「やり方」を修正することだけが課題である~コメントに答える~
次のようなコメントが、ブログに付いた。
★ ★ ★
こんにちは。
新卒で四月から小学校で働いているものです。
3月に野中先生の、「新卒教師時代を生き抜く学級づくり三原則」を買わせていただきました。
しかし四月になり、忙しさと何もかも分からないまま過ぎてゆく日々に追われ、学級づくりも子どもとの関係性もうまくいきません。
毎日自分を責める日々です。
上手くは伝えられないのですが、だんだんと子どもが荒れてきているのが分かります。朝の会や帰りの会、給食等の学級づくりが上手くいっていないことは明らかです。
二年生で、もう一ヶ月も経ってしまいましたが、今から立て直していくことは可能なのでしょうか…。
★ ★ ★
初任の先生である。
1ヶ月が過ぎて、クラスがうまくいかなくなっている先生である。
日本全国には、こういう先生たちがごまんといるに違いない。
「今から立て直していくことは可能なのでしょうか」と書いてある。
もちろん、可能である。絶対大丈夫。
7月までは、立て直しが十分可能である。
9月からは月が増すごとに立て直しは難しくなる。
「毎日自分を責める日々です」と書いてある。
これも初任者の通例のパターン。
初任者のほとんどがこれをやる。
無意味な行為である。
今、うまくいっていないのは、「やり方」がうまくいっていないのだから、その「やり方」を変えればいいのだ。
ただ、それだけのこと。
ところが、不思議なことに、多くの先生たちは、「自分のやり方」を変えようとしない。最もダメなのは、自分の「努力」不足だと思ってしまう。
もっと頑張らなければいけない、と考えてしまう。
そして、うまくいかないのでだんだん「自分はこの仕事に向いていないんだ」と決めこんでしまう。
今までそういう教育を受けてきたのであり、そのような考え方を学んできたのである。
もう一度繰り返したい。
うまくいくようにするには、うまくいく「やり方」をすればいい。
うまくいっている先生は、「やり方」が良かったのであり、うまくいかないのは、「やり方」がうまくなかったのである。
★
コメントの先生の「やり方」とクラスの状態を見ていないので、ここでくわしく処方箋を書くことはできない。
まず、私の「必ずクラスを立て直す教師の回復術」(学陽書房)を手に入れてほしい。それを読んで、こうやって実践していくのだと理解してほしい。
今までの自分の「やり方」のまずさがよく分かるはずである。
★
一般的に書くことにする。
1ヶ月の間に何をするか。
教室の「空気」と「時間」を統率すること。
この2つのことをしなければいけない。
なぜか。
教室には、教室を左右する、この2つが存在する。
目に見えない。
でも、決定的に大事なもの。
この2つの統率がまずいから、クラスは荒れていくことになる。
教室の「空気」の統率とは、教室に広がる雰囲気のこと。
この「空気」をやんちゃたちに最初に掌握されることで荒れが始まる。
担任がリーダーシップを発揮して、この「空気」を統率していないからである。
教室の「時間」とは、教室に流れる一日の時間のこと。
子供たちが朝学校へ来てから、終わりの会までの「時間の流れ」がスムーズに流れていくことが必要になる。
もちろん、この統率も担任の責任である。
★
担任が「空気」を統率するまえに、やんちゃたちに教室の「空気」を掌握されてしまうことで荒れが始まると書いた。
初任者のクラスは、このことがよく起こる。
それは、初任者が、子供たちと仲良し(友達になろう)になろうとすることから起こる。
仲良しになろうとしてどこが問題ですかと言われるであろう。
このような考えが決定的に問題。
先生は、子供たちと「仲良し」なんかになってはいけない。
先生がやらなければいけないことは、「教師」と「生徒」との関係をまず作り上げること。
まず「教師」にならなければいけない。
子供との「友達」になってはいけない。
ここが決定的に間違っていく。
先生は「教師」しなければいけないし、子供は「生徒」をしなければいけない。
この関係を作り上げるのである。
「教師」をするから、やんちゃたちをきちんと叱る関係ができあがる。
「友達」だったら、きちんと叱る関係などできっこない。
★
もう一つの「時間」の統率。
子供たちに、一日の時間の流れを「学級システム」として身につけさせる。
スムーズに進むこと。子供たちは、スピード感があって、スムーズに進むことを無意識的に好む。
体がスピード感で刻まれているからである。
朝自習、朝の会、1,2時間の授業、中休み、⒊,4時間の授業、給食、掃除、⑸,6時間の授業、終わりの会と続く時間の流れを子供たちが自分たちで進めていけるようにしなければいけない。
多分、この「時間」の統率がうまくいっていないのであろう。
★
教室の「空気」の統率の失敗と書いた。
どうしてこうなるのか。
①担任が教室でリーダーシップを発揮していない。
②担任が意識して、縦糸を張る、横糸を張ることをしていない。
③教室の「空気」をやんちゃたちに握られている。
④教室の中心に「まじめ派」の子供たちがいない。
こういうことになる。
また、教室の「時間」の統率の失敗は、次のことになる。
①集団がすばやくスムーズに動いていける段取りができていない。
②子供たちが自ら動いていける学習システムが作られていない。
★
とりあえず、このように一般的にしか書けない。
もう一度繰り返す。
うまくいっていないのは、「やり方」がまずいからである。
その「やり方」を修正すること。
これだけが課題になる。
健闘を祈りたい。
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