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passion 先生の質問に答えます

 ブログにコメントがついている。ありがとうございます。
 質問がなされているので、答えておきます。
 

 橫藤先生がコメントをつけられていますので、そちらの方も参考にしてください。
 

 ★ ★ ★
いつもこのブログを読ませていただき勉強をさせていただいています。
ありがとうございます。縦糸横糸について大変興味があり、恐縮ながら
コメントさせていただきます。教師と子どもの関係性を縦糸、子供同士の
関係性を横糸ととらえる場合と、教師の指導性を縦糸、フラットな気持ちで遊んだり、
フォローするのを横糸と捉える場合があるかと思います。ここでは後者と捉えて
質問させてください。
基本的には縦糸を紡いでから横糸を紡ぐのかと感じています。しかし、特に学級が
始めから荒れている場合は、横から紡いでから縦糸に行くのも有効なのかと思うのです。
横糸だけつないで、友達先生になるというのではなく、子供を認め、子供が興味関心を
持っているものについておしゃべりをして、関係性を深めてから、叱っていくことも
大切かと感じました。学級崩壊しているクラスで縦からいくとそこでシャットダウンする子もいるかと感じます。また教師の人間性にも深く関係するかと思います。縦型の教師(勝手に言葉を作ってごめんなさい。そこに立っているだけで恐そうな人) と横型の
教師(物腰がやわらかい人)によっても、進め方が違ってくるのかと思います。横型だと横糸から迫っていくのも大切かと思うのですが、どうでしょうか?またいずれにしてみも、よこドン先生が、おっしゃる愛情が根底に流れているということが大切であると感じています。
長々と書いてしまってすみません。野中先生のお考えをお聞かせいただいたらうれしく
思います。
★ ★ ★
 まず、縦糸・横糸については、繰り返しますが、先生がとらえている通り、後者の方です。
 ただ、子供同士の関係である横糸を考えてないわけではありません。
 

 横糸の場合も、最初は教師と子供との関係の中で張っていって、その後には、子供同士の関係も当然出てこなければいけないととらえています。

 そういう考え方です。

  ★
 さて、最初から荒れている場合は、「横糸」から入っていって、その後に「縦糸」という場合もあるのではないかという質問です。
 
 

 荒れているクラスをどのように回復して、立て直していくかというのは、現在大きな問題です。
 たとえば、次のような場合が出てきます。

 (1)昨年度崩壊していたクラスをそのままクラス担任として受け持った時
 

 (2)昨年度荒れていた学年の子供たちを受け持った時(クラス替えはしてある)
 

 (3)荒れているクラスを途中で回復していく時(担任のままで)
 

 (4)荒れているクラスを途中から担任引き継ぎで受け持った時
 

 (5)荒れているクラスの補助としてT・Tとして入った時
 
 

 5つの場合それぞれに方針は違ってきます。
 

 質問の先生の場合は、(1)(2)のどちらの場合かは分かりませんが、目の前の子供たちは荒れまくっているというのは、共通していますね。
 
 

 私も37年間の中で、成功した場合もありましたし、失敗した場合もありました。
 その経験から書きますね。

 A まず、(1)(2)の場合ともに、なぜ荒れたのかを自分なりに把握しなくては 

   なりません。
   たとえば、次のようなことです。
  

  ①前年度の担任が、厳しすぎて荒れた。(ベテランのクラスに多い)
  

  ②前年度の担任が、甘すぎて荒れた。(初任者や若い先生たちのクラスに多い)

  B 2つのクラスの場合とも基本は、橫藤先生が書いておられるように、「2:8」で横糸を数多く張っていくことです。
 

  なぜなら、前年度の担任はほとんど「子供たちの関係づくり」への失敗・破綻でクラスを荒らしているのですから、そんなクラスに「縦糸」を張ろうと身構えて   しまったら、また同じ結果を招きかねません。

 C ただ、(1)の場合は、今までの先生と違う「関係づくり」をする必要があります。
 

  誤解を受けるのを前提であえて言いますと、前年度崩壊したクラスを受け持った時は、そんなに大変ではないのです。前の先生とはがらりと違う学級経営をすればいいのです。

  それだけで子供たちはついてきます。経験的にそう言えます。

    これは(3)の場合も言えます。
 

 D 問題は「2:8」の「2」の部分です。
   縦糸も張らなければいけないわけです。 

 

    だから、コメントの先生の「横糸→縦糸」というわけにはいきません。
   普通、そんなに厳密にそんなに区分けできません。

 

