講演会で質問されたことに答える①~丸付けはどうしていたか~
紀伊國屋の講演のあと、サイン会で質問が出た。
その場では答えられなかった。
替わりに、この場で答えておきたい。
「丸付けなどは授業の中にどのように組み入れていくのでしょうか?」
こんな質問だったと思う。
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「味噌汁・ご飯」授業を実践していく立場として、勤務時間にぜひとも1時間の教材研究が取れる仕事術を身につけてほしい。
そのためには、放課後に行っているテスト、スキル・ドリル、書写ノート、ノートなどの丸付けを止めて、それをほとんど授業の中で行わなければいけない。
講演の中で、そのように私は提案した。
日本全国の先生たちは、1時間の教材研究の時間さえない。
そういうことでいいはずはない。
だから、せめて勤務時間中に1時間だけでも教材研究する時間を生み出そうと提案したのである。
★
ここには複雑な事情が絡まっていると考えている。
1時間の教材研究が取れない理由は、大きく2つある。
1つ目は、もちろん世界一過酷な仕事をしている日本の教師の忙しさにある。
これは言うまでもない事実。
この忙しさの中で、教材研究は諸々の仕事の最後になる。
教材研究をしないで授業をしている教師だっていっぱいいる。
でも、ひどい授業。
ほとんどが1時間中しゃべりまくる「おしゃべり授業」になる。
高レベルの教師なら、瞬時に教材研究をし、授業をされる。
きわめて短時間で(歩きながらでも)授業の組み立てをし、普通の教師がとてもできないほどの授業をされる。
これはもう瞬時にできる教材研究の方法が身についてしまっているからである。
普通の教師は、とてもこんなことはできない。
もう1つは、日常授業が雑務化しているために教材研究自体の大切さが薄くなっていることである。
そんなに身を入れて教材研究をしようという気にならない。
そんな気持ちが多くの教師たちの気持ちを包んでいる。
「日常授業」は適当にやればいいんだという気持ち。
それが雑務化の一番怖い現象である。
本来は授業は本務であるはずのものが、雑務の1つとして捉えられているためにこのような現象が起こる。
★
脱線してしまった。
さて、丸付けのことである。
これは私が実際に実践していたことを語ることにする。
①テストはどうしていたか
単元が終わったらすぐにテストをする。
まとめて学期末にテストをするなどということは絶対にしなかった。
絶対にこれをしてはならない。
テストの時間として1時間取る。
テストの机にする。(隣との距離を取る)
終わったら、必ず見直して、もういいとなったら、提出していいことにしていた。
静かに本を読んでおくのである。
テストを配付して、しばらくは勉強が苦手な子供、問題が読めない子供などに教える時間にする。机間巡視。
早く終えた子供が提出始める。
14,5名が提出したら、丸付けを始める。
丸付けは、答えを記憶できる範囲だけを一気につける。指サックをつけておく。
(見ている子供がびっくりするほどに速い)
だから、丸付けのペンにもこだわっている。
30名ぐらいならば、採点をして、名簿に記入して、その時間に返却できる。
解答つきのテストを採用していたので、答えを見ながら訂正をさせる。
その時間に返却できなければ、次の教科の勉強の時間に返却する。
間違い直しが生きてくるのは、返却の速さが勝負になる。 (続く)
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