セネガルの兒玉先生から
北海道の知り合いである兒玉先生からコメントが入った。
兒玉先生は、いま青年海外協力隊員としてセネガル共和国に行かれている。
そこからのレポートである。
興味深く読ませてもらった。
ぜひ、みなさんにも読んでほしいと思い、ここに紹介する。
★ ★ ★
野中先生へ
お久しぶりです。
現在は、青年海外協力隊員として、セネガル共和国の小学校4校で活動しております。
「算数」を中心に、1日5クラスに入っております。
セネガルでは、10~12月を1学期、1月~3月を2学期、4月~6月を3学期としており、7月~9月までは、ロングバカンスとなっています。
セネガルで授業を行う際、「逆人種差別」的な扱いをされることがあり、困惑したまま1学期を終えました。
そんな中、ブログを読ませていただきハッとしたことがありました。
・上下関係 と ・信頼関係
セネガルでは、完全なる「上下関係」で授業が行われています。
残念なことに、「鞭」「暴力」などの体罰も残っております。
・張り過ぎの縦糸
ブログを読んでいて、この言葉がぴったりとあてはまりました。
セネガルの先生は、携帯電話が鳴ったり、保護者が来たり、時には先生自身が疲れたりすると、教室からいなくなることがあります。(生活習慣の一部となっていることを感じます。)
そんなときは、黒板に課題を1~2問書いて、教室から抜けます。
先生がいなくなった瞬間、子どもたちが騒ぎ始めます。
先生が戻ってきて、しゃべっている子がいると、叱ります。
この繰り返しです。
そんな先生ばかりではないですが、1学期間、この光景を見ない日はありませんでした。
2年生のクラスに、ベテランの先生が途中で入った記事も読ませていただきました。
私は、現在その立場に近い活動をしております。
・教師としてみられない。
私は、日本人です。ただの日本人。
そんな日本人が、ある日から、ポン!っと授業を見に行きます。
私の活動しているカオラックというところは、セネガルでいうと中堅都市となっていて、物はありふれているけど、心がそこに追いついていないというのが、私の印象としてあります。
TVが好きな家庭が多く、中国映画、特に「ジャッキーチェン」「ブルース・リー」などが多く放映されています。
授業中に、先のように先生が抜けて、私が授業をやる場面が何度かありました。
そんなときは、縦糸がないので、一気に崩れます。
褒めても伝わらず(言語力の問題です。)、叱っても、「チン・チョン・チン」と馬鹿にされ…。
1番辛かったのは、ボールペンで頭に落書きをされたことです。
私の活動のメインは「算数指導による先生の技術向上」並びに、「子どもの学力向上」です。
本来であれば、話し合いをしながら、チーム・ティーチングで活動を進めていくところなのですが。
なかなか、そのように進めていくのは難しいものだなと実感しているところです。
現在、調査中ですが、「先生の免許」をとる際に、
・子どもの就学率をあげるために、学校を増やし、
・学校を増やしたために、先生を増やさなければならず、
・「小学校卒業資格+3か月の教育養成学校」で教員の資格を得て、教鞭をふるっている先生が少なからずともいる
ということがわかっています。
現在は休み期間中でしたので、今までの活動を省察する時間をつくることができました。
今回、1月のブログを読ませていただき、たくさんのヒントを得ました。
③日常授業の改善
これが、今の自分にできそうなところです。
フランス語に慣れてきた1学期の後半から、現地の先生方の授業をほぼマネして授業をやるように心がけました。
自分で工夫した点があります。
例えば、「ドリル問題」を出すときに、スモールステップで問題を少し難しくしていく。
ということをやってみました。
子どもたちの眼付と、食いつきが変わったような気がしました。
初めは簡単な誰でも解ける問題→最後は、今日学んだことを生かす問題。
その後、問題の出し方をディスカッションするというような具合です。
②子どもたちとの「関係づくり」
一番の課題です。担任ではなく、巡回して4つの学校を回っているので、やっと顔を覚えてもらえたかなという印象です。
問題なのは、狎れてきたあと。
「この人は、鞭でたたかない」「暴力を振るわない」と認識されたあとでした。
2学期が始まりますが、これから毎日、山場を迎えるのだなと思うと少し足が重いです。
ただ、このブログを読んで、前向きに考えるきっかけになったことは確かです。
facebookでも記事をシェアさせていただきます。
今後とも、よろしくお願いします。
★ ★ ★
兒玉先生は、フランス語で子供たちと会話をされているのだろうか。
兒玉先生、ぜひとも私のブログにコメントを寄せてください。
私たちもとても参考になります。
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