中村先生の本が飛び込んできた!
暮れになって、刺激的な本が飛び込んできた。
中村健一先生の本。
「おい、おい、これは何なんだよ!」と驚くことであった。
「はじめに」のところに次のように書いてある。
★ ★ ★
私は、若い頃、毎日1時間は楽しい授業をしようと思って、しっかり準備を
していました。
その1時間については、面白いネタを用意し、全ての発問・指示を書き出し
ていたのです。
今思えば、授業づくりに燃えていました。
しかし、その意欲満々の若い頃ですら、毎日1時間でしたからね。
逆に言えば、残りの5時間は,普通の授業をしていたということです。
意欲があってがんばっても、大部分の授業が普通のつまらない授業だった
のです。
┌─────────────────┐
│ 授業はもともとつまらないものだ。 │
└─────────────────┘
こんなことを言ってしまったら、お叱りを受けるでしょうか?
★ ★ ★
中村先生、思い切って言い切っている。
でも、多くの先生方は納得されるであろう。
また、読み進んでいくと、次のように書いてある。
★ ★ ★
最後になりましたが、まずは、野中信行氏に感謝します。本書のアイデアの
元になっているのは、野中氏の「『味噌汁・ご飯』授業」です。野中氏にはい
つも多くのことを学ばせていただいています。
★ ★ ★
この本は、「味噌汁・ご飯」授業にアイデアをもらったもの。
それで分かったことがある。
その書名。
はじめて教育界にこんな書名の本が登場したのである。
村上春樹の最新作『色彩を持たない田崎つくると、彼の巡礼の年』に対抗してつけたという書名。
「つまらない普通の授業に子どもを無理矢理乗せてしまう方法」(黎明書房)
★
私達も3月に明治図書から「味噌汁・ご飯」授業本を出すことになっている。
「日常授業」の改善の本になる。
その前に、中村健一先生に先に出されたことになる。
だが、これは、うれしい、うれしい、驚きの声。
主張することも、ほとんど私達と同じである。
一気に読んでしまった。
★
私達は、従来から主張してきた。
「日常性」を組み入れない「授業研究」は、所詮絵に描いた餅にしか過ぎない。
この本は(ちょっと再び書きにくい書名…笑)みごとに「日常性」を組み入れようとしている。
その意味で、画期的な本だと私は評価したい。
★
私達は、今まで「日常授業」を「授業研究」の対象からうち捨ててきた。
「ごちそう」授業をいかに作るかだけが対象であった。
そんな「授業観」を転換しなくてはならない。
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