっている気がする。(笑)」
ここに日常授業の課題が潜んでいるのだと、私は思う。
ご存じのように、野中先生は初任者指導のスペシャリストとして
活躍されている。
ブログの中で、何度も書かれていたことの一つが、
初任者指導で教室の後ろから授業をみるようになって、みえるものが変わったと
いうことだ。
私も微力ながら初任者指導を経験して同様のことを感じた。
私などは初任者指導をしながら、自分の過去の授業と比較し、
初任者の授業を参観しつつ、自分の授業を客観視していたのだと思う。

先日、初任者のクラスで漢字指導をした。
練習や覚え方の指導を含めた指導だったので、
教師のしゃべりも割と多くならざるを得なかった。
それでも、初任者から得た感想は、
「私、普段の授業ではあんなに子どもたちをほめていません」
というものだった。
私が子どもたちにかけた言葉は、極めて単純なものばかりだ。
「素晴らしい」
「ここ、いいね」
「へえ、そんなふうに考えたの」
「なるほど」
この程度だ。
但し、投げかける回数は意識した。
机間巡視をしながら、次々に声をかけるよう努力した。

「味噌汁・ご飯」授業研究会が提起する授業を客観視するための
システムは実にシンプルだ。
「一人研究授業」である。
授業を録音し、最後まで我慢して聴く。
これをした多くの初任者が同様のことを私に話してくれる。
「自分が思っていた以上に、こんなにもほめていないということがわかりました」
と。
「自分が思っていた以上に」
ここに気づくかどうかが、日常授業改善のポイントのような気がしてならない。

 ★ ★ ★

 私達の「味噌汁・ご飯」授業研究会の研究方法が「一人研究授業」が紹介されている。

 この研究授業は、どうしていくのか。

 ①自分の授業を録音する。
 ②録音したものを我慢して聞く。
 ③ねらいを持って取り組み、口癖や無駄な言葉をチェックする。

 この簡単な方法になる。
 いつでも、誰にも迷惑をかけないでできる。
 効果は絶大である。

 1ヶ月に1回ということにしているが、1週間に1回、2周間に1回でもいい。
 時間の余裕があれば、それだけ取り組める。

 ただ聞きっぱなしにしないで、必ずメモをしておくことである。

 初任者指導の中心に、この「一人研究授業」を持ってくることを強く提案している。
 とにかく、初任者には、自分の授業を聞かせた方がいい。

 「何と自分はしゃべりまくっているのか!」
 「意味がない言葉をいかに多くしゃべっているのか!」
 「記憶にないことを話している」
 ………………

 自分の授業は自分でイメージできるはずのものが、実際の授業はまったく別物であることに気づくはずである。

  自分の授業がどの程度のレベルにあるのか認識することで、他者の授業が見えてくる。 ここで初めて他の教師の授業を参観して、自分の授業と見比べることができるようになる。
 他の授業から学んでくることができる。

  ★
 初任者に限らない。
 今学校現場では、多くの教師が自分の授業技量を向上させていく方法論がまったくない状態に晒されている。

 私は初任者研修会で初任者に訴える。
 「あなたたちは、これから授業を繰り返して経験を積み重ねていけば、そのうちに授業がうまくなっていくと思っているのではないでしょうか?」
 
 ほとんどの先生が頷いている。
 


「それは幻想です。そんなことはありません。その証拠にこれからいっぱい中堅やベテランの先生たちの授業を見せてもらう機会があると思いますが、そこで授業が上手な先生はほんの一部の先生たちであることにきづくはずです」
 

「毎日授業をただ繰り返しているだけでは絶対に授業はうまくなりません」
「授業は意図的、継続的に繰り返さなくてはうまくなりません」
 ★
 今までは授業の技量をあげることは、研究授業がその役割を担っていたはずである。
 しかし、ほとんど意味がない研究授業が行われていて、授業技量をあげるという方向で成立していない。

 だから、中堅やベテランになっても、ひどい授業を相変わらずしている。

 もう一度言うが、今学校現場では、先生たちが自分の授業技量を向上させる機会をほとんど持っていない。
 ほとんど個人に任されてしまっている。
 


 さまざまな研修場所に行って、身銭を切って学んでいる人だけが自分の授業技量を向上させるだけである。

 だから、そんな時間も余裕も持っていない人たちは、ほとんど何も学ばないままで中堅やベテランになっていく。

 ここに是非とも目を向けてもらいたい、と私は強調している。

 ★
 「味噌汁・ご飯」授業は、ここに挑戦をしたいと思っている。
 オリンピック選手みたいな特別な技量を身につけなくてもいい。
 

 「日常の授業」で、子供たち全員を授業に参加させ、子供たちに基本的な学力を身につけさせていく、そんな基礎・基本の授業技量は身につけよう。

 そんな提案である。
 
 それ以上の技量を身につけたいならば、それは個人的に身につけていけばいい。

  私たちの「味噌汁・ご飯」授業は、いま学校現場が見失っている基礎・基本の授業技量の獲得に挑戦している。

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コメント

 野中さん、こんにちは。
 山口県の中村健一です。

 今年は私も久々に初任者の授業を見ることが多くあります。
 で、驚くのが褒め言葉の少なさです。

 というか、初任者の授業を見て、初めて客観視できますね。
 私は常に子どもを褒めているみたいです。

 褒められると、子どもたちは喜んで動いてくれますからね。
 初任者がなぜ褒めないのか不思議です。
 初任者は、子どもを動かすのが苦手なのに・・・というか、褒めないから、動かせないのでしょうね。

 とにかく子どもを動かすには、褒めることです。
 私の言葉で言えば、「フォロー」ですね。

 野中さんが書いてくださっている通り、フォローはもっと研究されていいと思います。

                                           中村 ケニチ

投稿: 中村ケニチ | 2014年5月20日 (火) 18時49分

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