日本教育新聞の書評~庭野三省先生から書評~
庭野三省先生(新潟県十日町市教育委員会教育委員長)から「味噌汁・ご飯」授業本の書評を書いてもらった。
日本教育新聞(2014年4月28日)である。
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新年度が始まり、各学校では1年間の研修計画が作られ、職員研修がスタートしているに違いない。職員研修の中核は今も昔も研究授業の実施である。
本書は、この研究授業に対する批判の書である。学校現場や授業研究の指導をする大学の研究者は、本書を熟読され、これからの授業研究の在り方をぜひとも見直してほしい。例えば、次の文章に対しての対案がなければ研究授業の実施は、学校全体の教育力を高めないだろう。
「『研究授業』に取り組む意識と『日常授業』に取り組む意識が違いすぎる。しかも、それぞれがバラバラである」
どうやったら日常の授業が充実するのか、この具体策がない授業論は、もはや学校現場では通用しない。学力向上に授業力向上は欠かせない。ところが多くの学校では多忙化に追い詰められ、勤務時間中に教材研究をする時間すら大変になっている。ましてや小学校の教師なら異なる教科を、一日に何時間も授業をしなければならないのである。
これからの授業研究の主流は、日常授業の充実に結び付くものになってほしい。年に1回程度の準備万端な研究授業では日常授業の改善に直結していかない。この問題提起の本が、学校現場では活用されることを祈ってやまない。
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重要な問題指摘が、この書評の中には書かれてある。
「どうやったら日常の授業が充実するのか、この具体策がない授業論は、もはや学校現場では通用しない」
「これからの授業研究の主流は、日常授業の充実に結び付くものになってほしい」
この2つの指摘は、今までの「授業研究」を総括され、これからの方向を示している。まさに我が意を得たりとはこういうことである。
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