信頼関係は2つことから成り立つ(7)~よしドン先生に答える その2~
「上下の関係」についてぐじゃぐじゃと書いた。
何でこんなにここにこだわるのかと、不思議に思われた方もあるかと思う。
よしドン先生は、「先生と子供の関係は『信頼関係』である」と強調されている。
私も、ここのところはよく分かる。
確かに、その通りである。
問題は、その「信頼関係」の中身である。
★
私は2つの点からこの「信頼関係」をとらえている。
①「上下の関係」が、「教え」―「学ぶ」関係として成り立つ限りにおいて「信頼関係」になっていく。
また、多くの子供たちが担任の先生を信頼するのは、教室を「安心・安全で居心地がいい場所」にしてくれることである。
そのためには、教室を不穏な空気にする 「やんちゃな子供」に対してきちんと指導できる担任がいなければいけない。
その点で、多くの子供たちは、「厳しい」先生を求めている。
②子供たち個々との「心の通じ合い」ができる先生である。
①が「縦糸張り」であり、②が「横糸張り」であることはすぐに確認してもらえると思う。
私が、「上下関係」にこだわったのは、①の「信頼関係」を築き上げるためである。
そのためには、教師はどうしても「教卓のこちら側」にいて、毅然として「縦糸張り」をしなければいけない。
教室が「安心・安全」でどんな子供でも自分の居場所がきちんと保障される場所にしていくためには、担任のリーダーシップのもとに、教室のルールづくりや仕組みづくりなどがきちんとなされなければいけない。
ただ、「信頼関係」というのは、②だけであると思われているところがある。
特に、初任者はそのような働きかけをしようとして、クラスを大変にしていく。
★
昔は、①だけをやっておけば十分に「教師」することができた。
それは、繰り返しになるが、学校に「縦糸の枠組み」ができていたからである。
しかし、それが壊れた。
だから、①だけではやっていけなくなったのである。
①と②をバランス良く駆使しながら、子供たちとの信頼関係を作り上げていかなくてはならなくなったのである。
それが「現在」である。
★
橫藤雅人先生と2人で出した『必ずクラスがまとまる教師の成功術!』(学陽書房)では、「縦糸を張る」ことについて、次のように定義づけている。
教師と生徒の上下関係を基礎とするしつけや返事、敬語、学級内ルールなどの関係づくり
そして、そのために次の4つのことをする。
①学校でのしつけをしっかりする。
②返事、あいさつ、敬語などの言葉づかいをきちんとさせる。
③学級内ルールをきちんと作る。
④教室環境を整える。(子供たちの机、ロッカーなどの整頓を含めて)
また、「横糸を張る」ことについては次のように定義している。
教師と子供のフラットな心の通い合い
この「横糸を張る」ことは最初は、教師と子供という関係から始まり、そのあとに「子供」と「子供」の関係につながっていくものだと考えている。
この「縦糸と横糸」張りをバランス良く行うことが大切なことになる。
| 固定リンク
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 「自己流」で身に付けた力量で対応できなくなっている!(2019.03.16)
- 『教師1年目の教科書』が重版になる!(2019.03.13)
- 再び横浜野口塾のお知らせです(2019.03.10)
- つれづれなるままに~飛行機ができてきた~(2019.03.09)
- 『教師1年目の教科書』(学陽書房)が発売される(2019.03.05)
コメント