この10年で提起してきた3つのこと(8)
ブログでのよしドン先生とのやりとりは、おもしろかった。
よしドン先生は書かれている。
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しつこくですみません。なぜここまでこだわるかというと、「縦糸」をはる際に間違えてはならないからです。『教卓のこちら側』というだけでは成り立たない時代だと思います。こちら側がそのことを意識しないと、いけないと感じているからです。
『先生』だからでは通用しない時代に入ったのです。『先生』として信頼されるように日々努力していく必要があるのだと思います。人間ですから時には失敗することもあります。完璧にやってくださいというのではありません。学び続けることを忘れてしまってはならないと思います。それも子どものために。
先生のそんな姿、一生懸命やっている姿を子どもたちが見たり、感じたりしたときに、子どもたちと縦糸を結んでいけると思うのですが、どうでしょう。
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ここはまったく私の考えと同じである。
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「縦糸の枠組み」が壊れてしまって、新しい枠組みが必要になっていると書いた。
学校現場は、それをまだ再構築できていないとも書いた。
そこで混迷の中で漂っている。
これからますますこの混迷の度合いは増していくであろう。
私なりに方向は提示している。
私は11年前に最初の本『困難な現場を生き抜く教師の仕事術』(学事出版)を出した。 私の周りで起こる学級崩壊の状況に、危機感を感じての提起であった。
それからもはや10年以上の歳月が過ぎた。
その間に提起してきたことは、おおまかに言えば3つのことになる。
①土台としての「学級づくり」を明確にすること。
「まず、授業よりも『学級づくり』を優先しなければいけない」と主張した。
「学級づくり」を土台として据え付けることの主張。
それは、クラスの枠組みを再構築のためであった。
ここで、「3・7・30の法則」を提起した。
また、最低限の方法として「学級づくり⒊原則」を提示した。
いま学校は、「たし算発想」で着ぶくれ状態で身動きができないようになっている。
ここは「ひき算発想」でシンプルに提示しなければいけないと考えた。
「学級づくり3原則」は、削って削って最低限の原則になる。
「もうこれ以上削ったら学級づくりにはならないよ」というもの。
初任者のクラスで実践してもらって、十分にやれると判断したものである。
②子供たちとの「関係づくり」を重点化すること。
子供たちとの関係づくりが大きく崩れている。
私は橫藤雅人先生が提起した「織物モデル」の関係づくりに共鳴して、関係づくり の再構築をしなければならないと考えている。
「縦糸・横糸」をいかにバランス良く張っていくかが問われる。
この提起は、2013年の東京学芸大学の山田雅彦先生たちの研究論文で、確かな 実践であることを実証されている。
③「日常授業」の改善をテーマにすること。
「ごちそう授業」(特別な授業)に特化してきた今までの「授業づくり」を「日常授 業」に振り向けていく試みである。「味噌汁・ご飯」授業としてネーミングでの提起。
ここでも、引き算発想でシンプルに「授業づくり3原則」を提起する。
「指導言」(縦糸)―「活動」―「フォロー」(横糸)
この3原則でも、縦糸と横糸の関係づくりを織り込みながら授業を組み立てていこ うという試みである。
(この「味噌汁・ご飯」授業は、3月下旬に明治図書より刊行予定である)
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以前このブログで呼びかけた資料がある。
「学級崩壊立て直し記」「A先生の授業」である。
今でも送付してほしいというメールがくる。
知り合いのA先生が崩壊したクラスに担任として入って、そのクラスを立て直していく記録である。
改めて読んでみて、まったく古くなっていないと感じた。
そして、子供たちから評判になった授業を、A先生がどのように行ったかをまとめた「A先生の授業」である。
これも改めて読んでみて、「フォロー」(横糸)をとにかく多用していることを感じた。 これは「味噌汁・ご飯」授業でも強調している原則である。
私のブログをずっと読んでいただけている方は、すでに読まれていることであろう。
もし、読んでいない方で読んでみたいという方は、私のメールへ連絡をしてほしい。
添付で送付していく。
kazenifukarete A hkg.odn.ne.jp (Aのところへ@を入れてほしい)
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