   ほとんどが縦糸と横糸を同時に張っていく場合が多いのです。
     この時は、橫藤先生が言われている「全体」に縦糸を張っていくのです。

 E 私の場合は、「学級づくり」の原理・原則でいくべきだと思っています。
   
 ★
 クラスは「2・6・2」の法則でできあがっているという私の提起は読まれてことがあるでしょうか。
 

 これは組織原則の法則です。

 クラスの始めは、最初の「2割」が「真面目で、先生に味方をしてくれる子供たち」がいます。つぎの「6割」は中間派です。最初は静かに座っています。最後の「2割」が、前向きになれない「やんちゃな子供たち」がいます。
 

 「学級づくり」の最初は、中間派の「6割」を味方してくれる「2割」に引きつけて
「8割」を味方にする働きかけをします。
 

 これが「学級づくり」での1ヶ月の仕事です。
 もっとも重要な仕事です。
 

 これを私は「3・7・30の法則」という形で提起をしてきました。
 1年間の80%がここで決着がつくのです。
 
 この「3・7・30の法則」のほとんどが仕事が「縦糸張り」の仕事になります。
 ★ 
 ところが、最初荒れているクラスは、「2:6:2」にはなっていませんね。
 「1:4:5」とか、極端には「1:2:7」とかにもなっているはずです。 
  これは大変です。

 でも、基本は「味方になってくれる子供たち」を増やしていくことです。
 
  担任が基本的なことをしていくと、必ず「味方になってくれる子供たち」が増えてきます。

 なぜなら、多くの子供たちはクラスが「安心・安全で居心地のいい場所」になってくれることを願っているからです。

 今、多くの子供たちは、不穏なクラスだから力が強い勢力についているだけで、本来担任が頼りになるリーダーシップを持っていたら、それについてくるのです。
 そんなに子供たちは複雑ではありません。

 ★
 普通のクラスでは、「織物モデル」の縦糸・横糸は、最初に「縦糸張り」をします。そこに「横糸」を絡ませていきます。これが基本です。
 

 私の場合は、最初の3日間は、「横糸張り」を中心にして(縦糸も張っているのですが)その後はきちんと「縦糸張り」をするという方向を取りました。
 
 1ヶ月では、きちんと「縦糸」が張られているというイメージですね。
  粛々と進めることです。
 

 何のためにこんなことをするかというと、クラスを「安心・安全で居心地のいい場所」にするためです。
 多くの子供たちが、こうなることを望んでいるのです。
 

 担任しかこの望みを実現することはできません。
 
 ★
 ただ、くれぐれも注意しておきたいことは、橫藤先生の次の言葉です。

 ★ ★ ★
 大体において、縦糸は「全体」に対して張るのです。
問題の行動をとる「その子」にだけ縦糸を張ろうとし、高圧的・感情的になっては、絶対にいけません。特に発達障害の子に対してそれをすると、問題の解決はどんどん遠ざかります。
問題の行動をとる子は、包み込んでやる、あるいは寄り添ってやるのが原則です。

「養之如春」(ようしじょしゅん)という言葉があります。「それを養うは春の如く」。春の光がおだやかに切れ間無く照らすことで雪や氷が解けるように、子供を養うのも春のように行うべきだ、というのです。
単に甘くするのではなく、です。
それが「全体」に「子供たちへの愛情や信頼」を持って示し続ける、縦糸だと思っています。
★ ★ ★

 では、こういう子供たちにはどうしたらいいですかという質問が出てきます。

 「教師」として必要な注意、叱りは必要です。
 当たり前ですね。悪い行動を取っているのですから。

 ただ、小うるさくしたり、細かい注意をくりかえしたりしないことです。
 見て見ぬふりもある場合(みんなの迷惑にならない場合)必要です。

 あくまでも「教卓のこちら側」としての「教師」としての対応です。
 個人的な感情をぶつけてはいけない。

 粛々と「教師」としての行動を取ればいい。

  私ならば、そう答えます。

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コメント

野中先生、自分の質問に対してわかりやすく教えていただきまして、本当にありがとうございました。野中先生の温かさが大変うれしく思いました。非常にわかりやすく、納得し3学期もがんばろうと思いました。先生がおっしゃるように縦と横は日常並行して進めて行くものですよね。そのバランスの大切さも実感しています。横藤先生からのご助言も大変うれしく思いました。ありがとうございます。
今後ともたくさん勉強させてください。ありがとうございました。

投稿: Passion | 2014年1月13日 (月) 17時31分

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